愛犬とスローライフを楽しもうとしたら女神様に聖女を育てる様に言われました。

竹本りょう

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聖女候補の育成編

11.ガルムさんの訓練と風呂

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 朝から、素振りをしたいと言うと、朝飯を食ってからにしろと、エルザさんに言われてしまった。

 食堂に行くと、いつものように可愛い犬耳ウェイトレスさんが働いていた。

 いつもの堅いパンとスープ、じゃなくて味噌汁だ!それと焼き魚に醤油だった。

 厨房の入り口で、コックのジムさんが手招きをしているので、行ってみると、

「悪いな、米だけまだ手に入らなかったんだ」

「いや、これだけでも、感動ですありがとうございます」

 お礼を言い、席に戻って味噌汁と醤油で食べる焼き魚を堪能した。

 こんなに早く食べられるとは思わなかったな、これが女神様が言ってた特典なのかな。

(そんなわけないじゃないですか、特典についてはいずれ気が付きますよ)

 リョウが意味深なことを言っているが、とにかく朝飯も食ったし、素振りやろうかな。

 5つの型からの素振りを、一時間近くもやったころ、

(ご主人様、もうそろそろギルドへ行く時間ですよ。僕についてきてください)

 ギルドまでの道だったら俺でも覚えてるよと、思いながらとにかくついていく。

 ギルド裏の練習場の、かかしに向かって歩いていると、横から突然ガルムさんが声をかけてきた。

「アーム、感心だな、時間よりちょっと早いぞ。最初はカカシに向かっての素振りだな」

「ガルムさん、おはようございます」

「あっ おはよう、アーム」

 こういうとこ、バカ丁寧なんだよな、こいつは、調子に乗るよな。

「俺みたいな訓練教官には、さん付けでもいいが冒険者同士では、名前を呼び捨てにするのが常識だ。覚えておけ」

「とにかく今は装備を外して、訓練場の内周を俺がいいと言うまで走れ」

「ただ水だけは、ここに樽を置いておくから。こまめに飲みに来い」

「水は自分で、ウォーターで出せますから。大丈夫ですよ」

「器用な奴」

 いくら若返ったといえ、レベル1だし、何度か倒れそうになりながら、ウォーターで口を潤しながら走っていたら、ストップがかかった。

 リョウも並走してくれてたから、時々ウォーターで水を口に運んでやっていた。

 よく1時間近く頑張ったな。15分休憩していいぞと言われた。

「それじゃあ、装備してる丸盾を見せてみな」

「うん、新品でよくできたものだな。そのレザーアーマーも買ったみたいだな」

「ドムさんに、防具も着ないで死ぬ気かって怒られました」

「あのおっさんの言いそうなことだな。だが、よく金が足りたな。品質はいい分、ちと値段が高いんだ」

「だいぶ、負けてもらえましたしギリギリ払えました」

「まっ 薬草で、ボロ儲けてるそうだしよしとしようか」

 ボロ儲けってなに、実際そうだけどなんか悪いこと、しているみたいじゃん。

(ジャンて何、精神年齢じじーのくせに)

 余計なお世話だと、リョウの方を見ると女戦士に、なでくり回されていた。 クッ うらやましい!

「では5つの型からの、素振りを俺がいいと言うまでやってみろ」

「はい、お願いします」

「お前、へっぽこのくせに礼儀だけはいいのな」

 ここにも口の悪いのがいた。

 だが、1時間半も5つの型の形を丁寧に直してくれた。

「では、訓練終わりー。あとは風呂だ風呂」

「ガルムさん、風呂なんてあるんですか」

「訓練後は風呂だろうが、何知らないのか、アームって。バッチイ奴だったのか」

 お前は、小学生かと言いたくなったが、庶民でも風呂に入れるのは驚きであった。

 魔法で沸かしてるんですかと聞いたら、温泉から引いてるそうで料金もギルド関係者なら無料とのことだった。

 脱衣所に入り、服を脱いでカゴに入れて、2銅貨を置いておくと出るまでに、魔法で洗濯してくれるそうだ。

 風呂場に入るとガルムさんが古傷だらけで、特に背中の大きな傷が目立っていた。

「背中の傷は、戦士の恥なんていうが、あれは若い奴のたわごとで。強大な敵にあったら逃げ出すのが得策なんだよ」

「アームも、生き残りたければそうしな」

「俺は弱いですから、真っ先に逃げる自信があります」

「それでいい、でもお前って締まらない奴だな」

 風呂から出ると、アームの装備がなくなってるぞと言い出したので、アイテムボックス(小)に入れてありますよと言うと、

「器用な奴」

 と言って、用事があるからと去ってしまった。
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