うちのワンコ書記が狙われてます

葉津緒

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俺の飼い主さまを探してる

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「やだ、やだ……怖い……嫌。触ら、ないで……かいちょ、いやっ怖い。嫌い……やだ、痛い、指いや、お尻やだァ……っ」

「お、おい、しっかりしろ空牙」「く、くうちゃん?」

「ひっ……痛いよぉ、怖い……やだ、嫌。助けっ……かいちょ、かいちょ……やああああッ」


「空牙!」「くうちゃん!?」「ワンちゃんッ」




そこから先は何も覚えてない。
ただ怖くて苦しくて。目の前が真っ暗になってく感覚と、俺を呼ぶみんなの声が遠くから聞こえただけ。



 ***



「つまり、風紀委員長はワンコ書記の『トラウマ』になっちゃったってことか」

「虎……と、馬?」

「トラウマ。心的外傷とか精神的外傷とかいうやつな。正確には奴が原因じゃねーが、奴の言動が事件を連想させちまうんだろ」

「完全に自業自得ですね。ふふっ、ザマーミロ」

「右に同じぃ。ぷっ、風紀委員長ざまぁ」


放課後の生徒会室で。
今日もみんなと一緒にお仕事したり、休憩中に美味しいお菓子食べたりしてる。
あ、結局転入生くんは会長補佐として生徒会入りしたよ。
『役員補佐』は会長以外でも許可を出せるって先生が言ってたし、会長が認めないなら俺の補佐になってもらえば良いよね。そう言ったら即、会長の補佐になることが決定した。
むうう。俺の補佐……横取りされた、ひどい。

えーとね、とりあえず今回は“苦肉の策”なんだって。

『今は(風紀委員長対策の)人手が足りないからな、特別に生徒会入りを許可してやる』って会長が言ってた。
あと、
『宣言通りに、しっかりと(風紀委員長から空牙を)守ってくださいね』

『生徒会に入ったからには身を呈してちゃんと(風紀委員長からくうちゃんを守る)仕事をしてもらうよー!』

『ああ、分かってる。一番の敵が誰なのか俺もよく分かったし。必ず奴の魔の手から(ワンコ書記を)守り切ってみせる!』
って感じにみんなすごく盛り上がってた。
なんだかTVの戦隊モノみたいな会話だった気がする。かっこいい。


「まあ、そんなわけだから。今後は風紀のほうでもワンちゃんと委員長の接触を極力防ぎたいと思っているっス」


そう話すのは風紀の副委員長さん。
ついさっき、お仕事の書類を持って生徒会室にやってきた。それから、こないだの件について報告してくれてる。(虎と馬が風紀委員長、ってどうゆう意味だろ)
……風紀委員長に蹴られた足はもう平気なのかな。普通に歩いてるけど。


「副いいんちょ、さん。足……もう、痛くない?」

「ん? ああ、全然大丈夫っスよ。ワンちゃん心配してくれるんスか、嬉しいなぁ」


一瞬だけ目を大きく開いたあと、はにかむように微笑んだ副委員長さん。
うわぁ。元々、かっこよくてシュッとしてて男前な美形さんだなぁって思ってたけど、今の表情はなんだかすごく綺麗……。


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