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8.区切り
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信二のラフデザインを受け取ったスタッフは、さっそくブラッシュアップに入った。
そして、出来上がったデザインに、社員一同、満足の声を上げた。
早速、信二は、年末ぎりぎりの打ち合わせで、新しいキャラクターデザインのプレゼンを行った。
キーワードは〔尊厳〕だった。
クライアントは、大喜びし、その場でGOサインを出した。
信二が、社内忘年会で、クライアントの承諾を得たことを伝えると、社員一同が沸き立った。
もちろん、信二も満足し、新年を気持ちよく迎えることができた。
そして、年も明け、病院での告知から半年が経っていた。
信二は、かろうじて、自力で立つことはできるものの、満足に動くことができなくなっていた。
電車で手すりにつかまっていても、足がガクガクと震え、手すりにしがみ付くのが精一杯だった。
見かねた他の乗客に、席を譲ってもらう回数も増えてきた。
ついに、信二は限界を感じた。
ちょうど、例のクライアントから与えられた仕事が、一つのヤマ場を越えたところだった。
これを一つの区切り、と考えた信二は、退職することを告げた。
もちろん上層部や、社員からの引き留めはあったが、信二は、
「君たちなら、大丈夫」
と、会社の行方を後進に、気持ちよく譲った。
「俺は、またやりたいことができたから」
にこやかに、信二は会社を後にした。
そして、出来上がったデザインに、社員一同、満足の声を上げた。
早速、信二は、年末ぎりぎりの打ち合わせで、新しいキャラクターデザインのプレゼンを行った。
キーワードは〔尊厳〕だった。
クライアントは、大喜びし、その場でGOサインを出した。
信二が、社内忘年会で、クライアントの承諾を得たことを伝えると、社員一同が沸き立った。
もちろん、信二も満足し、新年を気持ちよく迎えることができた。
そして、年も明け、病院での告知から半年が経っていた。
信二は、かろうじて、自力で立つことはできるものの、満足に動くことができなくなっていた。
電車で手すりにつかまっていても、足がガクガクと震え、手すりにしがみ付くのが精一杯だった。
見かねた他の乗客に、席を譲ってもらう回数も増えてきた。
ついに、信二は限界を感じた。
ちょうど、例のクライアントから与えられた仕事が、一つのヤマ場を越えたところだった。
これを一つの区切り、と考えた信二は、退職することを告げた。
もちろん上層部や、社員からの引き留めはあったが、信二は、
「君たちなら、大丈夫」
と、会社の行方を後進に、気持ちよく譲った。
「俺は、またやりたいことができたから」
にこやかに、信二は会社を後にした。
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