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リグレットブレイカー(一)
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わたしは家の主人に書斎に通されて、ちょこんとソファーに座っている。
部屋の中心には茶色のローテーブルを挟んで深緑色のソファーが二つ。
南側にはアンティーク調の机と椅子が、天井まで伸びる本棚を背に、置かれていた。
西側に身体を向けているわたしは、何となく本棚に視線を向けてみる。
分野に関係なく、英語、日本語、半々ぐらいの本が、整然というより無理矢理に詰め込まれていた。硬い日本語で書かれた背表紙のタイトルは、どことなく怖そうな雰囲気で、目に見えない念波を発しているようだ。
それにしてもこの書斎はとにかく寒い。
肩はふるふると震え、両腕にはさざ波が浮かんでいる。思わず両手で腕を擦り始めると、足裏もぞくっとして、爪先立ちで床から逃げた。冷蔵庫のような書斎で、わたしは主人の帰りを待つ犬のようだ。
突然、がらがらと扉が開く音がして、きゃいん、と怯えるわたしの目の前に、この家の主人である彼が現れた。
手に持つコーヒーカップとソーサーは、カタカタと不安そうな音を立てている。
「コーヒーを……どうぞ。あ、エアコンを入れます。今年の夏は暑いですね」
ありがとうございます、と呟いて、赤い柄が描かれた白いカップに砂糖をどばどばと入れる。唇をとがらせてそっとコーヒーを啜る。コーヒーは熱いのに、カップはなぜか冷たく感じた。
彼は本棚を背に椅子に座り、ソファーに深く沈んでしまっているわたしは、ほとんど彼の顔しか見えない。
「それで、この紙は、どこで……」
わたしが玄関で手渡した赤紙を、右手でひらひらとさせる彼。
「あ、はい。近くのお祭りで、わたしの前に飛んできて、思わず掴んだら募集のチラシだったもので……」
コーヒーを久しぶりに飲んだ気がする。苦味を支配した甘味が喉に優しい。
「ふーん、で、コーヒーは飲めるのですね」
ぶっ、と吹き出しそうになる。
いや、そりゃ飲めるわよ。たっぷりな砂糖がないと無理だけど。
「ま、何はともあれ、この紙を見つけて来てくれた訳ですね……」
不躾な質問に、しぶしぶと、はい、と言って口を尖らす。
「それで、この募集に応募したいということですね……」
ここぞとばかりに、うん、うん、とわたしは強めに頷いた。
つい先程のこと。楽しげな人声に誘われて夏祭りに行くと、風に舞った赤紙がばさっと顔にへばりついて、なんなのよっ! と鷲掴みにしたら、住み込みバイトの募集と書かれていた。
どうしたらいいか分からないわたしにとっては、まさに救いの御手。
どこぞの神様に二礼二拍手一礼を捧げて、勢い余って少しふらついたけど、まだ見捨てられていないことに感謝した。
「僕は、個人で仕事をしていてね。この募集は住み込みのバイトですが……あ、僕、男性だけどいいかな?……いや、ほら、一応、いろいろあるし、確認です」
彼はわたしの反応を伺うような眼差しを、眼鏡の奥からさりげなく向けてきた。
一瞬だけためらったが、うん、うん、うん、と、今度は三度頷く。
ちょっと冷たそうな瞳だけど、顔のバランスは神様に祝福されているようで結構なイケメン。柔らかくウエーブがかかった黒髪は少し長めで、フレームが細い金属製の眼鏡と合わせると早熟の学者のようだ。
皺のない白シャツにグレーのワイドパンツを履いている彼は二十代後半に見える。
初対面だけど、そうゆうことを迫るタイプではない……よね、の部分で小首をかしげ、笑みを作る。
「ん? どうしました? 首を傾げて」
「あ、いや、あはは……バイト内容は家事と家の管理と……あとは仕事の手伝いですよね」
何の仕事か聞いてないけど、手伝いぐらいならなんとかなる。
「そんなところです。料理は苦手ではないのですが、面倒さが勝ってしまって……得意ですか?」
彼は罰が悪そうに視線を落とし、頭を掻いた。
「……あ、はい、料理は一通り。家事も大丈夫です」
ぱっとメニューは浮かばないけど、できるはずだ。料理を習ったような気がする。
「そうか。それなら助かる。バイト代は……」
「時給千円で、いや千百円だと助かるんですが……」
