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其の二
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くっそー。華麗なる『脇役総受け』完全計画の筈だったのに、昨日といい今日といい、どうしてこうも上手く進まないんだろうか。
もしや何者かの呪いとか?
――なんて人が真剣に悩んでいるのに。
その後、授業の度にやって来る先生たちはまず俺を見て驚き、それから必ず何度もややこしい問題を解かせようとしたり、教科書に載ってないような質問を浴びせかけてきたり。
昨日は視線すら合わそうとしなかったくせにさ。
まあ俺も、お昼以降は森で迷子になってたから授業自体サボった形になるんだろうけど。
まさかその仕返し?
おかげでゆっくり考えることが出来なかったじゃねーか、もおおぉッ。
***
「凄いね幸明くん。さっきのアレ、某有名大学入試問題だったらしいよ? なのに全部あんな簡単にスラスラ答えちゃうなんて」
「むうう何故だ、分からん~」
「それに今日は、昨日と違った意味で休み時間ごとに教室を覗きに来る生徒も多いし。この分だと親衛隊が出来ちゃうのもあっという間かな」
「ハッ、もしや俺の計画に穴でもあるのか? いやいやまさかそんな筈は無いし……」
「ねえ幸明くん、ブツブツ言ってないで学食か売店でお昼にしようよ。あ、でも今からじゃどっちもギリかな。んー。とりあえず今日は売店にするね。幸明くん何が良い? って聞いてないみたいだし、適当にパン買ってくるから待っててね」
そう言って悠布が教室を出て行ったことにも気付かず、悶々と悩み続ける俺の集中力。
さすが俺!
しかし完全計画の問題点については、やはり何一つ思い当たらないのだった。
「あれ? 悠布はどこですかねー」
気が付くと教室内に姿は無い。
おぉう、イリュージョン。
「あ、あの。日野西くんならさっき教室から出て行ったけど」
「お? そっか、ありがとー」
「う、ううん!」
親切な通りすがりのクラスメート君に教えて貰ったよ。名前も知らないけど優しいなぁ。
へらりと笑ってお礼を言ったら、赤い顔がさらに真っ赤に。
うむ、なるほど照れ屋さんだね。
それにしても、俺に黙っていなくなるとは悠布の奴……。
ハッ!
もしやどっかの美形に呼び出され、学食へ強制連行されたのでは。だってお昼だし!
グウゥゥウゥ~
肯定だ、と俺の腹が鳴いている。
ならば今すぐ俺も学食へ向かわねば。
決して腹が空いてるからではない、あくまで萌えのためだ。
そして離れた場所から、こっそり悠布と美形の絡みを観察するのだ。山盛りのご飯を食べながら!
ぐーきゅるるるぅぅっと鳴る腹をさすりつつ、俺は悠布とお昼ご飯が待つ食堂へと急ぐのだった。
「お待たせー……って、あれ。幸明くん?」
入れ違いで教室に戻った悠布が、昨日に引き続き俺の心配をしているとも知らずに。
.
もしや何者かの呪いとか?
――なんて人が真剣に悩んでいるのに。
その後、授業の度にやって来る先生たちはまず俺を見て驚き、それから必ず何度もややこしい問題を解かせようとしたり、教科書に載ってないような質問を浴びせかけてきたり。
昨日は視線すら合わそうとしなかったくせにさ。
まあ俺も、お昼以降は森で迷子になってたから授業自体サボった形になるんだろうけど。
まさかその仕返し?
おかげでゆっくり考えることが出来なかったじゃねーか、もおおぉッ。
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「凄いね幸明くん。さっきのアレ、某有名大学入試問題だったらしいよ? なのに全部あんな簡単にスラスラ答えちゃうなんて」
「むうう何故だ、分からん~」
「それに今日は、昨日と違った意味で休み時間ごとに教室を覗きに来る生徒も多いし。この分だと親衛隊が出来ちゃうのもあっという間かな」
「ハッ、もしや俺の計画に穴でもあるのか? いやいやまさかそんな筈は無いし……」
「ねえ幸明くん、ブツブツ言ってないで学食か売店でお昼にしようよ。あ、でも今からじゃどっちもギリかな。んー。とりあえず今日は売店にするね。幸明くん何が良い? って聞いてないみたいだし、適当にパン買ってくるから待っててね」
そう言って悠布が教室を出て行ったことにも気付かず、悶々と悩み続ける俺の集中力。
さすが俺!
しかし完全計画の問題点については、やはり何一つ思い当たらないのだった。
「あれ? 悠布はどこですかねー」
気が付くと教室内に姿は無い。
おぉう、イリュージョン。
「あ、あの。日野西くんならさっき教室から出て行ったけど」
「お? そっか、ありがとー」
「う、ううん!」
親切な通りすがりのクラスメート君に教えて貰ったよ。名前も知らないけど優しいなぁ。
へらりと笑ってお礼を言ったら、赤い顔がさらに真っ赤に。
うむ、なるほど照れ屋さんだね。
それにしても、俺に黙っていなくなるとは悠布の奴……。
ハッ!
もしやどっかの美形に呼び出され、学食へ強制連行されたのでは。だってお昼だし!
グウゥゥウゥ~
肯定だ、と俺の腹が鳴いている。
ならば今すぐ俺も学食へ向かわねば。
決して腹が空いてるからではない、あくまで萌えのためだ。
そして離れた場所から、こっそり悠布と美形の絡みを観察するのだ。山盛りのご飯を食べながら!
ぐーきゅるるるぅぅっと鳴る腹をさすりつつ、俺は悠布とお昼ご飯が待つ食堂へと急ぐのだった。
「お待たせー……って、あれ。幸明くん?」
入れ違いで教室に戻った悠布が、昨日に引き続き俺の心配をしているとも知らずに。
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