【完結】大人は恋で変われない〜35歳独身男。少女漫画で恋を学んだ結果〜

音無響一

文字の大きさ
21 / 42

021

しおりを挟む
「ここ来たかったんです~。ありがとうございます!」

「そうですか、それは良かった……」


誘ってしまった。

いや、あれは誘うしか選択肢なかったろ。
断るのも無理だろ、あんな露骨に誘われてたら。
しかも泣くなんて反則だ。
結局は嘘泣きだったが。
女の子って怖いんだな……


「何食べますか?嫌いなものとかありますか?」


居酒屋か。
オシャレな雰囲気の居酒屋ダイニングバーか。
こういう店は入ったことないな。


「なんでもいいんですか?じゃあ私の食べたいの頼んじゃいますね~」


な、ちょっと黙ってただけで……
好き嫌いはないからいいんだが。


「生でいいですか~?それともチューハイにします?」

「の、飲むんですか?」

「あったりまえじゃないですか~。仕事終わりのビール、これを川村さんと飲み干す。したかったんです~」

「お酒……お好きなんですか?」

「ん~普段は飲みませんけど、川村さんと、飲みに来たかったんです~」

「……私、と?なぜでしょう」

「あっ、ビール来ましたよ~乾杯しましょ」


なんてタイミングの悪い……
聞きそびれてしまったじゃないか。
それに頼むのが早すぎる。


「初めての飲み会に~、かんぱーいっ」

「か、乾杯……」

「んくんくんくっ、はぁぁぁぁっ、美味しい!」


久しぶりに飲むような気がするな。
……ええい、ままよ!


「んっんっんっ、ぷはぁぁぁ」

「おー、いい飲みっぷりですね~」


おかしい。
昔より美味しく感じてしまう。
これが仕事終わりに同僚と来るお酒の味なのか?
今まで歓送迎会でしか飲んだことがなかったような……
だめだ、思い出すと虚しくなる。


「料理も来ましたよ~食べましょ食べましょ。はい、お箸です」

「ありがとうございます」

「ん~美味しいっ」

「あ、美味い……」

「ここは当たりですね~連れてきてもらえて良かったです~」

「そう、ですね。こちらこそありがとうございます」

「私、同僚と仕事帰りに食事とか飲みに行くの、してみたかったんです。川村さんのおかげで夢が叶っちゃいました~」

「夢だなんて、大袈裟ですよ」

「そんなことないですよ~楽しくなってきちゃいますね~」


もう酔ってるのか?
そうか、うちの事務員で1番若い子が池谷さんだったな。
次に俺だったろうしな。
歳の近い子がいないとこういうこともないのか。

あっ、そういうことか。
歳が近いのは俺か。
だからこんなに絡んでくるのかもしれないな。
なんだか今まで邪険な態度をして悪かったかもしれない。

池谷さんと話すのは楽しいし、こうやって食事や飲みに行くのは今後もあっていいかもな。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

👨一人用声劇台本「寝落ち通話」

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。 続編「遊園地デート」もあり。 ジャンル:恋愛 所要時間:5分以内 男性一人用の声劇台本になります。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...