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聖女候補の育成編
01.リョウと女神様
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光の部屋の中に俺はいた。
どのくらい寝ていたのだろうか、少し意識がはっきりしない。
「ワン」
何故か、懐かしい声に起こされた気がした。
その声の方を見ると、一匹の犬がこちらを見つめている。
俺は、その犬に見覚えがあった。忘れもしない、20年前に他界してしまった愛犬のリョウだった。
ああそうか、俺も死んでしまったのか、それでお前がお迎えに来てくれたんだなと思った瞬間。
もう一度横を向いてリョウが吠えた。
「ワン」
その時突然リョウの横に、一人の女性が現れ、俺に話しかけてきた。
「初めまして私は、死後の世界をつかさどる女神アルナ」
「このリョウに色々仕事を手伝わせていたのですが、貴方が亡くなったのを知ってどうしても会いたいと。申しますので呼び寄せた次第です。」
俺はこの女神と名乗る女性の美しさに見入られて、動きがとれないでいた。
それは人ではたどり着けない域にあるのだろうし、何故か威厳にも満ち溢れているようであった。
「リョウが、もう一度貴方と暮らしたいというのですがどうでしょうか」
「もちろん一度死んだ世界には戻れませんが、私の管理するもう一つの世界で別に用意した若返った体で、記憶はそのままで過ごしていただければと思います」
もう一つの世界でリョウと一緒に暮らすか、とても魅力的な提案であるが別世界というのも不安がないわけではない。
「女神様、その別世界というのはどういうところなのでしょうか」
彼女は、にこやかに微笑み、こう答えた。
「剣と魔法の世界で、ちょっと魔物がいてちょっと世界の危機があるぐらいです」
なんじゃそりゃ、とてつもなく行く気が失せるのだが、俺じゃまた直ぐに死ぬに決まっているだろう。
それに世界の危機って、にこやかに言われても困るんですが。
そんな俺の気持ちを察してか、彼女はこうも続けた。
「不安そうにしているようですが大丈夫ですよ、リョウが付いてますし私も最初の弱いうちは加護やサポートしますし特典も付けます」
「いきなり、強い力を与えた貴方が出現すると敵対者に直ぐに察知されて。消される心配があるので弱いところから悟られずに、徐々に強くなるのが必要なのです」
また不穏なこと言ったね、敵対者ってなに消されるってなに、なんか涙出そうなんだけど。
「ワン」
(大丈夫だよ僕も一緒に行って守るから)
突然頭の中に話しかけられて、思わずリョウを凝視してしまった。
「リョウ、お前喋れるのか。」
(天界で20年も働けばしゃべれるようになるさ、ご主人様にだけ聞こえる念話だけだけど)
うーん、こいつも頑張ってたんだな、飼ってた頃はあんなにやんちゃ坊主だったのにな。
女神様が、一人と一匹を見てこう言った。
「ふたりの話は、これからもゆっくりできるだろうし取りあえず、貴方の名前を決めなければいけません」
「死んだ世界の名前は使えませんのでお察しください、それとこれから行く世界の文明はヨーロッパ中世時代に。似通ってますのでそういった方向の名前で考えてください」
剣と魔法の世界で、中世時代ってなんか前にやっていたゲームみたいだな、そのころのハンドルネームでいいか。
「アームでどうですか」
「ちょっと安直ですが、目立たずいい名前だと思いますよ。家名も無いので貴族に間違われず覚えやすい」
「大事な仕事も手伝ってね、リョウと貴方である少女を聖女に育て上げて。使命を果たす手助けをしなさい」
「使命は少女が、聖女となったときに又お伝えします」
彼女は、いきなり両手を天に掲げた。
「では、アームよ新しき人生を楽しみなさい。いってらっしゃい!」
「あっごめ...」
ちょっと、ごめってなに!
瞬き光の中俺は気を失った。
どのくらい寝ていたのだろうか、少し意識がはっきりしない。
「ワン」
何故か、懐かしい声に起こされた気がした。
その声の方を見ると、一匹の犬がこちらを見つめている。
俺は、その犬に見覚えがあった。忘れもしない、20年前に他界してしまった愛犬のリョウだった。
ああそうか、俺も死んでしまったのか、それでお前がお迎えに来てくれたんだなと思った瞬間。
もう一度横を向いてリョウが吠えた。
「ワン」
その時突然リョウの横に、一人の女性が現れ、俺に話しかけてきた。
「初めまして私は、死後の世界をつかさどる女神アルナ」
「このリョウに色々仕事を手伝わせていたのですが、貴方が亡くなったのを知ってどうしても会いたいと。申しますので呼び寄せた次第です。」
俺はこの女神と名乗る女性の美しさに見入られて、動きがとれないでいた。
それは人ではたどり着けない域にあるのだろうし、何故か威厳にも満ち溢れているようであった。
「リョウが、もう一度貴方と暮らしたいというのですがどうでしょうか」
「もちろん一度死んだ世界には戻れませんが、私の管理するもう一つの世界で別に用意した若返った体で、記憶はそのままで過ごしていただければと思います」
もう一つの世界でリョウと一緒に暮らすか、とても魅力的な提案であるが別世界というのも不安がないわけではない。
「女神様、その別世界というのはどういうところなのでしょうか」
彼女は、にこやかに微笑み、こう答えた。
「剣と魔法の世界で、ちょっと魔物がいてちょっと世界の危機があるぐらいです」
なんじゃそりゃ、とてつもなく行く気が失せるのだが、俺じゃまた直ぐに死ぬに決まっているだろう。
それに世界の危機って、にこやかに言われても困るんですが。
そんな俺の気持ちを察してか、彼女はこうも続けた。
「不安そうにしているようですが大丈夫ですよ、リョウが付いてますし私も最初の弱いうちは加護やサポートしますし特典も付けます」
「いきなり、強い力を与えた貴方が出現すると敵対者に直ぐに察知されて。消される心配があるので弱いところから悟られずに、徐々に強くなるのが必要なのです」
また不穏なこと言ったね、敵対者ってなに消されるってなに、なんか涙出そうなんだけど。
「ワン」
(大丈夫だよ僕も一緒に行って守るから)
突然頭の中に話しかけられて、思わずリョウを凝視してしまった。
「リョウ、お前喋れるのか。」
(天界で20年も働けばしゃべれるようになるさ、ご主人様にだけ聞こえる念話だけだけど)
うーん、こいつも頑張ってたんだな、飼ってた頃はあんなにやんちゃ坊主だったのにな。
女神様が、一人と一匹を見てこう言った。
「ふたりの話は、これからもゆっくりできるだろうし取りあえず、貴方の名前を決めなければいけません」
「死んだ世界の名前は使えませんのでお察しください、それとこれから行く世界の文明はヨーロッパ中世時代に。似通ってますのでそういった方向の名前で考えてください」
剣と魔法の世界で、中世時代ってなんか前にやっていたゲームみたいだな、そのころのハンドルネームでいいか。
「アームでどうですか」
「ちょっと安直ですが、目立たずいい名前だと思いますよ。家名も無いので貴族に間違われず覚えやすい」
「大事な仕事も手伝ってね、リョウと貴方である少女を聖女に育て上げて。使命を果たす手助けをしなさい」
「使命は少女が、聖女となったときに又お伝えします」
彼女は、いきなり両手を天に掲げた。
「では、アームよ新しき人生を楽しみなさい。いってらっしゃい!」
「あっごめ...」
ちょっと、ごめってなに!
瞬き光の中俺は気を失った。
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