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苦情3
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スチュワートは女性に困らされることが多く、本人もあまり近付かないようにしており、ナーバスになっているというこちらも事情もあるが、今回も女性と交流を持つような場を設けないようにしていた。
それを丁度、スチュワートは不在であったが、それでも何か噂を立たせたいのかという時間に部屋に許可なく訪ねたことを、遺憾に思っている。
これからはスチュワートとは二度と、関わらないで欲しいという内容であった。
真っ当な苦情で、王家は覚悟をしていたが、パシム侯爵家は聞いてはいたが、アスリーナにとっては絶望であった。
「どうしてよ……叔母様に紹介をしてもらっただけなのよ」
「辛いだろうが、現実を受け止めて、スチュワート王太子殿下のことはもう諦めなさい。過ぎた相手だったのだよ」
「嫌よ、ずっと想っていたのよ。叔母様もお似合いだって、きっと上手くいくって言ってくださったのに」
「だが、これが現実だ」
ララスの兄で、父であるジュージ・パシムもアスリーナの気持ちは知っており、今回の晩餐会に同行できることから、お近づきに慣れることを期待はしていたが、ララスはタイミングを間違えた。
アスリーナは成績も上位から落ちたこともなく、生徒会でも活躍し、親としては誇らしい娘であった。
だが、それでもスチュワート王太子殿下は過ぎた相手であり、これで叶わないと分かったのだから、アスリーナも19歳なのだから、結婚を考えなくてはならない。
だが、アスリーナは納得がいかなかった。ララスに約束を取り付けて、王宮に押し掛けることになった。
「叔母様、どういうことなの!」
「アスリーナ……」
「スチュワート王太子殿下に、二度と関わらないで欲しいと通達が来たのよ」
「っえ、どうして……」
「叔母様が無理矢理、押し掛けたからでしょう?」
「でも、あの時しかチャンスがなかったのよ」
アスリーナもいつ会えるのか、いつ紹介してもらえるのかとは言っていたが、あのタイミングを選んだのはララスであった。
「そんなチャンス要らなかったわ……お父様は謝罪に行くと言っているけど、私は連れて行けないって、私とお似合いだって言ったじゃない!どうしてくれるの?このままでは別の男性と結婚させられるのよ!」
「大袈裟に取られてしまったのよ……私はあなたを紹介するつもりだっただけなの」
ララスはアスリーナを自分に似ているからだけではなく、リファスとレイピアとは違って、頼ってくれることが嬉しかった。
「どういうこと?」
「不謹慎な時間に部屋を訪ねたとされているだけなの」
「不謹慎って」
「でも、私と一緒だったのだから、夜這いだなんて思われるはずがないの」
「夜這いだなんて、汚らわしい!」
アスリーナは真面目でもあったが、男女の関係に夢見がちなところがあり、そういった性的なことには過剰に嫌悪感を示していた。
そんなところも、ララスも同じだったために、二人は気が合った。
「そうでしょう?でも、あちらは過剰に受け取られてしまったのよ。シュリリー様は私のことを良く思っていないから、大袈裟に伝えたのだと思うわ」
「元王女様?」
アスリーナは結局、シュリリーとは話していなかったが、誰なのかは後からララスから聞いていた。
「そうなの、コレドール様の婚約者候補だったから」
「それで叔母様に仕返しをしたって言うの?」
「ええ、コレドール様と結婚したかったのに、私が選ばれてしまったから」
そのような事実はないのだが、ララスは勝手にそう思っており、シュリリーにもウィンラーにも勝ったと思っている。
「そんな……」
「私もちゃんとお伝えするようにするわ」
「本当?」
「ええ、約束するわ」
「お願いよ、私の王子様はスチュワート様だけなの。他の人と結婚なんて絶対に嫌よ」
「出来る限りはするから」
「お願いよ、でないとお父様に婚約者を決められてしまうわ」
「分かったわ」
それを丁度、スチュワートは不在であったが、それでも何か噂を立たせたいのかという時間に部屋に許可なく訪ねたことを、遺憾に思っている。
これからはスチュワートとは二度と、関わらないで欲しいという内容であった。
真っ当な苦情で、王家は覚悟をしていたが、パシム侯爵家は聞いてはいたが、アスリーナにとっては絶望であった。
「どうしてよ……叔母様に紹介をしてもらっただけなのよ」
「辛いだろうが、現実を受け止めて、スチュワート王太子殿下のことはもう諦めなさい。過ぎた相手だったのだよ」
「嫌よ、ずっと想っていたのよ。叔母様もお似合いだって、きっと上手くいくって言ってくださったのに」
「だが、これが現実だ」
ララスの兄で、父であるジュージ・パシムもアスリーナの気持ちは知っており、今回の晩餐会に同行できることから、お近づきに慣れることを期待はしていたが、ララスはタイミングを間違えた。
アスリーナは成績も上位から落ちたこともなく、生徒会でも活躍し、親としては誇らしい娘であった。
だが、それでもスチュワート王太子殿下は過ぎた相手であり、これで叶わないと分かったのだから、アスリーナも19歳なのだから、結婚を考えなくてはならない。
だが、アスリーナは納得がいかなかった。ララスに約束を取り付けて、王宮に押し掛けることになった。
「叔母様、どういうことなの!」
「アスリーナ……」
「スチュワート王太子殿下に、二度と関わらないで欲しいと通達が来たのよ」
「っえ、どうして……」
「叔母様が無理矢理、押し掛けたからでしょう?」
「でも、あの時しかチャンスがなかったのよ」
アスリーナもいつ会えるのか、いつ紹介してもらえるのかとは言っていたが、あのタイミングを選んだのはララスであった。
「そんなチャンス要らなかったわ……お父様は謝罪に行くと言っているけど、私は連れて行けないって、私とお似合いだって言ったじゃない!どうしてくれるの?このままでは別の男性と結婚させられるのよ!」
「大袈裟に取られてしまったのよ……私はあなたを紹介するつもりだっただけなの」
ララスはアスリーナを自分に似ているからだけではなく、リファスとレイピアとは違って、頼ってくれることが嬉しかった。
「どういうこと?」
「不謹慎な時間に部屋を訪ねたとされているだけなの」
「不謹慎って」
「でも、私と一緒だったのだから、夜這いだなんて思われるはずがないの」
「夜這いだなんて、汚らわしい!」
アスリーナは真面目でもあったが、男女の関係に夢見がちなところがあり、そういった性的なことには過剰に嫌悪感を示していた。
そんなところも、ララスも同じだったために、二人は気が合った。
「そうでしょう?でも、あちらは過剰に受け取られてしまったのよ。シュリリー様は私のことを良く思っていないから、大袈裟に伝えたのだと思うわ」
「元王女様?」
アスリーナは結局、シュリリーとは話していなかったが、誰なのかは後からララスから聞いていた。
「そうなの、コレドール様の婚約者候補だったから」
「それで叔母様に仕返しをしたって言うの?」
「ええ、コレドール様と結婚したかったのに、私が選ばれてしまったから」
そのような事実はないのだが、ララスは勝手にそう思っており、シュリリーにもウィンラーにも勝ったと思っている。
「そんな……」
「私もちゃんとお伝えするようにするわ」
「本当?」
「ええ、約束するわ」
「お願いよ、私の王子様はスチュワート様だけなの。他の人と結婚なんて絶対に嫌よ」
「出来る限りはするから」
「お願いよ、でないとお父様に婚約者を決められてしまうわ」
「分かったわ」
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