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口添え
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「姪を押すということは……いい関係は築けていない」
「ええ、そう思うわ」
母親とも上手くはいかない状況だろうが、だからと言ってララスとも、親子ではないのだが、家族のような空気感も感じなかった。
「姪のことも自分の道具のように思っているのかもしれませんね」
「懐いてくれて嬉しいのかもしれないわね、尊敬しています。ララス妃のようになりたいなんて言われたら、その気になりそうじゃない」
「何だか、馬鹿を相手にしていたような気分です」
ウィンラーはララスに腹は立っていたが、シュリリーと話している内に、もしかして馬鹿だったのではないかと思うようになっていた。
「間違ってないわよ」
容姿を褒められることはなくとも、優秀さを持ち上げられていた部分もあっただろうことから、頼られていい気分になったのかもしれない。
逆にそんなことで、王家に迷惑を掛けてまで調子に乗るような者は、馬鹿だと言っていいだろう。
「王家に謝罪をさせて、二度と関わらせないと謹慎になっているのに、まだ諦めていないなんて馬鹿以外の何者でもないわ」
「叶うと思っているのも、どこまで自信があるのか」
「ええ、王太子妃なのだから何でも許されると思っているのでしょう」
オペリーク王国に告げる立場ではないが、今さらながら王太子妃という立場は理解していないのではないか、これからのためにも排除した方がいいのではないだろうかとまで思うようになっていた。
「はい……あり得ません。そう言えば、おっしゃられた通り、厚化粧になっておりました」
「でしょう?」
「はい、言ってやりたいところでしたが、さすがに口にはしませんでしたけど」
見目を気にする令嬢を味方に付け、ウィンラーを見た目だけを着飾ってと馬鹿にしてくれた分を返したかったが、さすがに王太子妃であるのだから言わずにいた。
「それは懸命ね、どうせ周りが望むからとか言うわよ」
「確かにそうでございますね」
自分の意志でも、他者が言ったというのは、ララスの常套句である。
「では早速、お兄様に話をしておきましょう。早い方がいいわ、あなたはゆっくり休みなさい」
「よろしくお願いいたします。後ですね、いつかシュリリー様とフェイリア殿下と共にお話ができればとお伝えしました」
「まあ、それは盛り上がりそうね」
「はい」
何の話でかは口にしなくともであるが、シュリリーもフェイリアと同じように楽しそうだと笑った。
ウィンラーは自邸に帰って行き、書記官は別室で待たせていたが、シュリリーと共に王宮に向かうことになった。
書記官はエディードとセラリア両陛下との話し合いは同席しなかったが、ララスとの会話は纏めて提出するために自身の部署に行き、シュリリーは兄であるオークリーに面会を求めた。
しばらく待っていると、オークリーがやって来て、疲れた表情をしていた。
「ウィンラー夫人が戻りまして、お願いがあって参りました」
「おそらく、同じ話だな。こちらにもオペリーク王国から、手紙が届けられた」
「まあ、そうでしたか」
使者が急いで届けたために、ウィンラーが戻る前に手紙は届いていた。
だが、ウィンラーに付けた書記官のこともあったために、こちらから考えた上で返事をすると使者は返した。
「ララス妃とウィンラー夫人の会話の詳細は、書記官が纏めて提出するでしょう。私はウィンラーから軽く聞きましたが、不愉快極まりなかったわ」
「諦めていなかったとはな……」
エディード国王陛下から、ララスが反省しておらず、まだ姪とスチュワート王太子殿下のことを諦めていなかったこと、ウィンラー・パークトを利用しようと考えていたことが書かれていた。
謝罪と、勝手を申し上げることは心苦しいが、再度調べたいこと、厳しい罰を考えているということから、どう判断するかを考えているところであった。
「ええ、そう思うわ」
母親とも上手くはいかない状況だろうが、だからと言ってララスとも、親子ではないのだが、家族のような空気感も感じなかった。
「姪のことも自分の道具のように思っているのかもしれませんね」
「懐いてくれて嬉しいのかもしれないわね、尊敬しています。ララス妃のようになりたいなんて言われたら、その気になりそうじゃない」
「何だか、馬鹿を相手にしていたような気分です」
ウィンラーはララスに腹は立っていたが、シュリリーと話している内に、もしかして馬鹿だったのではないかと思うようになっていた。
「間違ってないわよ」
容姿を褒められることはなくとも、優秀さを持ち上げられていた部分もあっただろうことから、頼られていい気分になったのかもしれない。
逆にそんなことで、王家に迷惑を掛けてまで調子に乗るような者は、馬鹿だと言っていいだろう。
「王家に謝罪をさせて、二度と関わらせないと謹慎になっているのに、まだ諦めていないなんて馬鹿以外の何者でもないわ」
「叶うと思っているのも、どこまで自信があるのか」
「ええ、王太子妃なのだから何でも許されると思っているのでしょう」
オペリーク王国に告げる立場ではないが、今さらながら王太子妃という立場は理解していないのではないか、これからのためにも排除した方がいいのではないだろうかとまで思うようになっていた。
「はい……あり得ません。そう言えば、おっしゃられた通り、厚化粧になっておりました」
「でしょう?」
「はい、言ってやりたいところでしたが、さすがに口にはしませんでしたけど」
見目を気にする令嬢を味方に付け、ウィンラーを見た目だけを着飾ってと馬鹿にしてくれた分を返したかったが、さすがに王太子妃であるのだから言わずにいた。
「それは懸命ね、どうせ周りが望むからとか言うわよ」
「確かにそうでございますね」
自分の意志でも、他者が言ったというのは、ララスの常套句である。
「では早速、お兄様に話をしておきましょう。早い方がいいわ、あなたはゆっくり休みなさい」
「よろしくお願いいたします。後ですね、いつかシュリリー様とフェイリア殿下と共にお話ができればとお伝えしました」
「まあ、それは盛り上がりそうね」
「はい」
何の話でかは口にしなくともであるが、シュリリーもフェイリアと同じように楽しそうだと笑った。
ウィンラーは自邸に帰って行き、書記官は別室で待たせていたが、シュリリーと共に王宮に向かうことになった。
書記官はエディードとセラリア両陛下との話し合いは同席しなかったが、ララスとの会話は纏めて提出するために自身の部署に行き、シュリリーは兄であるオークリーに面会を求めた。
しばらく待っていると、オークリーがやって来て、疲れた表情をしていた。
「ウィンラー夫人が戻りまして、お願いがあって参りました」
「おそらく、同じ話だな。こちらにもオペリーク王国から、手紙が届けられた」
「まあ、そうでしたか」
使者が急いで届けたために、ウィンラーが戻る前に手紙は届いていた。
だが、ウィンラーに付けた書記官のこともあったために、こちらから考えた上で返事をすると使者は返した。
「ララス妃とウィンラー夫人の会話の詳細は、書記官が纏めて提出するでしょう。私はウィンラーから軽く聞きましたが、不愉快極まりなかったわ」
「諦めていなかったとはな……」
エディード国王陛下から、ララスが反省しておらず、まだ姪とスチュワート王太子殿下のことを諦めていなかったこと、ウィンラー・パークトを利用しようと考えていたことが書かれていた。
謝罪と、勝手を申し上げることは心苦しいが、再度調べたいこと、厳しい罰を考えているということから、どう判断するかを考えているところであった。
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