40 / 110
巡る
しおりを挟む
「大人げないことではありませんか。モルゾフ王国も損失ですよ?シュリリー様は関係ないでしょう?」
アスリーナを評価してくれることはジュージとしても嬉しいことだが、王家の総意と言うのであれば違ったが、国王陛下はそのようなことは言ってはくれなかった。
となると、特に王家としてもアスリーナを擁護する声もないということであった。
「だが、お前がアスリーナの叔母であるように、国王陛下はシュリリー様の兄上だ。妹が嫌な気持ちを持ったララスの姪だと知ったら、関わりたくないと思うだろう。私でも穿った見方をするさ」
「そんな、私のせいだって言うの?」
「お前がそう言ったんじゃないか、シュリリー様とは親しくもないのだろう?」
「それは……」
王女なのに選ばれたのはララスだったと言われたことはないが、皆がそう思っていると感じており、シュリリーとの関係性など考えたこともなかった。
「せめていい関係を築けていたのなら、それこそアスリーナも可能性があったかもしれないが、お前から聞いたこともないからな」
「でも、会う機会もなくて」
「ウィンラー様もだろう?あの方もモルゾフ王国にいらっしゃるのだから、親しくしていたら、口添えをしてくれたかもしれない」
「っ、でも彼女とは争った仲ですから、いい関係というのは……でも仲が悪いわけではありません」
ウィンラーとは同じ候補者だったことから、親しいわけではないが、会えば話をする関係はある。
「だったら、彼女に探りを入れるべきだったな」
ライバル関係であったとしても、だからこその絆ができる場合もある。だが、ララスにはできなかった。ジュージもそのような関係も影響してか、ウィンラーの実家とも交流はない。
「どちらにしろもう可能性はないのだから、アスリーナにも希望を持たすことを言うな。分かったな?」
「でも」
「だったら、ずっとアスリーナに夢を見させるつもりか?スチュワート王太子殿下だって、いずれご結婚なさるだろう。それまで待てというのか?どんどん縁談はなくなっていくんだ」
「はい……」
19歳が行き遅れとまではいわないが、婚約をしていた者たちは18歳で結婚している方も多いために、早ければ早い方がいい。
ララスは王太子妃に選ばれたことで、これからは皆が自分を立ててくれると、関係性など考えずに生きていた。
元より爵位の下の者は変わりなかったが、王太子妃になったことで、見下すような行動を取っており、それがきっかけを潰していたと今、初めて思い至っていた。
だからこそ、ウィンラーやシュリリーに見透かされて、嫌われていたのである。
だが、ウィンラーには嫌われていないと思い、シュリリーとウィンラーの関係を知らないララスは、手紙を書くことにした。
手紙を受け取ることになったウィンラーは、困惑したままシュリリーを訪ねることになった。
「ララスから気味の悪い手紙が届きました……」
「ウィンラーに?」
「はい、おそらくまだ諦めていないのだと思います」
「嘘でしょ……そんなに馬鹿だったの?」
「まず、読んでみてください」
「そうね」
シュリリーが手紙を受け取り読み始めると、可愛らしい顔がどんどん歪み始めた。
ララスはまず久し振りだということや、母国は変わらないことなどが書かれていた。
その後、モルゾフ王国はどのような国なのか。どのような暮らしをしているのか。
そして、スチュワート王太子殿下はとても人気があると聞いているが、婚約者はどのような方を考えているのか知っているか。姪が優秀だから紹介したいと思っているのだが、とてもお互いに光栄なことだとは思わないか。良かったら話をしてもらえたりできないだろうか。
ウィンラーは、何も知らないだろうと思っての内容であった。
アスリーナを評価してくれることはジュージとしても嬉しいことだが、王家の総意と言うのであれば違ったが、国王陛下はそのようなことは言ってはくれなかった。
となると、特に王家としてもアスリーナを擁護する声もないということであった。
「だが、お前がアスリーナの叔母であるように、国王陛下はシュリリー様の兄上だ。妹が嫌な気持ちを持ったララスの姪だと知ったら、関わりたくないと思うだろう。私でも穿った見方をするさ」
「そんな、私のせいだって言うの?」
「お前がそう言ったんじゃないか、シュリリー様とは親しくもないのだろう?」
「それは……」
王女なのに選ばれたのはララスだったと言われたことはないが、皆がそう思っていると感じており、シュリリーとの関係性など考えたこともなかった。
「せめていい関係を築けていたのなら、それこそアスリーナも可能性があったかもしれないが、お前から聞いたこともないからな」
「でも、会う機会もなくて」
