26 / 57
異変は急に
戦い終わって
しおりを挟む
「ジェラール殿、何という無茶を。」
内側から押される感覚が無くなった瞬間にフロストストームの術を解除したアルベールは、そのまま周囲の仲間達と共にジェラールに駆け寄っていった。
水浸しになり凍り付き、更に焼け付いたのだ。成程ヒートウェイブの熱を緩和するために凍り付いたのは分かる。しかしフロストストームもヒートウェイブも無傷で素通りできる訳では無いのだ。
「ヒーリング」
皆が一斉に回復の魔術をかけた。即死は流石に無かったろうが、もしヒートウェイブで肺を焼かれていてれば事だ。そこまでは考えつかなかったとしても、鉄の鎧であの熱量の中に飛び込めば如何に凍っていたとしても危ない。
ジェラールは悠々と立っていたが、それでも心配なのは当然だろう。
「すまない、無謀な策とも思ったのだがこれしか思いつかなかったのだ。」
そう言ってジェラールは頭を下げる。状況を思えば一気呵成に攻める必要はあった。リッチとアルベールの魔術による耐久戦。均衡が取れて千日手になってしまった以上、何らかの形で横やりを入れる必要はあった。
「ジェラールの策は一見危険で無謀ではありましたが、確かにあの手段しか無かったように思えます。」
マリオンが言う。じっくり考えれば何かしら他の手段も考えついたかもしれないが、状況が状況だったのは確かだ。そのままリッチを倒してしまうとは思わなかったが、そう思えば結果的には最善だったのかも知れない。
「しかし、膨大な熱と冷気が吹き荒ぶ魔術の中に突っ込んでいくとは、凄い勇気だ。」
アルベールは感嘆の声を漏らす。兜に隠れてジェラールの顔は見えないが、マリオンは誇らしげだ。
「何事にも負けない武勇こそが騎士の誉れなのですよ、アルベール殿。それにマリオンの見ている前で不甲斐ない自分を見せる訳には行きませんから。」
そう言ってジェラールは兜のヴァイザーを上げてにっこりと笑う。ジェラールの騎士としての誇りというものは相当なものであるのだなとアルベールは思った。
「ジェラールもどうやら大丈夫みたいだな。飛び込んでった時は肝が冷えたが、騎士ってのは凄いもんだ。とても俺には真似できねぇわ。ところでよ。」
ジョンもジェラールを褒め称える。そしてちらりと向こうを見やった。
「どうする、あの死体の山。行方不明の村人も混じってるだろうけど、首が・・・」
見やった先には先ほどまで動いていた死体の山があった。皆首を落とされて倒れこんでいる。殆どは野盗のものなのだが、中にはおそらく村人が混じっているだろう。仕方のない事であったのはここにいる全員が承知しているが、もし村人にこれを見せたら何と言うだろうか。
生憎死体が動くなどという怪異には皆これまで遭遇したことが無かった。肉体と魂の融合が生命を取り成しているのだから、そのどちらかがかけた状態で生きていられる訳は無いのだ。無論死体が勝手に動く訳も無かった。これまでの常識では。
アルベール達は知っている。動いているのを見たのだから。しかし村人は?動く死体など見たことも聞いた事も無いだろう。三十人からの死体が襲い掛かって来たので首を落としたんですと言って信じて貰える自信は無かった。
何より、その様な怪物が生まれた事を知って恐慌状態にでもなられたら・・・。
あの魔術師は魔物の類では無い。根元から断った以上、これ以上動く死体は生まれないはずだ。しかし噂が風となって駆け抜ける。いたずらに怯える人を増やすのも上策とは言えないだろう。
「仕方ない。死体は取り合えずここに穴を掘って入れて魔術で焼こう。可哀想だが運ぶ事も難しいし、ここに村人を連れて来てこの状態を見せるのもな・・・」
