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密談2
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「スチュワート王太子殿下は女性が押し掛けて来るようなことがありましたから、危惧されてシュリリー様が万が一のためにいらっしゃったのです」
「まあ、それにララス妃が……馬鹿じゃない。失礼しました、兄も愚かだと頭を抱えておりましたわ」
「失礼ですが、フェイリア殿下はいつから、ララス殿下と上手くいっていなかったのですか?」
フェイリアの馬鹿という言葉に本音が含まれていると感じ、何かきっかけがあったのかと、興味があった。
「最初からですよ、兄にも婚約者が決まってから、合わないからと伝えてありますの。正直、ウィンラー様もシュリリー様も嫌かもしれませんが、お二人のどちらかならば、親しくしたかったわ」
「光栄でございます」
「兄には見る目がないと思いながら、私はどちらにせよ、離れる身でしたから、口は出しませんでしたの。私が共にする相手ではありませんから」
「そういうことでしたか。納得いたしました、確かに人生を共にするのは王太子殿下ですからね」
婚約者になりたかったわけではないが、ララスであったことが不満であった。
いや、自分が選ばれた尊い存在とでも思っている表情や行動が不満であった。
だが、フェイリアは既に婚約をしており、口を出しても、離れた場所で何かできるものではなく、気持ちがよく分かった。
「ええ、でもララスは自分を選んでみる目があると言っていて、笑いそうになったわ。失礼、先程から洩れてしまっているわね。あちらも嫌っているでしょうし、お互い様です」
コレドールや両親にはこのようなことを言うことはできなかったために、フェイリアは多少、興奮していた。
「本当に私たちと同じだったのですね」
「たち?」
「シュリリー様です」
「そうでしたか。いえ、あの時のことを思えば当然ですわね。出しゃばって、見ているこちらが恥ずかしかったもの」
シュリリーがオペリーク王国に来た際に、社交としてコレドールに質問をしているのに、同席していたララスが説明を率先して行っており、頼りになると思っていた者もいたと思うが、フェイリアは出しゃばっているようにしか見えなかった。
「はい、あの時に、私、顔が酷く引き攣っていたようで、どうも顔を作るのが苦手で……それで、シュリリー様に声を掛けられたのです」
「顔を作れないことがいいきっかけになったのね」
「はい、お恥ずかしながら、そういうことになるかもしれません」
今の結婚があるのは、間違いなくシュリリーと出会えたことである。
「それで、呼ばれた理由なのですが、ララス妃は国王陛下に謝罪と反省の手紙、二度と近付かないと約束したのですけど、私にこのような手紙を送って来まして。ちなみに手紙をもらったのも初めてです」
「読んでいいのですか?」
「是非、お読みになって、ご意見をいただければと思います」
フェイリアは元王女で、王太子妃であるために、建前などお手の物だろうが、ウィンラーはそれこそ人を見る目だけはあると思っており、この時間だけでもララスのことを嫌っていることだけは、事実だろうと判断した。
元よりフェイリアのことは尊敬していたこともあるが、何かこちらを探る目的であったとしても、知っておいてもらった方がいい。
手紙を読むフェイリアは、シュリリーと同様に、美しい顔がどんどん渋い顔になっていった。
「ちょっと待って、理解が追い付かないのだけど、ここまで愚かだったの?」
フェイリアは反省と謝罪、二度と近付かないとなっているのに、どうしてこのような手紙が存在するのか、理解が追い付かなかった。
「同じ意見でございます。私は何も知らないと思っているのだと思います」
「なるほど、それがシュリリー様と親しいと思っていないに繋がるのね」
王太子妃として、どのような繋がりがあるかなど把握しているだろうと思ったが、ララスは本当に自分のことしか考えていないのだろう。
「まあ、それにララス妃が……馬鹿じゃない。失礼しました、兄も愚かだと頭を抱えておりましたわ」
「失礼ですが、フェイリア殿下はいつから、ララス殿下と上手くいっていなかったのですか?」
フェイリアの馬鹿という言葉に本音が含まれていると感じ、何かきっかけがあったのかと、興味があった。
「最初からですよ、兄にも婚約者が決まってから、合わないからと伝えてありますの。正直、ウィンラー様もシュリリー様も嫌かもしれませんが、お二人のどちらかならば、親しくしたかったわ」
「光栄でございます」
「兄には見る目がないと思いながら、私はどちらにせよ、離れる身でしたから、口は出しませんでしたの。私が共にする相手ではありませんから」
「そういうことでしたか。納得いたしました、確かに人生を共にするのは王太子殿下ですからね」
婚約者になりたかったわけではないが、ララスであったことが不満であった。
いや、自分が選ばれた尊い存在とでも思っている表情や行動が不満であった。
だが、フェイリアは既に婚約をしており、口を出しても、離れた場所で何かできるものではなく、気持ちがよく分かった。
「ええ、でもララスは自分を選んでみる目があると言っていて、笑いそうになったわ。失礼、先程から洩れてしまっているわね。あちらも嫌っているでしょうし、お互い様です」
コレドールや両親にはこのようなことを言うことはできなかったために、フェイリアは多少、興奮していた。
「本当に私たちと同じだったのですね」
「たち?」
「シュリリー様です」
「そうでしたか。いえ、あの時のことを思えば当然ですわね。出しゃばって、見ているこちらが恥ずかしかったもの」
シュリリーがオペリーク王国に来た際に、社交としてコレドールに質問をしているのに、同席していたララスが説明を率先して行っており、頼りになると思っていた者もいたと思うが、フェイリアは出しゃばっているようにしか見えなかった。
「はい、あの時に、私、顔が酷く引き攣っていたようで、どうも顔を作るのが苦手で……それで、シュリリー様に声を掛けられたのです」
「顔を作れないことがいいきっかけになったのね」
「はい、お恥ずかしながら、そういうことになるかもしれません」
今の結婚があるのは、間違いなくシュリリーと出会えたことである。
「それで、呼ばれた理由なのですが、ララス妃は国王陛下に謝罪と反省の手紙、二度と近付かないと約束したのですけど、私にこのような手紙を送って来まして。ちなみに手紙をもらったのも初めてです」
「読んでいいのですか?」
「是非、お読みになって、ご意見をいただければと思います」
フェイリアは元王女で、王太子妃であるために、建前などお手の物だろうが、ウィンラーはそれこそ人を見る目だけはあると思っており、この時間だけでもララスのことを嫌っていることだけは、事実だろうと判断した。
元よりフェイリアのことは尊敬していたこともあるが、何かこちらを探る目的であったとしても、知っておいてもらった方がいい。
手紙を読むフェイリアは、シュリリーと同様に、美しい顔がどんどん渋い顔になっていった。
「ちょっと待って、理解が追い付かないのだけど、ここまで愚かだったの?」
フェイリアは反省と謝罪、二度と近付かないとなっているのに、どうしてこのような手紙が存在するのか、理解が追い付かなかった。
「同じ意見でございます。私は何も知らないと思っているのだと思います」
「なるほど、それがシュリリー様と親しいと思っていないに繋がるのね」
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