「ウィンラー様もだろう?あの方もモルゾフ王国にいらっしゃるのだから、親しくしていたら、口添えをしてくれたかもしれない」
「っ、でも彼女とは争った仲ですから、いい関係というのは……でも仲が悪いわけではありません」
ウィンラーとは同じ候補者だったことから、親しいわけではないが、会えば話をする関係はある。
「だったら、彼女に探りを入れるべきだったな」
ライバル関係であったとしても、だからこその絆ができる場合もある。だが、ララスにはできなかった。ジュージもそのような関係も影響してか、ウィンラーの実家とも交流はない。
「どちらにしろもう可能性はないのだから、アスリーナにも希望を持たすことを言うな。分かったな?」
「でも」
「だったら、ずっとアスリーナに夢を見させるつもりか?スチュワート王太子殿下だって、いずれご結婚なさるだろう。それまで待てというのか?どんどん縁談はなくなっていくんだ」
「はい……」
19歳が行き遅れとまではいわないが、婚約をしていた者たちは18歳で結婚している方も多いために、早ければ早い方がいい。
ララスは王太子妃に選ばれたことで、これからは皆が自分を立ててくれると、関係性など考えずに生きていた。
元より爵位の下の者は変わりなかったが、王太子妃になったことで、見下すような行動を取っており、それがきっかけを潰していたと今、初めて思い至っていた。
だからこそ、ウィンラーやシュリリーに見透かされて、嫌われていたのである。
だが、ウィンラーには嫌われていないと思い、シュリリーとウィンラーの関係を知らないララスは、手紙を書くことにした。
手紙を受け取ることになったウィンラーは、困惑したままシュリリーを訪ねることになった。
「ララスから気味の悪い手紙が届きました……」
「ウィンラーに?」
「はい、おそらくまだ諦めていないのだと思います」
「嘘でしょ……そんなに馬鹿だったの?」
「まず、読んでみてください」
「そうね」
シュリリーが手紙を受け取り読み始めると、可愛らしい顔がどんどん歪み始めた。
ララスはまず久し振りだということや、母国は変わらないことなどが書かれていた。
その後、モルゾフ王国はどのような国なのか。どのような暮らしをしているのか。
そして、スチュワート王太子殿下はとても人気があると聞いているが、婚約者はどのような方を考えているのか知っているか。姪が優秀だから紹介したいと思っているのだが、とてもお互いに光栄なことだとは思わないか。良かったら話をしてもらえたりできないだろうか。
ウィンラーは、何も知らないだろうと思っての内容であった。
3,559
あなたにおすすめの小説
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
【完結】白い結婚はあなたへの導き
白雨 音
恋愛
妹ルイーズに縁談が来たが、それは妹の望みでは無かった。
彼女は姉アリスの婚約者、フィリップと想い合っていると告白する。
何も知らずにいたアリスは酷くショックを受ける。
先方が承諾した事で、アリスの気持ちは置き去りに、婚約者を入れ換えられる事になってしまった。
悲しみに沈むアリスに、夫となる伯爵は告げた、「これは白い結婚だ」と。
運命は回り始めた、アリスが辿り着く先とは… ◇異世界:短編16話《完結しました》
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
愛する女性を側室に望むのなら、いっそ私との婚約は解消してほしいのですが?
四折 柊
恋愛
公爵令嬢ジョゼフィーヌには好きな人がいた。その人は隣国の王子様リック。ジョゼフィーヌはリックと結婚したくて努力をしてきた。そして十六歳になり立派な淑女になれたと自信を得たジョゼフィーヌは、リックにプロポーズをしようとした。ところが彼に婚約者がいたことが発覚し悲しみに暮れる。今まで確認しなかった自分も悪いが、なぜかリックも家族もそのことを教えてくれなかった。そんなときジョゼフィーヌに婚約の打診が来た。その相手は自国のアルバン王太子殿下。断りたいが王命が下り仕方なく受け入れた。それなのに、ある日夜会でアルバンが可憐な令嬢に一目惚れをした。その後、アルバンはその令嬢を側室にしたいと望んだので、お互いのために婚約を解消したいと申し出たが拒絶されて……。ジョゼフィーヌの未来はどうなるのか?!
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
愛される日は来ないので
豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。
──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる