61 / 110
出発
しおりを挟む
「私も関わりがなかったからな」
「そうだったのですか」
「ああ、挨拶はするが、人見知りなのではないかと思っていた」
コレドールにとってアスリーナは姪にはなるが、挨拶をするくらいで、私的な話をすることはなかった。
「二人はララスのことは考えなくていい、部屋で謹慎となっているから当面会うこともないだろう。決まったことは伝えるから」
「分かりました」
「分かりました」
ララスには自分のしたこと、口にしたことをきちんと考えるように、セラリアから言われて、本格的に謹慎となった。
勝手に出歩くこともできなくなったために、ララスには会うこともないまま、リファスとレイピア、そしてブルーベルはリュメリー王国に向かう準備を進め、出発する日になっていた。
「では、お父様、行って参ります」
「行って参ります」
「ああ、色んな物を見せていただきなさい。何かあったらすぐにフェイリアに伝えるといい」
「「はい」」
「良い時間にさせて、戻るようにいたします」
「あの……お母様はいかがですか?」
コーレイドはリファスから初めて、お母様という言葉を聞き、一瞬言葉に詰まったが、その顔は心配しているように見えた。
「出掛けることになったと伝えたのだが、了承したのか分からないが……既に馬車に乗っている」
ブルーベルはモモリに促されて、馬車に向かったが、抵抗することも、なぜなのか聞くこともなく、大人しく乗り込んだ。
「大丈夫でしょうか?」
「難しい場合は戻れるように、配置しているから心配しなくていい」
万が一、ブルーベルが不安定になった場合は、すぐにモモリと護衛と一緒にオペリーク王国へ戻って来れるように考えてあった。
「それなら良かったです」
「安心ですね」
リファスとレイピア、ブルーベルはフェイリアと共に、エディードとセラリアとコレドールに見送られて、リュメリー王国に出発した。
見送った三人は、現実に向き合う時間になった。
「話し合いをしようか」
「そうですね」
「はい、侍女たちは休ませるようにしたのですよね」
「ええ、何をさせるか分かりませんからね」
侍女はララスに寄り添うのも仕事だが、注意をすることもなく、気持ち良くすることが仕事だったのではないかと判断し、理由は伝えていないが、しばらく休むようにした。
「パシム侯爵を呼んである」
「そうですか」
「コレドールも覚悟をしておくように」
「覚悟はしております」
コレドール、エディードとセラリア、そしてジュージ・パシム侯爵が揃った。
「ララスのことで話をしたいと思って、来てもらった」
「何か、あったのでしょうか」
「ああ、ララスがモルゾフ王国の次期公爵夫人に、またもアスリーナとスチュワート王太子殿下に会わせて欲しいと申し出た。王家の方の耳にも入るだろう」
「っな」
ジュージはモルゾフ王国王家に謝罪を行って、ララスのことだとしても、別の話をだと思っていた。
「私は何も関わっておりません」
「アスリーナはどうだ?」
「それは……」
アスリーナの相手はまだ見付かっていない状況ではあったが、それでもスチュワートを不愉快にさせて、婚約することは絶対にないと話した。
嫌だ、私はスチュワートと結婚するのだと、子どものように喚いてはいたが、アスリーナが何を言ってもどうにもなる話ではないと考えていた。
「ですが、スチュワート王太子殿下とは結婚は出来ないと話してあります」
「それでも、まだスチュワート王太子殿下と結婚したいなどと思っているのではないか?」
「そうだったとしても、叶うことはありません」
「だがな、ララスはまだ諦めていなかった。これで反省もしていないことが分かった。謝罪も意味をなさない」
「公爵家の方なら……黙っていただいておくことは……できないのでしょうか」
まだ王家に伝わっていないのなら、なかったことにならないのかと考えていた。
「そうだったのですか」
「ああ、挨拶はするが、人見知りなのではないかと思っていた」
コレドールにとってアスリーナは姪にはなるが、挨拶をするくらいで、私的な話をすることはなかった。
「二人はララスのことは考えなくていい、部屋で謹慎となっているから当面会うこともないだろう。決まったことは伝えるから」
「分かりました」
「分かりました」
ララスには自分のしたこと、口にしたことをきちんと考えるように、セラリアから言われて、本格的に謹慎となった。
勝手に出歩くこともできなくなったために、ララスには会うこともないまま、リファスとレイピア、そしてブルーベルはリュメリー王国に向かう準備を進め、出発する日になっていた。
「では、お父様、行って参ります」
「行って参ります」
「ああ、色んな物を見せていただきなさい。何かあったらすぐにフェイリアに伝えるといい」
「「はい」」
