さよならの代わりは

野村にれ

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不可

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 アスリーナは帰って行き、ララスは事実を知ってもらおうと、手紙をしたためることにした。だが、王家にも苦情は届いているために、ララスはエディードとセアリアに呼び出された。

「モルゾフ王国へ謝罪と反省を書いた手紙を送るから、書きなさい」
「はい。丁度、誤解を解こうと思っておりました」

 ララスは丁度いいと考えたが、エディードは誤解という言葉が引っ掛かった。

「誤解?誤解などではないだろう」
「ですが、私は姪を紹介をしようとしただけで、たまたまあの時間になっただけなのです」
「そんなことは関係ない。そもそも、許可を得ていたわけでもなく、王太子殿下の部屋を訪ねる行為自体を咎めたはずだが?そんなことも分からないはずがないだろう」
「機会があの時しかなかったのです」
「はあ……」

 エディードもララスがこんなに話が通じないものだったかと呆れており、セアリアも同様であった。

 元よりララスは自分の意見もしっかり持っていたために、我は強かったが、それでも話が通じないということはなかった。

 今回はアスリーナのためであるために、ララスも引くわけにはいかなかった。

「謝罪も反省しないと言うのか?」
「そうではありませんが、誤解を解きたいのです」
「さらにあちらを不愉快にさせたいのか?」
「そのようなことございません。アスリーナがモルゾフ王国の王太子妃になるということは、オペリーク王国にとっても良きことであるはずです」

 そんな話はしていないのだが、ララスの中では自分の姪がモルゾフ王国の王妃になることが、重要なことであった。

「謝罪と反省しか必要ない」
「ですが」
「しないのならば、それでいい」

 エディードがそう言うと、どうするつもりなのかと、セアリアも驚いたが、きっと何か意図があるのだろうと口を挟むことはしなかった。

「いえ、いたします」

 ララスも書かなくていいのかと一瞬思ったが、嫌な予感を感じ取った。

「そうか、ならば書いて持って来なさい」
「はい……」
「後、ララスは縁談に関わらせることはしないから、そのつもりで」
「それは、どういうことですか」
「リファスとレイピアの縁談についてだ。今回のようなことをされては堪らないということだ。これは国王としての決定だ」
「ですが、王太子妃として、必要なこともあると思います」

 リファスとレイピアにも良い相手を王太子妃として、何もできない母親の代わりに母親として、してあげなければならないと考えていた。

「それは王太子妃としてまともな行動を取ってから言いなさい」
「ですが、側妃があのような状態なのですから、私が代わりに動かなければなりませんでしょう」

 ブルーベルのことは公務をしていることは驚きはしたが、それだけで何も変わりないことにララスにとってはとても都合が良かった。

 ただ、リファスとレイピアは自分を母親だと思い、慕ってくれると思っていたが、成長するに連れて距離はできていた。

 もっと頼ってくれればいいのにと思って、歩み寄ったりもしたが、ララスを手を煩わせることはできませんからと断られていた。

 それゆえにアスリーナのことを必要以上に可愛がるようにもなっており、母親がブルーベルのレイピアよりも、アスリーナの方が価値があるとすら思っている。

 リファスとレイピアはブルーベルが母親であることが、ララスが母親ではないことで、価値が低いという判断されると信じて疑っていなかった。

 だが、密な関係性であれば、補えることもあるだろうと、王太子妃になってから、ウィンラーの考えた通り、驕りが強くなっていた。

「必要ないと言っているだろう」
「もう下がりなさい。早く謝罪をしなくてはなりませんから、今日中に書いて持って来なさい」
「承知いたしました」
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