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嫌悪感
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「確かに気味が悪いわね……」
「そうでございましょう?」
「今さらだけど、王太子妃に選ばれてしまってごめんなさいねが一番腹が立つわね」
「でしょう!」
ウィンラーは書いてあることがほぼ不愉快でしかなかったが、王太子妃に選ばれたことを今さら、謝られたことが一番腹立たしかった。
そしてシュリリーも自分がもらったと思ったら、そこが一番腹が立った。
「自分は上だと示したいのでしょうね」
「ええ、お互い嫌っているのに、本当に気味が悪くて堪らないです。シュリリー様との関係も気付いていなかったのでしょうね」
オペリーク王国で、ウィンラーとシュリリーは親交を深めていたのだが、そのことにララスは気付いていなかった。
「自分のことしか考えていないのよ」
「視野も狭いのです。姪もこちらに嫁がせれば、叔母だから大きな顔ができると思っているのでしょう」
「自分に似ているからとも思っているはずよ、本当によく似ていたもの」
アスリーナを見た時に、あの頃のララスに似ていると思った。ゆえに、ララスは自分が王太子妃になれたことから、アスリーナも相応しいと思っているのだろう。
「スチュワート王太子殿下の横に立ったら、存在感がなさ過ぎますよ」
「ふふっ、でもララスが主導したのか、姪が望んだのか分からないけど、確かに見た目の良い男性の横に立つことに臆することもないということは、ララスとは違って自信があるのかもしれないわよ?」
「それはそれで厄介ですよね……」
ララスの容姿は素朴であるために、まず褒められるようなことはない。褒められることがあるとすれば、それは社交辞令、お世辞以外の何物でもなかった。
それをララスも見た目ではなく中身だと豪語していたように、理解していたが、そうではない質ということもあり得る。
「会ってみてはどう?」
「直接ですか?」
「ええ、近々帰るって言っていたじゃない」
シュリリーは子どもたちと里帰りすることになっており、ララスに会う予定などなかったが、こんな手紙が来た以上、その方がいいかもしれないと思った。
「ええ、憂鬱ですけど、手紙より顔を見ての方がいいかもしれませんね」
「そうよ、何て言うのか聞いてみたいじゃない。王家から書記官を呼びましょうか、そうすれば謝罪と反省はしていない証明になるわ」
王家に謝罪と反省、二度としないという旨の書かれた手紙が届いている。
それをウィンラーにまだスチュワートとアスリーナのことを言うのであれば、良い証明になる。その力がシュリリーにはある。
「そうですね、やるなら徹底的にやりましょうか。王太子妃に選ばれてしまってごめんなさいねですからね」
「根に持っているわね」
「持ちますよ」
「お兄様に話しておくわ」
「よろしくお願いいたします」
ララスはこんなことになっているとは思いもせず、アスリーナにモルゾフ王国の次期公爵夫人に口添えを頼んでいるからと話をしていた。
オペリーク王国では、リュメリー王国からフェイリアがリファスとレイピアを迎えと共に里帰りして、エディードとセラリアに挨拶をしていた。
「ご無沙汰しております」
「よく戻った」
「元気そうで良かったわ」
「おかげさまで、健やかに過ごしております」
「エルゲリータ王国のことでは迷惑を掛けたな」
エディードの言葉で、フェイリアは良い気持ちはしなかった。
「ブルーベル様のことをおっしゃっているのですか?」
「そうだ」
「ブルーベル様は何も関係ないではありませんか」
「それはそうだけど」
「謝るのはエルゲリータ王国で、ブルーベル様は関係ありません。まさか責めたりされたということはありませんわよね?」
「そのようなことはしていない」
「それならば、良かったです」
ブルーベルには何を言っても手応えがないために何も言っていなかったが、リュメリー王国には申し訳ないと思っていた。
「そうでございましょう?」
「今さらだけど、王太子妃に選ばれてしまってごめんなさいねが一番腹が立つわね」
「でしょう!」
ウィンラーは書いてあることがほぼ不愉快でしかなかったが、王太子妃に選ばれたことを今さら、謝られたことが一番腹立たしかった。
そしてシュリリーも自分がもらったと思ったら、そこが一番腹が立った。
「自分は上だと示したいのでしょうね」
「ええ、お互い嫌っているのに、本当に気味が悪くて堪らないです。シュリリー様との関係も気付いていなかったのでしょうね」
オペリーク王国で、ウィンラーとシュリリーは親交を深めていたのだが、そのことにララスは気付いていなかった。
「自分のことしか考えていないのよ」
「視野も狭いのです。姪もこちらに嫁がせれば、叔母だから大きな顔ができると思っているのでしょう」
「自分に似ているからとも思っているはずよ、本当によく似ていたもの」
アスリーナを見た時に、あの頃のララスに似ていると思った。ゆえに、ララスは自分が王太子妃になれたことから、アスリーナも相応しいと思っているのだろう。
「スチュワート王太子殿下の横に立ったら、存在感がなさ過ぎますよ」
「ふふっ、でもララスが主導したのか、姪が望んだのか分からないけど、確かに見た目の良い男性の横に立つことに臆することもないということは、ララスとは違って自信があるのかもしれないわよ?」
「それはそれで厄介ですよね……」
ララスの容姿は素朴であるために、まず褒められるようなことはない。褒められることがあるとすれば、それは社交辞令、お世辞以外の何物でもなかった。
それをララスも見た目ではなく中身だと豪語していたように、理解していたが、そうではない質ということもあり得る。
「会ってみてはどう?」
「直接ですか?」
「ええ、近々帰るって言っていたじゃない」
シュリリーは子どもたちと里帰りすることになっており、ララスに会う予定などなかったが、こんな手紙が来た以上、その方がいいかもしれないと思った。
「ええ、憂鬱ですけど、手紙より顔を見ての方がいいかもしれませんね」
「そうよ、何て言うのか聞いてみたいじゃない。王家から書記官を呼びましょうか、そうすれば謝罪と反省はしていない証明になるわ」
王家に謝罪と反省、二度としないという旨の書かれた手紙が届いている。
それをウィンラーにまだスチュワートとアスリーナのことを言うのであれば、良い証明になる。その力がシュリリーにはある。
「そうですね、やるなら徹底的にやりましょうか。王太子妃に選ばれてしまってごめんなさいねですからね」
「根に持っているわね」
「持ちますよ」
「お兄様に話しておくわ」
「よろしくお願いいたします」
ララスはこんなことになっているとは思いもせず、アスリーナにモルゾフ王国の次期公爵夫人に口添えを頼んでいるからと話をしていた。
オペリーク王国では、リュメリー王国からフェイリアがリファスとレイピアを迎えと共に里帰りして、エディードとセラリアに挨拶をしていた。
「ご無沙汰しております」
「よく戻った」
「元気そうで良かったわ」
「おかげさまで、健やかに過ごしております」
「エルゲリータ王国のことでは迷惑を掛けたな」
エディードの言葉で、フェイリアは良い気持ちはしなかった。
「ブルーベル様のことをおっしゃっているのですか?」
「そうだ」
「ブルーベル様は何も関係ないではありませんか」
「それはそうだけど」
「謝るのはエルゲリータ王国で、ブルーベル様は関係ありません。まさか責めたりされたということはありませんわよね?」
「そのようなことはしていない」
「それならば、良かったです」
ブルーベルには何を言っても手応えがないために何も言っていなかったが、リュメリー王国には申し訳ないと思っていた。
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