なんとなく頭に浮かんだ平均的なそれを、さりげなく置いてみた。
「分かりました。その金額でお願いします」
話しながら彼の顔が机の下に沈み、ごそごそと引き出しを漁るような音がする。
やがて顔を上げた彼は、おもむろにほいっと何かを投げた。
クレヨンで描くような赤い放物線が目に映り、わたしは水を掬うように両手を差し出して赤色がぽすんと落ちる。それは赤い組紐に同じ色の鉱石が付いたブレスレットだった。
鉱石は丸く、例えるなら猫鈴に見える。わたしは思わず綺麗と叫んでしまった。
「それを付けてくれるかな。仕事が……まぁ、なんだ、いろいろとやり易くなるのです」
いきなり初対面でプレゼントはどうかと思うけど、ことを荒立ててこのバイトを失うわけにはいかない。
「はい、ありがとうございます」
付けた腕を上げて、手首をゆらしてみる。変化を告げる鈴の音が聞こえた気がした。
「それが目印になるから。迷子でも、すぐに見つけられるし」
やっぱり猫扱いか! と言いたくなるがそこはぐっと耐えた。どうやらバイトは合格のようだ。面接がこんなに簡単でいいのかと訝しむが、それでも居場所が確保できたのは心底、有難い。
それにしてもこのブレスレット、実にしっくりくる。
「あの————ところで、お名前とか、教えてもらえると……」
「君の名前は?」
名前? わたしの名前は、ええっと……。
「あ、はい、わたしはカノコこと言います。月カノコです」
「かのこ……ああ、和菓子みたいですね。うん」
「違います。カタカナでカノコです!」
ぎゅっと目が細めて睨んでみたけど、眼鏡の奥の硬い瞳孔は綺麗に跳ね返した。
「僕は妙音鳥隼人といいます。よろしくお願いします」
何よ、自分だって、天然記念物の鳥みたいな苗字じゃない、と思いながらもぐっと言葉を飲み込んだ。
わたしは、よろしくお願いしますと丁寧にお辞儀をした。
「こちらこそ……」
立ち上がって椅子をどかし、空間を作る妙音鳥。
なんだろうと眺めていると、「では、さっそく仕事、いいですか。この本棚を整理してください。内容ごとでまとめてもらえると。最近ごちゃごちゃで……」
「あ、はい。でも、本棚の上の方だと、手が届かないのですが」
部屋の隅に立て掛けられていた今時珍しい木製の脚立を持ち出して、にっこりと微笑む彼。
はいはい、やればいいんでしょう、と心の中で悪態をついて、ない袖をまくる仕草で気合を入れた。
部屋の中心には茶色のローテーブルを挟んで深緑色のソファーが二つ。
南側にはアンティーク調の机と椅子が、天井まで伸びる本棚を背に、置かれていた。
西側に身体を向けているわたしは、何となく本棚に視線を向けてみる。
分野に関係なく、英語、日本語、半々ぐらいの本が、整然というより無理矢理に詰め込まれていた。硬い日本語で書かれた背表紙のタイトルは、どことなく怖そうな雰囲気で、目に見えない念波を発しているようだ。
それにしてもこの書斎はとにかく寒い。
肩はふるふると震え、両腕にはさざ波が浮かんでいる。思わず両手で腕を擦り始めると、足裏もぞくっとして、爪先立ちで床から逃げた。冷蔵庫のような書斎で、わたしは主人の帰りを待つ犬のようだ。
突然、がらがらと扉が開く音がして、きゃいん、と怯えるわたしの目の前に、この家の主人である彼が現れた。
手に持つコーヒーカップとソーサーは、カタカタと不安そうな音を立てている。
「コーヒーを……どうぞ。あ、エアコンを入れます。今年の夏は暑いですね」
ありがとうございます、と呟いて、赤い柄が描かれた白いカップに砂糖をどばどばと入れる。唇をとがらせてそっとコーヒーを啜る。コーヒーは熱いのに、カップはなぜか冷たく感じた。
彼は本棚を背に椅子に座り、ソファーに深く沈んでしまっているわたしは、ほとんど彼の顔しか見えない。
「それで、この紙は、どこで……」
わたしが玄関で手渡した赤紙を、右手でひらひらとさせる彼。
「あ、はい。近くのお祭りで、わたしの前に飛んできて、思わず掴んだら募集のチラシだったもので……」
コーヒーを久しぶりに飲んだ気がする。苦味を支配した甘味が喉に優しい。
「ふーん、で、コーヒーは飲めるのですね」
ぶっ、と吹き出しそうになる。
いや、そりゃ飲めるわよ。たっぷりな砂糖がないと無理だけど。
「ま、何はともあれ、この紙を見つけて来てくれた訳ですね……」