結局死体は見せず、狂乱した魔術師に殺されて酷い状態だったのでそのまま埋葬したという事にした。大筋では間違っていないし、それが落としどころとしては妥当かとも思われた。
魔術で穴を作り、フロストストームで再度凍らせて穴に運んでいく。そして火柱の魔術を使い一気に燃やしてしまう。その中にはリッチの骨も含まれた。
「見事に割れてしまっているが、この首飾りはエンゾに渡そう。何かしら分かる事も有るかも知れない。」
アルベールはリッチの首飾りを回収して言う。魔法の道具とはマリオンの言だが、それがどのように作用してどういった効果を発動するのかは分からない。なので分かりそうな者に調べて貰うのが一番だろうと思ったのだ。
「さて、後はあの魔術師のねぐらを押さえておこうか。」
アルベールがそう言うと、ミリアムが嫌な顔をする。
「えぇ、行くの?魔術師は倒したんだしもういいんじゃ・・・」
嫌な顔をするという事は、大体察しがついているという事でもある。魔術師のねぐらには当然研究中の魔術に関するものがあるはずだ。
「戦利品と言う訳にも行かないのが辛い所よね・・・」
セリエもがっくりとして言う。これが通常の魔術師との戦闘という事であったならば、それもまた無い話では無かったかもしれない。しかし今回戦った魔術師は死を弄ぶ異形の者だ。禁忌を犯した者のねぐらに立ち入りたいとは思わないし、そんな狂人の残した研究資料を欲しいとも思わない。ひょんな事から事情を知らない何者かに回収されて、ましてや使われたりしないようにしたいのだ。
「奴のねぐらはここを真っ直ぐ抜けた山の中腹あたりだ。すぐに行ってすぐに帰ろう。」
そう言ってアルベール達は歩き出した。そして魔術師のねぐらから諸々の研究資料と思しき物品を回収すると、そのままラハールの街を経由して王都へと戻った。
「こんなものが至高の魔術?はっ、笑わせる。」
研究資料を王都に持ち帰って数日。資料を読み解いたエンゾは憤慨していた。
「不老不死などというテーマも陳腐だが、それ以上に陳腐なのはその方法だな。第一質量を魔力に変換した時点でそれは既に別の力だ。生命力を生み出すには魔力を再変換するか第一質量そのものを変換するしかない。」
「だが魔力の再変換では結局回復や癒しの魔術と変わらない。傷ついた体を治すならいざ知らず、恒久的に体を保持し続けるなら体の構成そのものを不滅にしなければならない。しかしそれは不可能だ。何故なら私たちは生まれた時から人間なんだからな。」
研究資料には魔術の範囲で如何に人間の肉体を不滅に出来るか、その方法を探った様子が書かれていた。しかし先ほどエンゾが言った通り、魔力を使った魔術の行使では限界がある。不老不死は言わずもがな、若返りとてそれは難しい。
「不老不死になりたかったら妖精にでもなる研究をすればいいんだ。」
妖精種はその肉体が精神世界と繋がっている為、実質不老不死とも言えた。倒されたゴブリンは即座に第一質量に還元されるが、また再生するのだから。同一個体かどうかはさておき。
「こんな物を欲しがる愚かな魔術師なんていないだろうが、一応宝物庫に封印しておくか。問題はこの首飾りだな。魔法というのが良く分からんが、まぁ魔術の一形態だろう。ともかく、この首飾りを作ったのはおそらく件の魔術師では無いな。資料が無いし、何より研究内容から逸脱しすぎている。」
魔術ではなく、魔法。異界の技術なのだろうが、魔力の流れや彫り込まれている呪文から大体の予想はできた。
それは言うならば力の保管庫だ。骸骨の魔術師は自分の魂を閉じ込めて自らの骸を操る為に使ったそうだが、本質はそこでは無かった。
「本来ならばこの首飾りは魔力を封じ込めて使う物だろうな。魔力を発する媒体として魂の保存までもが可能だっただけで。」
