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俺の飼い主さまを探してる
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頭と背中を押さえつけられ、お尻だけを高く上げさせられたまま無理やりに指と、ドロリとする何かを入れられ掻き回されて。
縛られた両腕や、殴られたり蹴られたとこがあちこち痛む。
多分、血が出ている箇所もいくつか。
そんな、汚れた酷い格好の俺が会長の瞳に映っている。
「ひっ!?」
やっぱりまた助けに来てくれた、と喜んだ一瞬後。
会長が放つ凄まじい怒りの気に硬直してしまう。
こ、殺される……。
「く、くそっ」「やっちまえ!」
俺を押さえつけてた人達が次々に会長へと襲い掛かり、瞬時に攻撃を受けそのまま床の上に倒れていく。
速い。えっと、会長こんなに強かったっけ。
「お、おいっ、大人しくしろ! こいつがどうなっても良いのか!?」
「ひぐっ」
一人だけ残っていた奴が俺の首を押さえつけながら叫んだ。
お尻に入れられてた指を荒く抜かれ、痛みで呻く。
いつの間にかナイフを握る手が、無理やり上げさせられた顔すれすれにあった。
「少しでも動くと綺麗な顔がザックリいくぜ」と脅され、会長の動きが止まる。
「う、動くなよ会長さま。おい、お前ら起きろ!」
「チッ、痛てぇ……」
「ふざけやがって」
「ひひっ、今度は俺らのターンってな」
よろよろと立ち上がった四人が会長を囲む。
「か、かいちょ!」
大丈夫だ、と俺を安心させるような目でこちらを見つめる会長。だけどそれは本当にわずかな間だけだった。
足を蹴られ、お腹に拳を受け、膝や肘が入り、顔を殴られ。
さっきはあんなに強かった会長が一切の抵抗もせず、一方的な暴力を受け続けていく。
「かいちょ、かいちょッ、かいちょ!」
「お、おい動くな!」
「ヤる前に鼻でも削いじまったら流石に萎えるわ」と狼狽える男の声なんか聞こえない。
今の俺にはボロボロ流れる涙の向こうにいる、会長だけが全てだった。
「……そいつ、人の話を聞かねぇから。刃物は下げてくれ」
「はあ? 無理だろ。人質の意味分かってんのか、会長さま」
「ついでに縄も解いてこのまま解放しろ。そいつが無事なら、代わりに俺を好きなだけ殴るなり蹴るなりして構わない」
「ひひっ、何だそれ。俺様なら余裕ですしーってこと?」
「だ、だめ、かいちょ、ダメ!」
「…………良いぜ。ただし、条件をほんのちょっと変えさせて貰うわ。ナイフを下げんのも縄を外すのも、先にアンタが動けなくなってからな」
俺を押さえつけてる奴の言葉に四人が薄笑いを浮かべ、部屋の隅に転がる『武器』を拾い上げた。
金属バット、鉄パイプ……。
止めて。そんなもので殴られたら会長が死んじゃう。
「分かった。約束は守れよ」
「あーはいはい。んじゃ会長様、とっとと死んで、ね!」
「ダメーッ!!」
会長の頭に向かって振り下ろされた鉄パイプ。
目の端を飛ぶ赤いものと、驚愕の目で俺を見る会長。
誰かが叫び、強い痛みが走った。
.
縛られた両腕や、殴られたり蹴られたとこがあちこち痛む。
多分、血が出ている箇所もいくつか。
そんな、汚れた酷い格好の俺が会長の瞳に映っている。
「ひっ!?」
やっぱりまた助けに来てくれた、と喜んだ一瞬後。
会長が放つ凄まじい怒りの気に硬直してしまう。
こ、殺される……。
「く、くそっ」「やっちまえ!」
俺を押さえつけてた人達が次々に会長へと襲い掛かり、瞬時に攻撃を受けそのまま床の上に倒れていく。
速い。えっと、会長こんなに強かったっけ。
「お、おいっ、大人しくしろ! こいつがどうなっても良いのか!?」
「ひぐっ」
一人だけ残っていた奴が俺の首を押さえつけながら叫んだ。
お尻に入れられてた指を荒く抜かれ、痛みで呻く。
いつの間にかナイフを握る手が、無理やり上げさせられた顔すれすれにあった。
「少しでも動くと綺麗な顔がザックリいくぜ」と脅され、会長の動きが止まる。
「う、動くなよ会長さま。おい、お前ら起きろ!」
「チッ、痛てぇ……」
「ふざけやがって」
「ひひっ、今度は俺らのターンってな」
よろよろと立ち上がった四人が会長を囲む。
「か、かいちょ!」
大丈夫だ、と俺を安心させるような目でこちらを見つめる会長。だけどそれは本当にわずかな間だけだった。
足を蹴られ、お腹に拳を受け、膝や肘が入り、顔を殴られ。
さっきはあんなに強かった会長が一切の抵抗もせず、一方的な暴力を受け続けていく。
「かいちょ、かいちょッ、かいちょ!」
「お、おい動くな!」
「ヤる前に鼻でも削いじまったら流石に萎えるわ」と狼狽える男の声なんか聞こえない。
今の俺にはボロボロ流れる涙の向こうにいる、会長だけが全てだった。
「……そいつ、人の話を聞かねぇから。刃物は下げてくれ」
「はあ? 無理だろ。人質の意味分かってんのか、会長さま」
「ついでに縄も解いてこのまま解放しろ。そいつが無事なら、代わりに俺を好きなだけ殴るなり蹴るなりして構わない」
「ひひっ、何だそれ。俺様なら余裕ですしーってこと?」
「だ、だめ、かいちょ、ダメ!」
「…………良いぜ。ただし、条件をほんのちょっと変えさせて貰うわ。ナイフを下げんのも縄を外すのも、先にアンタが動けなくなってからな」
俺を押さえつけてる奴の言葉に四人が薄笑いを浮かべ、部屋の隅に転がる『武器』を拾い上げた。
金属バット、鉄パイプ……。
止めて。そんなもので殴られたら会長が死んじゃう。
「分かった。約束は守れよ」
「あーはいはい。んじゃ会長様、とっとと死んで、ね!」
「ダメーッ!!」
会長の頭に向かって振り下ろされた鉄パイプ。
目の端を飛ぶ赤いものと、驚愕の目で俺を見る会長。
誰かが叫び、強い痛みが走った。
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