王道くんと、俺。(※現在、六章以降を手直し中。2026.1〜)

葉津緒

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第四章

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「教師に向かってなんだその目は! だいたい授業中にその格好はなんだ、貴様らふざけているのか!」

「へ?」

「……」


俺を抱き枕にしてる人が睨み返しちゃったようで、さらに怒鳴られました。
その亮ちゃんの苛立ちが、くっついた背中とお腹にまわされた腕からもピリピリ伝わってくる。


「そもそも教師はどこだ。今の時間は担当は千葉か? なぜ授業中に問題のある生徒を放置している!」

「担任といい生徒といい、最悪な者ばかり揃いおって。お前らのような人間がいるから日本は駄目なんだ」

「私が校長や理事長なら今すぐお前達のようなクズどもは全員退学にしてやる」


次々そんなことを言われて、さすがにちょっと悲しくなる。
なんでこんなに嫌われてるんだろー。俺だけならまだしも周りの人のことまで。
やだな、なんかムカムカする。

……もしも。王道くんならこんなとき、どうするのかな。

『俺のことなら何言われたって我慢できる。だけど、大切な友達を馬鹿にする奴は絶対に許さない』

とか?
言いそうだよねっ。そんで感動した攻め達がますます王道くんに惚れちゃったりしてねー。ふふっ。


「き、貴様! 人が説教をしているときに笑うとは……教師を馬鹿にするのもいい加減にしろ!」

「あ。違っ、ごめ」


激昂する声にハッとしても遅すぎる。
俺ほんと馬鹿だ、妄想してる場合じゃなかったのに。
怒りで顔を真っ赤にした先生が近づき、腕を振り上げるのが見え――



「安保先生、それくらいでやめてもらっていいですか」

「ぐ、うっ!?」

「千葉ちゃん?」


次の瞬間には、その腕を背後から押さえる別の手があった。
バランスを崩し数歩ほどうしろによろけた『安保』先生の前に回り込み、俺と亮ちゃんを庇うように立つ千葉ちゃん。


「……ふん、今まで何をしていたのかね千葉先生。教師のくせにサボりとは感心しませんな」

「すみません、急な用事で理事長に呼ばれてました。ああ、もうこちらは大丈夫なんで、安保先生は早くご自分の授業に戻られたほうが良いですよ。あんま長いこと授業中の生徒を放置してちゃ、先生もサボりだと思われるかもしれませんしね?」


頬を引きつらせる安保先生。
もしかすると『苦虫を噛み潰したような顔』ってこんな感じかな。

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