この首飾りは本来ならば魔術などを封じ込めて使うものだとエンゾは結論づけた。この首飾りに例えば回復の魔術を、首飾りが保持し得る限界の魔力で封じ込める。そうすればこの首飾りを掛けた者は傷ついても自動的に回復の魔術がその身にかかり、傷をいやすことが出来るのだ。首飾りの中の魔術が尽きるまで。
それを最も邪悪な使い方をしたのが今回の魔術師だったのだ。しかし、当人が使ったのはともかく作ったかどうかについては疑問が残った。
「しかし、辺境に引きこもって研究している魔術師に一体誰が?」
そこまではエンゾには分からない。しかし他にこの首飾りを作った者がいたのは事実で、更に言えば魔術師に渡した人物がそれと同じかという問題もあった。
「問題なのはこれを渡したと思しき人物だな。積極的に使い方を間違えているとしか思えん。」
この道具は本来ならば益のある道具のはずだ。死を冒涜する為にある筈は無いだろう。ならば魂を閉じ込めて骸の体を動かすために使わせた者は邪悪の権化だとエンゾは思った。そして、この様な魔法の道具がまた現れるのかも知れないとも。
何れにしてもこれ以上は何も分からなかった。しかし暗躍する者の影をエンゾは垣間見た気がした。明らかにこの世界に敵意を振りまく、或いは混乱や恐怖を蔓延させようとする者の影を。
それはフィリップから聞いた黒い男なのかも知れない、確証は無いがエンゾにはどうもそんな気がしてならないのだ。だとすれば、これからこういった事件が増えるのかも知れない。今回アルベールは危機を脱したが、他の者であればどうであったか。あの時点で止める事が叶わなかったらいずれこの国が大混乱に陥っていたかもしれないのだ。
「先ずはフィリップに報告だな、それとアルベールにも教えてやらなければ。」
エンゾは部屋をでる。明らかな脅威を感じて。背中に感じる混沌の影、それはニヤニヤと薄ら笑いを浮かべている様でもあった。
内側から押される感覚が無くなった瞬間にフロストストームの術を解除したアルベールは、そのまま周囲の仲間達と共にジェラールに駆け寄っていった。
水浸しになり凍り付き、更に焼け付いたのだ。成程ヒートウェイブの熱を緩和するために凍り付いたのは分かる。しかしフロストストームもヒートウェイブも無傷で素通りできる訳では無いのだ。
「ヒーリング」
皆が一斉に回復の魔術をかけた。即死は流石に無かったろうが、もしヒートウェイブで肺を焼かれていてれば事だ。そこまでは考えつかなかったとしても、鉄の鎧であの熱量の中に飛び込めば如何に凍っていたとしても危ない。
ジェラールは悠々と立っていたが、それでも心配なのは当然だろう。
「すまない、無謀な策とも思ったのだがこれしか思いつかなかったのだ。」
そう言ってジェラールは頭を下げる。状況を思えば一気呵成に攻める必要はあった。リッチとアルベールの魔術による耐久戦。均衡が取れて千日手になってしまった以上、何らかの形で横やりを入れる必要はあった。
「ジェラールの策は一見危険で無謀ではありましたが、確かにあの手段しか無かったように思えます。」
マリオンが言う。じっくり考えれば何かしら他の手段も考えついたかもしれないが、状況が状況だったのは確かだ。そのままリッチを倒してしまうとは思わなかったが、そう思えば結果的には最善だったのかも知れない。
「しかし、膨大な熱と冷気が吹き荒ぶ魔術の中に突っ込んでいくとは、凄い勇気だ。」
アルベールは感嘆の声を漏らす。兜に隠れてジェラールの顔は見えないが、マリオンは誇らしげだ。
「何事にも負けない武勇こそが騎士の誉れなのですよ、アルベール殿。それにマリオンの見ている前で不甲斐ない自分を見せる訳には行きませんから。」
そう言ってジェラールは兜のヴァイザーを上げてにっこりと笑う。ジェラールの騎士としての誇りというものは相当なものであるのだなとアルベールは思った。
「ジェラールもどうやら大丈夫みたいだな。飛び込んでった時は肝が冷えたが、騎士ってのは凄いもんだ。とても俺には真似できねぇわ。ところでよ。」
ジョンもジェラールを褒め称える。そしてちらりと向こうを見やった。
「どうする、あの死体の山。行方不明の村人も混じってるだろうけど、首が・・・」
見やった先には先ほどまで動いていた死体の山があった。皆首を落とされて倒れこんでいる。殆どは野盗のものなのだが、中にはおそらく村人が混じっているだろう。仕方のない事であったのはここにいる全員が承知しているが、もし村人にこれを見せたら何と言うだろうか。
生憎死体が動くなどという怪異には皆これまで遭遇したことが無かった。肉体と魂の融合が生命を取り成しているのだから、そのどちらかがかけた状態で生きていられる訳は無いのだ。無論死体が勝手に動く訳も無かった。これまでの常識では。
アルベール達は知っている。動いているのを見たのだから。しかし村人は?動く死体など見たことも聞いた事も無いだろう。三十人からの死体が襲い掛かって来たので首を落としたんですと言って信じて貰える自信は無かった。
何より、その様な怪物が生まれた事を知って恐慌状態にでもなられたら・・・。
あの魔術師は魔物の類では無い。根元から断った以上、これ以上動く死体は生まれないはずだ。しかし噂が風となって駆け抜ける。いたずらに怯える人を増やすのも上策とは言えないだろう。
「仕方ない。死体は取り合えずここに穴を掘って入れて魔術で焼こう。可哀想だが運ぶ事も難しいし、ここに村人を連れて来てこの状態を見せるのもな・・・」
結局死体は見せず、狂乱した魔術師に殺されて酷い状態だったのでそのまま埋葬したという事にした。大筋では間違っていないし、それが落としどころとしては妥当かとも思われた。
魔術で穴を作り、フロストストームで再度凍らせて穴に運んでいく。そして火柱の魔術を使い一気に燃やしてしまう。その中にはリッチの骨も含まれた。
「見事に割れてしまっているが、この首飾りはエンゾに渡そう。何かしら分かる事も有るかも知れない。」
アルベールはリッチの首飾りを回収して言う。魔法の道具とはマリオンの言だが、それがどのように作用してどういった効果を発動するのかは分からない。なので分かりそうな者に調べて貰うのが一番だろうと思ったのだ。
「さて、後はあの魔術師のねぐらを押さえておこうか。」
アルベールがそう言うと、ミリアムが嫌な顔をする。
「えぇ、行くの?魔術師は倒したんだしもういいんじゃ・・・」
嫌な顔をするという事は、大体察しがついているという事でもある。魔術師のねぐらには当然研究中の魔術に関するものがあるはずだ。
「戦利品と言う訳にも行かないのが辛い所よね・・・」
セリエもがっくりとして言う。これが通常の魔術師との戦闘という事であったならば、それもまた無い話では無かったかもしれない。しかし今回戦った魔術師は死を弄ぶ異形の者だ。禁忌を犯した者のねぐらに立ち入りたいとは思わないし、そんな狂人の残した研究資料を欲しいとも思わない。ひょんな事から事情を知らない何者かに回収されて、ましてや使われたりしないようにしたいのだ。
「奴のねぐらはここを真っ直ぐ抜けた山の中腹あたりだ。すぐに行ってすぐに帰ろう。」
そう言ってアルベール達は歩き出した。そして魔術師のねぐらから諸々の研究資料と思しき物品を回収すると、そのままラハールの街を経由して王都へと戻った。
「こんなものが至高の魔術?はっ、笑わせる。」
研究資料を王都に持ち帰って数日。資料を読み解いたエンゾは憤慨していた。
「不老不死などというテーマも陳腐だが、それ以上に陳腐なのはその方法だな。第一質量を魔力に変換した時点でそれは既に別の力だ。生命力を生み出すには魔力を再変換するか第一質量そのものを変換するしかない。」
「だが魔力の再変換では結局回復や癒しの魔術と変わらない。傷ついた体を治すならいざ知らず、恒久的に体を保持し続けるなら体の構成そのものを不滅にしなければならない。しかしそれは不可能だ。何故なら私たちは生まれた時から人間なんだからな。」
研究資料には魔術の範囲で如何に人間の肉体を不滅に出来るか、その方法を探った様子が書かれていた。しかし先ほどエンゾが言った通り、魔力を使った魔術の行使では限界がある。不老不死は言わずもがな、若返りとてそれは難しい。
「不老不死になりたかったら妖精にでもなる研究をすればいいんだ。」
妖精種はその肉体が精神世界と繋がっている為、実質不老不死とも言えた。倒されたゴブリンは即座に第一質量に還元されるが、また再生するのだから。同一個体かどうかはさておき。
「こんな物を欲しがる愚かな魔術師なんていないだろうが、一応宝物庫に封印しておくか。問題はこの首飾りだな。魔法というのが良く分からんが、まぁ魔術の一形態だろう。ともかく、この首飾りを作ったのはおそらく件の魔術師では無いな。資料が無いし、何より研究内容から逸脱しすぎている。」
魔術ではなく、魔法。異界の技術なのだろうが、魔力の流れや彫り込まれている呪文から大体の予想はできた。
それは言うならば力の保管庫だ。骸骨の魔術師は自分の魂を閉じ込めて自らの骸を操る為に使ったそうだが、本質はそこでは無かった。
「本来ならばこの首飾りは魔力を封じ込めて使う物だろうな。魔力を発する媒体として魂の保存までもが可能だっただけで。」
この首飾りは本来ならば魔術などを封じ込めて使うものだとエンゾは結論づけた。この首飾りに例えば回復の魔術を、首飾りが保持し得る限界の魔力で封じ込める。そうすればこの首飾りを掛けた者は傷ついても自動的に回復の魔術がその身にかかり、傷をいやすことが出来るのだ。首飾りの中の魔術が尽きるまで。
それを最も邪悪な使い方をしたのが今回の魔術師だったのだ。しかし、当人が使ったのはともかく作ったかどうかについては疑問が残った。
「しかし、辺境に引きこもって研究している魔術師に一体誰が?」
そこまではエンゾには分からない。しかし他にこの首飾りを作った者がいたのは事実で、更に言えば魔術師に渡した人物がそれと同じかという問題もあった。
「問題なのはこれを渡したと思しき人物だな。積極的に使い方を間違えているとしか思えん。」
この道具は本来ならば益のある道具のはずだ。死を冒涜する為にある筈は無いだろう。ならば魂を閉じ込めて骸の体を動かすために使わせた者は邪悪の権化だとエンゾは思った。そして、この様な魔法の道具がまた現れるのかも知れないとも。
何れにしてもこれ以上は何も分からなかった。しかし暗躍する者の影をエンゾは垣間見た気がした。明らかにこの世界に敵意を振りまく、或いは混乱や恐怖を蔓延させようとする者の影を。
それはフィリップから聞いた黒い男なのかも知れない、確証は無いがエンゾにはどうもそんな気がしてならないのだ。だとすれば、これからこういった事件が増えるのかも知れない。今回アルベールは危機を脱したが、他の者であればどうであったか。あの時点で止める事が叶わなかったらいずれこの国が大混乱に陥っていたかもしれないのだ。
「先ずはフィリップに報告だな、それとアルベールにも教えてやらなければ。」
エンゾは部屋をでる。明らかな脅威を感じて。背中に感じる混沌の影、それはニヤニヤと薄ら笑いを浮かべている様でもあった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる