38 / 57
それは夜を統べるもの
それは夢の世界
しおりを挟む
「プロヴィデンスの男の魔術は彼の世界全てを巻き込んで発動したが、唯一その力が及ばなかった場所があった。」
フルカスはゆっくりと言う。
「それはドリームランド。夢の世界にまで魔術を影響させると、それを見ている人間にも何らかの影響が出るかも知れないからのう。生身のまま夢の世界に行くには特殊な条件が必要じゃし、アスワド等は夢の世界から出てくることも無い。現実世界は守られたわけじゃ。」
「そりゃぁ、向こうの世界はそれで平和かも知れねぇけど・・・」
神妙な顔でジョンが言う。そのプロヴィデンスの男の魔術で確かに向こうの世界は守られたのかも知れない。しかし、こちらの世界はいい迷惑だ。
「夢の世界では通常の力を持つアスワド等は、向こうの夢の世界の門をこの世界の夢の世界に繋げたと言う訳じゃな。何せ必死だったじゃろうからな、現実世界では既に存在が改変されておった。物語として他の性質を持たない彼らはそれはもう良い様に遊ばれておったからな。」
フルカスは少し悔しそうな、しかし面白そうな顔をしている。
「物語の中に閉じ込められちゃったけど、夢の世界って所ではまだ大丈夫だったんだ。でもざまぁみろだよね、あいつら平気で人に何かするのに人にやられたら本気で切れそうだもんね。」
ミリアムが笑顔で言う。基本的に自分達が絶対的に人間の上位者だとアスワド達は思っているだろう。お道化て物を言うのも人間相手にふざけていると言った所か。
「夢の世界を繋いでこちらの世界に来ると言うだけならいいが、目的が悪すぎる。どうやってやるのかは知らないがあいつらの目的はこの世界の恐慌なのだろう?」
アルベールは憤慨している。事はこの国の事だけに収まらない。世界がどれだけ広いか分からないが、世界規模だ。
「正確にはこの世界を恐慌に陥れてあ奴等の王を顕現させる事じゃな。」
王と言うからには、アスワド達はその王に仕えているのだろうか?しかし、顕現と言うと神や悪魔に使う言葉だ。
「顕現と言うと、その王とやらは夢の世界にはいないのか?もしいるのなら一緒に来ただろうし。」
アルベールの問いかけにフルカスは答える。
「儂も名前は知らんが、混沌の王と言っておったよ。どうやって呼び出す気かは知らんが、まぁそれがあ奴等の目的と言う訳じゃな。そいで、儂等悪魔や化け物も夢の世界からこちらに送り込んできたと言う訳よ。その混沌を振りまくためにな。」
「大方儂を置いて行ったのもその辺りを説明させる為じゃろ。何せ向こうじゃ最早幻想じゃ、こちらで現実の存在と認識されねば怖いのじゃろうな。」
アスワド達の目的は分かった。やはり考えている事は碌でも無かった。超常の存在を封じ込めるプロヴィデンスの男の魔術は凄まじいが、彼らはそれをすり抜けて新天地を目指してきたのだろう。
自分たちの目論見を止める事が出来ない、プロヴィデンスの男がいないこの世界へと。
マルティコラスとは偶発的に出会ったのだろうが、リッチに関してはあそこで会わずともいずれどこかで戦っていただろう。そしてあんな様な事を、アスワド達は各地で行うに違いない。
ともすれば、それ以上の何かを。
それは止めなければならなかった。この国に、いやこの世界に住む者として彼らに対抗しなくてはならない。アルベールは拳を強く握るが、しかし有効な対抗手段は何も思いつかない。
「フルカス殿、貴方はこれからどうするつもりだ?悪魔は人間を堕落させるという話だが、それは向こうの世界での話だろう?こちらの世界の人間に何か悪さをする訳では無いと言うのなら。」
仲間にならないか。と、アルベールはフルカスを誘った。フルカスはおそらく連れて来てもらった手前借りを返す形で最低限アスワド達に従っていたのだろう。フルカスの言葉尻にはアスワド達に対する嫌悪感がありありと見て取れた。
そしてそれも当然だろう。確かに幻想のまま消えゆくのを助けてもらった形にはなるのだろうが、その原因を作ったのは彼等だ。
「まぁ、この世界で神だの悪魔だの言っておっても仕方ないしのう。それにあ奴等の目指す世界は儂にとっては都合が悪いのも事実じゃ。あ奴等は人間を虫の様に見ておるが、悪魔にとってはある意味で商売相手じゃからな。こっちでは魂はお代に出来んがね。」
フルカスはカップのお茶をすすると一息ついてから言った。
「よかろう、悪魔の英知を貴様らに授けてやろうぞ。魂は貰えんみたいじゃから、取り合えず住む場所とか金とかがお代でいいかの。ともすれば悪魔だなどと呼ばれぬようになるやもしれんし。」
悪魔と言う呼び方は向こうの世界での事で、それは言うなれば悪徳の象徴としての呼び名だった。しかしこちらの世界では違う。こちらの世界で人間に与し名を上げれば、ともすればその存在が悪魔では無い何かに変わる可能性だってある。
ジルベルタが人間からライカンスロープへとなったように。
悪魔である彼が目指すのは、天使としての自分だった。
悪魔である者の中には、大昔天使だった者もいる。その最たる者が堕天使ルシファーであるが、彼らが堕天した理由はその多くが人間に惚れたり彼らに寄り添って生きたりしたからだ。
天使は強大な力を持つ、故に人間と交わればそれは人間にとって堕落となってしまう。神はその禁を破った天使たちを追放した。
悪魔の皆が皆元天使では無い。生まれながらの悪魔だって勿論いる。しかし悪魔だからと蔑まされるのは我慢ならなかった。悪魔は素晴らしい知識や魔術を授ける、そのものの魂と引き換えに。だがそれがどうした?悪魔は前もって魂を要求する。それも後払いだ。下らない詐欺師とは違うし、引き換えに得る知識はその対価に見合うだけの物だ。
もっとも、そう言ったある種真面目な悪魔を呼び出すには相応に魔術の知識が無くてはならず、それなしに悪魔を呼び出そうものならどんな酷い目に遭っても文句は言えない。悪魔はそういう所には厳しい。
しかしここには天使も神も無い。敬虔な神の信徒であったなら絶望に身をよじっているのだろうがフルカスは悪魔だ。しかもそれなりに力のある。ここで人間に力や叡智を見せ、悪魔と言うものが素晴らしい存在であると知らしめることが出来たなら?
悪魔と言うフルカスを覆う概念そのものが覆る事にならないだろうか。
こちらの世界では人間に尊敬される深い叡智と強大な力を持った存在になれる。かも知れないとフルカスは思った。そして、そうなればどんなにいいかと。
だからこそ、アルベールの誘いに乗らないと言う選択肢はなかった。アスワド達の事も嫌いだった。
「しかしなんじゃな、せっかく仲間になったのがじじいじゃ不安感も拭えんじゃろう。ここは一先ず。」
フルカスが一瞬俯いてまた顔を上げると、そこには大層な美丈夫がいた。体つきもしっかりしている。
一同目を向いて驚いている。それはそうだ、一瞬にして姿かたちが変わったのだ。若返るという形で。
「若返る事が出来るの?でも、ならなぜいつもはおじいさんなのかしら?」
セリエが驚きながらも質問する。
「あぁいや、若返るとかじゃなくてな。悪魔には外見なぞ殆ど関係ないんじゃ。ただ人間の間に伝わっとる姿があるもんでな。儂の場合はそれがあのじいさんの姿と言うだけの話じゃよ。その気になれば何にでもその姿を変えられるぞい。」
そう言って今度は美女の姿に姿を変える。成程悪徳の象徴と言うだけあって妖艶な姿だ。
「美人だけどさぁ、俺ちゃんさっきのじいさん見ちゃってるしなぁ・・・」
ジョンが複雑な顔で言う。目の前にいるのは妖艶な美女だが、それはさっきのフルカスが変化した姿。フルカスにはどれが本当の姿と言う訳でも無いのだろうが、ジョン達にしてみれば先ほどの翁の姿が頭に残っている。