不躾な質問に、しぶしぶと、はい、と言って口を尖らす。
「それで、この募集に応募したいということですね……」
ここぞとばかりに、うん、うん、とわたしは強めに頷いた。
つい先程のこと。楽しげな人声に誘われて夏祭りに行くと、風に舞った赤紙がばさっと顔にへばりついて、なんなのよっ! と鷲掴みにしたら、住み込みバイトの募集と書かれていた。
どうしたらいいか分からないわたしにとっては、まさに救いの御手。
どこぞの神様に二礼二拍手一礼を捧げて、勢い余って少しふらついたけど、まだ見捨てられていないことに感謝した。
「僕は、個人で仕事をしていてね。この募集は住み込みのバイトですが……あ、僕、男性だけどいいかな?……いや、ほら、一応、いろいろあるし、確認です」
彼はわたしの反応を伺うような眼差しを、眼鏡の奥からさりげなく向けてきた。
一瞬だけためらったが、うん、うん、うん、と、今度は三度頷く。
ちょっと冷たそうな瞳だけど、顔のバランスは神様に祝福されているようで結構なイケメン。柔らかくウエーブがかかった黒髪は少し長めで、フレームが細い金属製の眼鏡と合わせると早熟の学者のようだ。
皺のない白シャツにグレーのワイドパンツを履いている彼は二十代後半に見える。
初対面だけど、そうゆうことを迫るタイプではない……よね、の部分で小首をかしげ、笑みを作る。
「ん? どうしました? 首を傾げて」
「あ、いや、あはは……バイト内容は家事と家の管理と……あとは仕事の手伝いですよね」
何の仕事か聞いてないけど、手伝いぐらいならなんとかなる。
「そんなところです。料理は苦手ではないのですが、面倒さが勝ってしまって……得意ですか?」
彼は罰が悪そうに視線を落とし、頭を掻いた。
「……あ、はい、料理は一通り。家事も大丈夫です」
ぱっとメニューは浮かばないけど、できるはずだ。料理を習ったような気がする。
「そうか。それなら助かる。バイト代は……」
「時給千円で、いや千百円だと助かるんですが……」
なんとなく頭に浮かんだ平均的なそれを、さりげなく置いてみた。
「分かりました。その金額でお願いします」
話しながら彼の顔が机の下に沈み、ごそごそと引き出しを漁るような音がする。
やがて顔を上げた彼は、おもむろにほいっと何かを投げた。
クレヨンで描くような赤い放物線が目に映り、わたしは水を掬うように両手を差し出して赤色がぽすんと落ちる。それは赤い組紐に同じ色の鉱石が付いたブレスレットだった。
鉱石は丸く、例えるなら猫鈴に見える。わたしは思わず綺麗と叫んでしまった。
「それを付けてくれるかな。仕事が……まぁ、なんだ、いろいろとやり易くなるのです」
いきなり初対面でプレゼントはどうかと思うけど、ことを荒立ててこのバイトを失うわけにはいかない。
「はい、ありがとうございます」
付けた腕を上げて、手首をゆらしてみる。変化を告げる鈴の音が聞こえた気がした。
「それが目印になるから。迷子でも、すぐに見つけられるし」
やっぱり猫扱いか! と言いたくなるがそこはぐっと耐えた。どうやらバイトは合格のようだ。面接がこんなに簡単でいいのかと訝しむが、それでも居場所が確保できたのは心底、有難い。
それにしてもこのブレスレット、実にしっくりくる。
「あの————ところで、お名前とか、教えてもらえると……」
「君の名前は?」
名前? わたしの名前は、ええっと……。
「あ、はい、わたしはカノコこと言います。月カノコです」
「かのこ……ああ、和菓子みたいですね。うん」
「違います。カタカナでカノコです!」
ぎゅっと目が細めて睨んでみたけど、眼鏡の奥の硬い瞳孔は綺麗に跳ね返した。
「僕は妙音鳥隼人といいます。よろしくお願いします」
何よ、自分だって、天然記念物の鳥みたいな苗字じゃない、と思いながらもぐっと言葉を飲み込んだ。
わたしは、よろしくお願いしますと丁寧にお辞儀をした。
「こちらこそ……」
立ち上がって椅子をどかし、空間を作る妙音鳥。
なんだろうと眺めていると、「では、さっそく仕事、いいですか。この本棚を整理してください。内容ごとでまとめてもらえると。最近ごちゃごちゃで……」
「あ、はい。でも、本棚の上の方だと、手が届かないのですが」
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