「良い時間にさせて、戻るようにいたします」
「あの……お母様はいかがですか?」
コーレイドはリファスから初めて、お母様という言葉を聞き、一瞬言葉に詰まったが、その顔は心配しているように見えた。
「出掛けることになったと伝えたのだが、了承したのか分からないが……既に馬車に乗っている」
ブルーベルはモモリに促されて、馬車に向かったが、抵抗することも、なぜなのか聞くこともなく、大人しく乗り込んだ。
「大丈夫でしょうか?」
「難しい場合は戻れるように、配置しているから心配しなくていい」
万が一、ブルーベルが不安定になった場合は、すぐにモモリと護衛と一緒にオペリーク王国へ戻って来れるように考えてあった。
「それなら良かったです」
「安心ですね」
リファスとレイピア、ブルーベルはフェイリアと共に、エディードとセラリアとコレドールに見送られて、リュメリー王国に出発した。
見送った三人は、現実に向き合う時間になった。
「話し合いをしようか」
「そうですね」
「はい、侍女たちは休ませるようにしたのですよね」
「ええ、何をさせるか分かりませんからね」
侍女はララスに寄り添うのも仕事だが、注意をすることもなく、気持ち良くすることが仕事だったのではないかと判断し、理由は伝えていないが、しばらく休むようにした。
「パシム侯爵を呼んである」
「そうですか」
「コレドールも覚悟をしておくように」
「覚悟はしております」
コレドール、エディードとセラリア、そしてジュージ・パシム侯爵が揃った。
「ララスのことで話をしたいと思って、来てもらった」
「何か、あったのでしょうか」
「ああ、ララスがモルゾフ王国の次期公爵夫人に、またもアスリーナとスチュワート王太子殿下に会わせて欲しいと申し出た。王家の方の耳にも入るだろう」
「っな」
ジュージはモルゾフ王国王家に謝罪を行って、ララスのことだとしても、別の話をだと思っていた。
「私は何も関わっておりません」
「アスリーナはどうだ?」
「それは……」
アスリーナの相手はまだ見付かっていない状況ではあったが、それでもスチュワートを不愉快にさせて、婚約することは絶対にないと話した。
嫌だ、私はスチュワートと結婚するのだと、子どものように喚いてはいたが、アスリーナが何を言ってもどうにもなる話ではないと考えていた。
「ですが、スチュワート王太子殿下とは結婚は出来ないと話してあります」
「それでも、まだスチュワート王太子殿下と結婚したいなどと思っているのではないか?」
「そうだったとしても、叶うことはありません」
「だがな、ララスはまだ諦めていなかった。これで反省もしていないことが分かった。謝罪も意味をなさない」
「公爵家の方なら……黙っていただいておくことは……できないのでしょうか」
まだ王家に伝わっていないのなら、なかったことにならないのかと考えていた。
3,254
あなたにおすすめの小説
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
【完結】白い結婚はあなたへの導き
白雨 音
恋愛
妹ルイーズに縁談が来たが、それは妹の望みでは無かった。
彼女は姉アリスの婚約者、フィリップと想い合っていると告白する。
何も知らずにいたアリスは酷くショックを受ける。
先方が承諾した事で、アリスの気持ちは置き去りに、婚約者を入れ換えられる事になってしまった。
悲しみに沈むアリスに、夫となる伯爵は告げた、「これは白い結婚だ」と。
運命は回り始めた、アリスが辿り着く先とは… ◇異世界:短編16話《完結しました》
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
愛する女性を側室に望むのなら、いっそ私との婚約は解消してほしいのですが?
四折 柊
恋愛
公爵令嬢ジョゼフィーヌには好きな人がいた。その人は隣国の王子様リック。ジョゼフィーヌはリックと結婚したくて努力をしてきた。そして十六歳になり立派な淑女になれたと自信を得たジョゼフィーヌは、リックにプロポーズをしようとした。ところが彼に婚約者がいたことが発覚し悲しみに暮れる。今まで確認しなかった自分も悪いが、なぜかリックも家族もそのことを教えてくれなかった。そんなときジョゼフィーヌに婚約の打診が来た。その相手は自国のアルバン王太子殿下。断りたいが王命が下り仕方なく受け入れた。それなのに、ある日夜会でアルバンが可憐な令嬢に一目惚れをした。その後、アルバンはその令嬢を側室にしたいと望んだので、お互いのために婚約を解消したいと申し出たが拒絶されて……。ジョゼフィーヌの未来はどうなるのか?!
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる