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改革期
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「シュリリー様にもよろしくお伝えください」
ウィンラーがシュリリーと親しいことは、ララスにもエディードとセラリアにも、ウィンラー自身もフェイリアも敢えて伝えなかった。
「はい、いつか三人でお話できたらと思っております」
「それは楽しそうですね」
「はい、きっと楽しいと思います」
ララスの悪口で盛り上がることになるだろう。正直、褒められたことではないが、それほどのことを既に犯していると思っている。
「今回の件もシュリリー様が間に入ってくださると思いますので、私も母国が困ることは本意ではありませんから」
「ありがとうございます」
フェイリアはウィンラーにシュリリーに口添えを頼んで欲しい、ララスのことはともかく、国については被害が少ないようになどと言うつもりはなかった。
それは自分も嫁いだ身ということもあるが、そのくらいしないと変われないと思ったからである。
「きちんとさせます。この国は変わった方がいいと私も感じているの」
「はい、私もそう思います。よろしくお願いいたします」
フェイリアとウィンラーはまた会いましょうと、別れた。
フェイリアは両親も疑惑を持っていたことから、理解を示してもいたが、甘いところもあるのではないかと、厳しい対応を見届けなくてはならないと考えていた。
エディードとセラリアは秘密裏に、ララスの診断書の医師、パシム侯爵家を調べるように指示を出し、伯爵家の令嬢たちにも話を聞くために、嫁ぎ先に家を聞きたいことがあると、連絡を取ることにした。
そして、コレドールを呼んで、ウィンラーに話したことと、側妃について説得した時の話を聞いてみようと思った。
「何かありましたか?」
「ああ」
エディードとセラリアは、メイリーからウィンラーと話している間に詳細に何を言ったのか、書き出してもらっており、それを読み、フェイリアにも読ませて、三人でコレドールを待っていた。
そこでララスが晩餐会でのことを反省しておらず、まだアスリーナをスチュワートに会わせようとしていること。会わせるためにウィンラーを利用しようとしていたことを聞かされることになった。
「っな」
「反省などしておらず、諦めてすらいなかったということだ」
「最悪じゃないか……」
「これが同席した侍女が聞いた発言だ、しっかり読むといい」
渡された紙をコレドールは読んだが、言われた通りの内容で、失礼な物言いばかりであった。
「夫人に謝罪を」
「そのような段階ではない」
「では……」
「厳しい判断を下さなくては、ウィンラー夫人は既にモルゾフ王国の方だ。謝罪をして、何もなかったということにはできない」
「どうするのですか?」
「当面は部屋で謹慎をさせ、その間に判断する」
「はい」
調べさせていることもあるために、そちらも早く分かればいいが、モルゾフ王国にも早く伝えなければならないために、時間が掛かるなら、今の状態で判断をしなければならない。
「私が話をしておきますから、コレドールは何も言わなくていいわ」
「承知いたしました」
フェイリアはウィンラーの話したことも影響しているのか、両親が深刻に捉えていることにホッとしていた。
「正直に答えて欲しいのだけど」
「はい」
「ララスは子どもができないことにどう言っていたの?」
「え?急に何ですか?」
セラリアが急に訊ねために、コレドールは何の関係があるのかと戸惑った。
「デリケートな話だから、当時は聞かなかったけど、聞きたいのよ」
「そうですか、そうですね……」
納得はいかなかったが、当時のことを思い出すことにした。
「謝っていました、産んであげたいのに産めなくてごめんなさいと……」
ララスもさすがに覚悟をしていたのか、辛そうにはしていたが、嫌だと反対することはなかった。理解のある妃だと感じていた。
ウィンラーがシュリリーと親しいことは、ララスにもエディードとセラリアにも、ウィンラー自身もフェイリアも敢えて伝えなかった。
「はい、いつか三人でお話できたらと思っております」
「それは楽しそうですね」
「はい、きっと楽しいと思います」
ララスの悪口で盛り上がることになるだろう。正直、褒められたことではないが、それほどのことを既に犯していると思っている。
「今回の件もシュリリー様が間に入ってくださると思いますので、私も母国が困ることは本意ではありませんから」
「ありがとうございます」
フェイリアはウィンラーにシュリリーに口添えを頼んで欲しい、ララスのことはともかく、国については被害が少ないようになどと言うつもりはなかった。
それは自分も嫁いだ身ということもあるが、そのくらいしないと変われないと思ったからである。
「きちんとさせます。この国は変わった方がいいと私も感じているの」
「はい、私もそう思います。よろしくお願いいたします」
フェイリアとウィンラーはまた会いましょうと、別れた。
フェイリアは両親も疑惑を持っていたことから、理解を示してもいたが、甘いところもあるのではないかと、厳しい対応を見届けなくてはならないと考えていた。
エディードとセラリアは秘密裏に、ララスの診断書の医師、パシム侯爵家を調べるように指示を出し、伯爵家の令嬢たちにも話を聞くために、嫁ぎ先に家を聞きたいことがあると、連絡を取ることにした。
そして、コレドールを呼んで、ウィンラーに話したことと、側妃について説得した時の話を聞いてみようと思った。
「何かありましたか?」
「ああ」
エディードとセラリアは、メイリーからウィンラーと話している間に詳細に何を言ったのか、書き出してもらっており、それを読み、フェイリアにも読ませて、三人でコレドールを待っていた。
そこでララスが晩餐会でのことを反省しておらず、まだアスリーナをスチュワートに会わせようとしていること。会わせるためにウィンラーを利用しようとしていたことを聞かされることになった。
「っな」
「反省などしておらず、諦めてすらいなかったということだ」
「最悪じゃないか……」
「これが同席した侍女が聞いた発言だ、しっかり読むといい」
渡された紙をコレドールは読んだが、言われた通りの内容で、失礼な物言いばかりであった。
「夫人に謝罪を」
「そのような段階ではない」
「では……」
「厳しい判断を下さなくては、ウィンラー夫人は既にモルゾフ王国の方だ。謝罪をして、何もなかったということにはできない」
「どうするのですか?」
「当面は部屋で謹慎をさせ、その間に判断する」
「はい」
調べさせていることもあるために、そちらも早く分かればいいが、モルゾフ王国にも早く伝えなければならないために、時間が掛かるなら、今の状態で判断をしなければならない。
「私が話をしておきますから、コレドールは何も言わなくていいわ」
「承知いたしました」
フェイリアはウィンラーの話したことも影響しているのか、両親が深刻に捉えていることにホッとしていた。
「正直に答えて欲しいのだけど」
「はい」
「ララスは子どもができないことにどう言っていたの?」
「え?急に何ですか?」
セラリアが急に訊ねために、コレドールは何の関係があるのかと戸惑った。
「デリケートな話だから、当時は聞かなかったけど、聞きたいのよ」
「そうですか、そうですね……」
納得はいかなかったが、当時のことを思い出すことにした。
「謝っていました、産んであげたいのに産めなくてごめんなさいと……」
ララスもさすがに覚悟をしていたのか、辛そうにはしていたが、嫌だと反対することはなかった。理解のある妃だと感じていた。
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