「別にあの姿が元の姿と言う訳でも無いんじゃからいいじゃろうに。よぼよぼの爺さんよりは受けると思ったのに。」
フルカスは少し心外と言った所だ。
「そんな、声まで変わって・・・」
ミリアムが少しよろけながら言う。とは言え、フルカスがライバル足り得る事は無いだろう。先ほどのジョンと同じくアルベールもフルカスの姿は見ているのだから。
「まぁともかく、これから宜しくな。悪魔だったら見れば分かるから、他の悪魔に出会ったら儂が勧誘しようじゃないか。悪魔は誑かすのが得意じゃしな。」
「あ、あぁ。宜しく頼むよフルカス殿うわぁっ!」
握手ついでにフルカスはアルベールに抱き着いた。中身はどうだか分からないが今の外見は妖艶な美女。否定の言葉を口にされて少しフルカスもムっと来たのだろう。ささいなイタズラ、ちょっとした意趣返しだった。
アルベールもフルカスの先ほどの姿は見てはいるものの、今の外見そして確かな感触には抗えなかったのか顔が赤くなっている。それを見てフルカスは漸く溜飲を下げた。
と、そこへ
「いたぁっ!」
下段に鋭いローキックを貰い、フルカスは振り向いた。視線の先にはミリアム。確かな殺気が迸っていた。フルカスは察する。
「あ、あぁ。そういう事か。それはすまんかった、もうせぬよ。」
この後アルベール等は王宮へと赴きフィリップに事と次第を伝える。そしてフルカスは王宮預かりとなった。悪魔であるフルカスの知識と知恵は、為政者の近くにあるのが良いとほかならぬフルカス自身が提案したためだ。
ミリアムは内心ホッと胸を撫でおろした。
フルカスはゆっくりと言う。
「それはドリームランド。夢の世界にまで魔術を影響させると、それを見ている人間にも何らかの影響が出るかも知れないからのう。生身のまま夢の世界に行くには特殊な条件が必要じゃし、アスワド等は夢の世界から出てくることも無い。現実世界は守られたわけじゃ。」
「そりゃぁ、向こうの世界はそれで平和かも知れねぇけど・・・」
神妙な顔でジョンが言う。そのプロヴィデンスの男の魔術で確かに向こうの世界は守られたのかも知れない。しかし、こちらの世界はいい迷惑だ。
「夢の世界では通常の力を持つアスワド等は、向こうの夢の世界の門をこの世界の夢の世界に繋げたと言う訳じゃな。何せ必死だったじゃろうからな、現実世界では既に存在が改変されておった。物語として他の性質を持たない彼らはそれはもう良い様に遊ばれておったからな。」
フルカスは少し悔しそうな、しかし面白そうな顔をしている。
「物語の中に閉じ込められちゃったけど、夢の世界って所ではまだ大丈夫だったんだ。でもざまぁみろだよね、あいつら平気で人に何かするのに人にやられたら本気で切れそうだもんね。」
ミリアムが笑顔で言う。基本的に自分達が絶対的に人間の上位者だとアスワド達は思っているだろう。お道化て物を言うのも人間相手にふざけていると言った所か。
「夢の世界を繋いでこちらの世界に来ると言うだけならいいが、目的が悪すぎる。どうやってやるのかは知らないがあいつらの目的はこの世界の恐慌なのだろう?」
アルベールは憤慨している。事はこの国の事だけに収まらない。世界がどれだけ広いか分からないが、世界規模だ。
「正確にはこの世界を恐慌に陥れてあ奴等の王を顕現させる事じゃな。」
王と言うからには、アスワド達はその王に仕えているのだろうか?しかし、顕現と言うと神や悪魔に使う言葉だ。
「顕現と言うと、その王とやらは夢の世界にはいないのか?もしいるのなら一緒に来ただろうし。」
アルベールの問いかけにフルカスは答える。
「儂も名前は知らんが、混沌の王と言っておったよ。どうやって呼び出す気かは知らんが、まぁそれがあ奴等の目的と言う訳じゃな。そいで、儂等悪魔や化け物も夢の世界からこちらに送り込んできたと言う訳よ。その混沌を振りまくためにな。」
「大方儂を置いて行ったのもその辺りを説明させる為じゃろ。何せ向こうじゃ最早幻想じゃ、こちらで現実の存在と認識されねば怖いのじゃろうな。」
アスワド達の目的は分かった。やはり考えている事は碌でも無かった。超常の存在を封じ込めるプロヴィデンスの男の魔術は凄まじいが、彼らはそれをすり抜けて新天地を目指してきたのだろう。
自分たちの目論見を止める事が出来ない、プロヴィデンスの男がいないこの世界へと。
マルティコラスとは偶発的に出会ったのだろうが、リッチに関してはあそこで会わずともいずれどこかで戦っていただろう。そしてあんな様な事を、アスワド達は各地で行うに違いない。
ともすれば、それ以上の何かを。
それは止めなければならなかった。この国に、いやこの世界に住む者として彼らに対抗しなくてはならない。アルベールは拳を強く握るが、しかし有効な対抗手段は何も思いつかない。
「フルカス殿、貴方はこれからどうするつもりだ?悪魔は人間を堕落させるという話だが、それは向こうの世界での話だろう?こちらの世界の人間に何か悪さをする訳では無いと言うのなら。」
仲間にならないか。と、アルベールはフルカスを誘った。フルカスはおそらく連れて来てもらった手前借りを返す形で最低限アスワド達に従っていたのだろう。フルカスの言葉尻にはアスワド達に対する嫌悪感がありありと見て取れた。
そしてそれも当然だろう。確かに幻想のまま消えゆくのを助けてもらった形にはなるのだろうが、その原因を作ったのは彼等だ。
「まぁ、この世界で神だの悪魔だの言っておっても仕方ないしのう。それにあ奴等の目指す世界は儂にとっては都合が悪いのも事実じゃ。あ奴等は人間を虫の様に見ておるが、悪魔にとってはある意味で商売相手じゃからな。こっちでは魂はお代に出来んがね。」
フルカスはカップのお茶をすすると一息ついてから言った。
「よかろう、悪魔の英知を貴様らに授けてやろうぞ。魂は貰えんみたいじゃから、取り合えず住む場所とか金とかがお代でいいかの。ともすれば悪魔だなどと呼ばれぬようになるやもしれんし。」
悪魔と言う呼び方は向こうの世界での事で、それは言うなれば悪徳の象徴としての呼び名だった。しかしこちらの世界では違う。こちらの世界で人間に与し名を上げれば、ともすればその存在が悪魔では無い何かに変わる可能性だってある。
ジルベルタが人間からライカンスロープへとなったように。
悪魔である彼が目指すのは、天使としての自分だった。
悪魔である者の中には、大昔天使だった者もいる。その最たる者が堕天使ルシファーであるが、彼らが堕天した理由はその多くが人間に惚れたり彼らに寄り添って生きたりしたからだ。
天使は強大な力を持つ、故に人間と交わればそれは人間にとって堕落となってしまう。神はその禁を破った天使たちを追放した。
悪魔の皆が皆元天使では無い。生まれながらの悪魔だって勿論いる。しかし悪魔だからと蔑まされるのは我慢ならなかった。悪魔は素晴らしい知識や魔術を授ける、そのものの魂と引き換えに。だがそれがどうした?悪魔は前もって魂を要求する。それも後払いだ。下らない詐欺師とは違うし、引き換えに得る知識はその対価に見合うだけの物だ。
もっとも、そう言ったある種真面目な悪魔を呼び出すには相応に魔術の知識が無くてはならず、それなしに悪魔を呼び出そうものならどんな酷い目に遭っても文句は言えない。悪魔はそういう所には厳しい。
しかしここには天使も神も無い。敬虔な神の信徒であったなら絶望に身をよじっているのだろうがフルカスは悪魔だ。しかもそれなりに力のある。ここで人間に力や叡智を見せ、悪魔と言うものが素晴らしい存在であると知らしめることが出来たなら?
悪魔と言うフルカスを覆う概念そのものが覆る事にならないだろうか。
こちらの世界では人間に尊敬される深い叡智と強大な力を持った存在になれる。かも知れないとフルカスは思った。そして、そうなればどんなにいいかと。
だからこそ、アルベールの誘いに乗らないと言う選択肢はなかった。アスワド達の事も嫌いだった。
「しかしなんじゃな、せっかく仲間になったのがじじいじゃ不安感も拭えんじゃろう。ここは一先ず。」
フルカスが一瞬俯いてまた顔を上げると、そこには大層な美丈夫がいた。体つきもしっかりしている。
一同目を向いて驚いている。それはそうだ、一瞬にして姿かたちが変わったのだ。若返るという形で。
「若返る事が出来るの?でも、ならなぜいつもはおじいさんなのかしら?」
セリエが驚きながらも質問する。
「あぁいや、若返るとかじゃなくてな。悪魔には外見なぞ殆ど関係ないんじゃ。ただ人間の間に伝わっとる姿があるもんでな。儂の場合はそれがあのじいさんの姿と言うだけの話じゃよ。その気になれば何にでもその姿を変えられるぞい。」
そう言って今度は美女の姿に姿を変える。成程悪徳の象徴と言うだけあって妖艶な姿だ。
「美人だけどさぁ、俺ちゃんさっきのじいさん見ちゃってるしなぁ・・・」
ジョンが複雑な顔で言う。目の前にいるのは妖艶な美女だが、それはさっきのフルカスが変化した姿。フルカスにはどれが本当の姿と言う訳でも無いのだろうが、ジョン達にしてみれば先ほどの翁の姿が頭に残っている。
「別にあの姿が元の姿と言う訳でも無いんじゃからいいじゃろうに。よぼよぼの爺さんよりは受けると思ったのに。」
フルカスは少し心外と言った所だ。
「そんな、声まで変わって・・・」
ミリアムが少しよろけながら言う。とは言え、フルカスがライバル足り得る事は無いだろう。先ほどのジョンと同じくアルベールもフルカスの姿は見ているのだから。
「まぁともかく、これから宜しくな。悪魔だったら見れば分かるから、他の悪魔に出会ったら儂が勧誘しようじゃないか。悪魔は誑かすのが得意じゃしな。」
「あ、あぁ。宜しく頼むよフルカス殿うわぁっ!」
握手ついでにフルカスはアルベールに抱き着いた。中身はどうだか分からないが今の外見は妖艶な美女。否定の言葉を口にされて少しフルカスもムっと来たのだろう。ささいなイタズラ、ちょっとした意趣返しだった。
アルベールもフルカスの先ほどの姿は見てはいるものの、今の外見そして確かな感触には抗えなかったのか顔が赤くなっている。それを見てフルカスは漸く溜飲を下げた。
と、そこへ
「いたぁっ!」
下段に鋭いローキックを貰い、フルカスは振り向いた。視線の先にはミリアム。確かな殺気が迸っていた。フルカスは察する。
「あ、あぁ。そういう事か。それはすまんかった、もうせぬよ。」
この後アルベール等は王宮へと赴きフィリップに事と次第を伝える。そしてフルカスは王宮預かりとなった。悪魔であるフルカスの知識と知恵は、為政者の近くにあるのが良いとほかならぬフルカス自身が提案したためだ。
ミリアムは内心ホッと胸を撫でおろした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる