腐男子完全計画!

葉津緒

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其の二

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「……お、お前……!」

「あ……えっ、幸明くん?」


二人ともプルプルして顔真っ赤。
え、何。いきなり変な感染病とか?
それより人のこと指差すだなんて失礼しちゃうっス。もぉ、俺が腐男子だからって馬鹿にしたら許さないぞ!
(うっ、自分で言っててキモかった)

でもって相変わらず口を開けたままぱくぱくする二人。
なんなのさ、だから指を差すのはやめなさいってば。
指……あれ?
どうしてだろう。二人がそれぞれ持ってる物に、すごぉく見覚えがあるような。


「あっ」


ハッと気づき、自分の頭や顔に触れてみる。
な、ななな――無い。



「か、返してッおお俺の地毛と顔を! 今すぐ返しやがれえぇぇえッ!?」


直後、二人が口を揃えて

「いや、地毛じゃないし。鷲鼻・ヒゲ付き眼鏡は顔の一部ですらないだろ(でしょ)」

とツッコミを入れてくれました。
うんうん、やっぱボケにはツッコミという名の愛が必要だよね。


「とかモノローグふうに言っとけば何か俺、冷静な感じでかっこよくね? ――みたいなこと考えてないし、全然余裕じゃねーし! そもそも俺、別にボケたわけじゃないからね? 気が動転しすぎて何言ってるのか自分でもよく分からないですけど、それが何か!?
ともかく俺の大事な百均王道アイテム返せ馬鹿あぁぁあーッ」


「…………」「…………」



その後、号泣しながら地団駄踏んだり

「お願いだから返してえぇぇッ!?」

と土下座する俺の姿に、二人はもっのすごく重ーいため息を吐いてくれました。
しかも生温い憐れみの眼差し付きで。

本当、失礼しちゃうんだから!



 ***



「という非常~に悲しい出来事があったわけなのさ。グスン」

「へ、へえー……。それは大変だったね?」


俺は今、教室にいます。
そして朝起きてから学校に来るまでの出来事を懇切丁寧に説明してあげてます。
え?
誰にって、顔を赤く染めた前の席の人にだよ。
そういえば、こいつの名前知らないや。


「幸明くん、そろそろ授業始まるから。いい加減に解放してあげなよ」

「何さ、悠布の裏切り者ぉ!」


結局あのまま返してもらえなかった俺の王道変装グッズ。おかげで今もチラチラこっちを見てくる、赤面したクラスメートたち。
SHRの時も担任がまじまじと俺の顔を見て

「は? え、君だれ!?」

と狼狽してたし。


一応ね、俺が美形なのは自覚してるから。
(親友からは美形は美形でも“残念な美形”呼ばわりされてたけども。失礼な!)

だから当然、素顔がバレた後の周囲の反応については想定済みだったよ。
予測はしてたけど、でもタイミング的に今じゃないだろ違うでしょ絶対。
もぉ俺の計画が台無し。

.
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