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野望−弘毅ver.−/餓えた狼の野望
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部屋に帰ると浴室から太郎の鼻唄まじりの歌声が聞こえてきた。
テーブルの上には食い散らかしたお菓子の袋や空き缶、空のカップ麺などなど。……健康には非常に悪いが、一人でわりと楽しく過ごしてたみたいだな。
安心と同時にちょっとがっかりする。だってよ、俺がいなくて少しくらいは寂しがってるかもと期待したのに全然じゃねえか。
それにこの様子だと夕飯はもう要らないだろうし。はああ。
なんか急に疲れと眠気が襲ってきたわ。ほんのちょっとだけ、ソファで横になるか……。
ふ、と意識が浮上する。
どのくらい経ったのか分からないが多分寝落ちしていたらしい。照明の眩しさに目を開けられず、腕を動かそうとして異変に気づく。
なんだこれ、腕と足が縛られてやがる。だが拘束は甘くゆるゆるで簡単に外せるものだ。一体誰がこんなふざけたマネを。
ハッ、まさか。ちきしょう、太郎の身が危な――
「ふんふんふーん。ふふ、ふははっ、わはは。やったぞ俺は人生に勝ったー! 『平凡×不良』で筆下ろしぃ、あ・それ、ふっでおっろしー♪ 散々自分だけ気持ち良い思いをしやがって弘毅め、俺のこの最終兵器とそのスーパーテクに翻弄され、あられもない声と姿をさらすがいい。そして可愛い淫乱Mネコになるのだ!」
…………何やってんだ太郎。
すげえ楽しそうにガチャガチャと俺のベルトを外してるし。
え、もしや都合のいい夢かなこれ。太郎が俺の寝込みを襲う斬新なバージョン?
いや待て、筆下ろしって、お前が俺に突っ込むつもりかよ。というか最終兵器とスーパーテクってなんだ。自虐ネタか?
可愛い淫乱Mネコ? 誰が?
よく分からないがつまり俺を拘束した犯人は太郎、お前か。
「突っ込むためにはとにかく下を脱がさなきゃ、だよな」
とか言いながら下を脱がそうとしているようだが、力が弱すぎて話にならない。
「なんでうつぶせじゃないんだ、やりにくいだろ弘毅のバカ!」
懸命に人の腰を持ち上げ、引っくり返そうとする太郎に呆れながら声をかけた。
「……何してんだ、太郎」
***
言い訳にはならないだろうが俺は多分、ほんの少し寝ぼけていた。
「アッ、アッ……ん! ヤ、だ……も、ひぃっ……んぁ、無理ぃい!」
「は、何言ってんだ、よ。くっ……オラ、もっとしっかり腰振れよ、太郎」
「ひゃうっ……あ、あァアーーッ!」
どうせまたいつも見ている都合の良い夢なのだろうと思い込み、たがが外れ、気づけば俺の下で喘ぎまくる太郎がいた。
あ、やっちまった。そう思ったところで、いまさら止められるはずもない。
ずっと欲しくて欲しくてたまらなかったものが腕の中にあるんだ。俺の想像よりもはるかにエロくて可愛い太郎の姿に興奮が治まらない。
もっと鳴かせたい、もっと気持ち良くさせたい、もっともっと俺だけしか知らない太郎を見せてくれ。ああ、いっそ俺無しでは生きていけない淫乱な体にしてしまおうか。
「ああっ、もっとぉ……もっとしてぇ!」
「き、気持ちいい……死んじゃう、よぉ」
太郎が泣きながら叫ぶ言葉や、
身体中を弄られながら、気持ち良いトコを突かれ擦られたときの穴の締まり具合。
イクときの表情・中のヒクつき方。
震えながら俺にしがみつき、何度も
「好き、好きいぃッ……あ、愛してるからぁ……!」
そんな可愛くて情熱的な告白(※俺が強制した)をもらう。
それらの一つ一つに驚くほど反応し、俺の興奮は高まり続ける。
――その結果。
初心者相手にまさか本気で朝までヤり倒すことになるとは思わなかった。が、仕方ない。太郎があまりにもエロすぎて可愛すぎたせいだ。
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