愛犬とスローライフを楽しもうとしたら女神様に聖女を育てる様に言われました。

竹本りょう

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聖女候補の育成編

17.エルザ師範とフローリ様

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 リョウをエルザさんに預けて、朝飯を食べに食堂に来たらコックのジムさんが、手招きしているので行ってみると

「相変わらず米が手に入らなかったので麦飯にしてみたよ」

「これも、用意した箸っていうんだろう。使えるかい」

「使えます、いつもありがとうございます」

 可愛い犬耳ウェイトレスが運んできたのは、紛れもなく和食であった。

 麦飯とちょっと大きめの焼き魚に、醤油が添えられ、とどめが味噌汁だった。

 米に比べ麦飯は、やや固めで粘りがなかったが美味しく、魚に味噌汁も箸で食べると美味しさが一層増した。

 朝飯を堪能して、5つの型からの素振りをしていると、エルザさんが近づいてきてこう言った。

「アームの素振りは、ブレもなくなったし力強さも増したね。レベルでも上がったのかな」

「はい、レベル5に上がりました」

「ただこれ以上、レベルを上げるために奥に狩に行くには」

「ガルムさんに、絶対にパーティーを組むようにと言われちゃいました」

「だけどアームは、鑑定スキルをあまり知られたくないんだろう」

「何で、知ってるんですか」

「薬草採取で、あれだけぼろ儲けしてれば、高レベル冒険者ならよほど鈍感でなければわかるよ」

「口が堅い奴を仲間にしたいなら、私にあてがあるから冒険者ギルドにいってから。教会児童養護施設についてくよ」

 冒険者ギルドに着き受付に並ぼうとすると、5つの窓口から5人の受付嬢が出てきて、エルザさんの前に横並びになり一斉に腕を交差させた。

「押忍っ! エルザ師範お久しぶりです」

 声を揃えて、一礼してきたのであった。

 そして各自受付へと戻って行く、皆驚いていたが私の体術の弟子さ、とエルザさんは憚りなく言った。

 空いている3番窓口の順番がくると、薬草依頼の報告をして余剰分の薬草も売ると、、依頼報酬を含め約銀貨200枚つまり金貨20枚近くの売上になった。

 角ウサギの討伐依頼と、余剰分を合わせて125匹の報告は受け付けてくれたが、角ウサギの現物は右の解体窓口に持っていくようにと言われた。

 解体窓口に行くと、30歳半ばのおじさんが魔物は何で数はどれくらいかと聞いてきた。

「角ウサギで、125匹です」

「ずいぶん溜め込んできたようだが、魔石とか欲しい素材とかあるかい」

「いえ1日で狩った分なんですが、全部買い取って頂けると助かります」

「それなら1匹銅貨9枚で買い取りで、125匹で銀貨112枚銅貨5枚のお渡しだな」

 横の入り口から入って解体倉庫に出してくれと言われたので、倉庫の台座の上に、アイテムボックス(小)から125羽分を取り出した。

 お金を受け取りエルザさんの所に行くと、また何人かの女冒険者に挨拶されていた。

「お待たせして、すみません」

「ここには、今のアームの仲間になれそうなのはいないので。教会児童養護施設に向かおうね」

 しばらく歩いて教会児童養護施設に着いて、ドアのノッカーを叩くとシスターリリーが扉を開けてくれた。

 俺とエルザさんが中に入ると、ここでもシスターリリーを含む3人のシスターが、横並びになり一斉に腕を交差させた。

「押忍っ! エルザ師範お久しぶりです」

 声を揃えて、一礼してきたのであった。

 どんだけ弟子がいるんですかと聞くと、世の中には弱い女子が多すぎて、教えずにはいられないんだよと言う。

「今日は指導に来たわけじゃなくて、フローリ様にお会いしに来たんだよ」

「今呼んできますね、少々お待ちください」

 待ってる間に、「これ今回分のクズ薬草90本です」とシスターリリーに渡すと、「はい銀貨27枚をお受け取りください」と言われた。

「アームいつもすまないね、エルザも一緒とはめずらしいね」

「ご無沙汰しています、フローリ様」

「実はアームがレベル5になり、ガルムからパーティーを組むようにとの事を言われました」

「それで口が堅い仲間探しをしていまして、この前のドワーフはどうかと思い、ご相談に上がりました」

「私もあの奴隷のドワーフなら、適任だと思うが、アーム自身はどうなのじゃ」

 ドワーフさんとは、児童養護施設で療養中に一度だけ話したが、名前はドムでこの御恩は一生をかけてでも返しますと大げさなことを言っていた。

「俺もドムなら、気が合いそうですし信頼も置けると思います」

「気が合うか、アームらしい物言いだな。決まりだ」

「私も行くからね、ポールよ奴隷商の所まで案内しろ」

 ポーションを売ってくれた、子供達の中で年長だった男の子って、ポールって名前だったのか。

「それともう一人、仲間になれそうなのがいるので、明日にでも会いに行かせよう」

「それじゃあ行こうか、当然エルザも来るだろう」

「お供させていただきます」

 ポールの案内で、俺とフローリ様とエルザさんは奴隷商のもとに向かった。
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