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不正5
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ジュージはララスから預かった手紙も読まないまま置いてあったが、あれも似たような物が書いてあったのではないかと思い始めていた。
厳しい罰になるのではないかと思うが、側妃は良くなっていないと聞いているために、さすがに王太子妃から外されることはないだろうと考えていた。
「それは本人の反省具合などから、考え中だ」
「さようでございますか」
「それで、もう一つ、パシム侯爵家の皆には訊ねたいことがある」
三人は「はい」と答え、エディードは先程と同じように、ララスの診断書を出した。
「これに見覚えはあるか?」
ジュージは名前を確認して、ララスの診断書なのかなと思うだけであった。
提出したオジェンはおそらく知っている物が出てきたと思っているはずで、クレアも確認をしながらオジェンを気にしている様子だった。
オジェンとクレアが何も言わないために、ジュージは答えることにした。
「私は初めて見ましたが、ララスの何か……診断書でしょうか」
ジュージはブライダルチェックの診断書を見たことがなく、身体のことが書いてあることは分かったが、それが何を意味しているのかまでは分からなかった。
「そうか、二人はどうだ?」
「は、はい。これは私が提出したララスの診断書です。コレドール殿下の婚約者候補になる際に、検査の日に足を捻挫して受けられず、受けさせたものです」
「そうか、夫人は?」
エディードがクレアを見ると、肩をピクっとさせた。
「はい、夫が申したように、婚約者候補の際に受けたララスの診断書でございます」
「パシム前侯爵が提出した物で間違いないか?」
「はい」
「前夫人も認めるか?」
「はい」
ララスから話を聞いていたら、オジェンもクレアも認めなかっただろう。これから覆すかもしれないが、ひとまず二人は認めた。
ジュージは見ることもなかったのか、両親の様子を見ていた。
「そうか、この診断書に不正が見付かった」
「っな!どういうことですか」
「この診断書は不正だと認められたということだ。それで、提出したオジェン・パシムに聞きたい。どういうことだ?」
「そんなはずはありません。不正などございません」
「このサインにあるシズート医師がすべて検査を行ったのか?」
「そうです、間違ないです」
エディードとセラリアは既にシズート医師が亡くなっていることは知っており、調べられても不正だとは証明できないと思っているのだろうと感じた。
「どこで行った?」
「邸です」
「シズート医師、一人に出向いてもらって検査をしたということだな?」
「そうです」
「夫人もそれで合っているか?」
「はい、合っております」
「大事な検査なのだから日付は調べれば、分かるか?」
オジュンはクレアを一瞬見たが、どう答えればいいかと頭を回転させたが、エディードは考える時間を与えることはない。
「まさか分からないのか?」
「いえ、調べれば分かります」
「だったら、間違いのないように日付を確認してから報告してくれ」
「承知いたしました」
「それがパシム前侯爵と前夫人の主張だとして、こちらは不正だと認められたのだが、どう考える?」
「本当に不正だったのですか?」
問い掛けたのは一体どういうことなのかと思いながら、様子を伺っていたジュージであった。
「ああ、ゆえに二人が話すことに困惑している」
「不正などございません、何かの間違いです」
オジェンは不正などないと訴え続けており、その部分だけはララスと一致はしていたが、すり替えられたとは言わず、これが本物だと言っている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
思ったよりもなかなか進まないので、
本日も1日2回、投稿させていただきます。
次はいつもの17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
厳しい罰になるのではないかと思うが、側妃は良くなっていないと聞いているために、さすがに王太子妃から外されることはないだろうと考えていた。
「それは本人の反省具合などから、考え中だ」
「さようでございますか」
「それで、もう一つ、パシム侯爵家の皆には訊ねたいことがある」
三人は「はい」と答え、エディードは先程と同じように、ララスの診断書を出した。
「これに見覚えはあるか?」
ジュージは名前を確認して、ララスの診断書なのかなと思うだけであった。
提出したオジェンはおそらく知っている物が出てきたと思っているはずで、クレアも確認をしながらオジェンを気にしている様子だった。
オジェンとクレアが何も言わないために、ジュージは答えることにした。
「私は初めて見ましたが、ララスの何か……診断書でしょうか」
ジュージはブライダルチェックの診断書を見たことがなく、身体のことが書いてあることは分かったが、それが何を意味しているのかまでは分からなかった。
「そうか、二人はどうだ?」
「は、はい。これは私が提出したララスの診断書です。コレドール殿下の婚約者候補になる際に、検査の日に足を捻挫して受けられず、受けさせたものです」
「そうか、夫人は?」
エディードがクレアを見ると、肩をピクっとさせた。
「はい、夫が申したように、婚約者候補の際に受けたララスの診断書でございます」
「パシム前侯爵が提出した物で間違いないか?」
「はい」
「前夫人も認めるか?」
「はい」
ララスから話を聞いていたら、オジェンもクレアも認めなかっただろう。これから覆すかもしれないが、ひとまず二人は認めた。
ジュージは見ることもなかったのか、両親の様子を見ていた。
「そうか、この診断書に不正が見付かった」
「っな!どういうことですか」
「この診断書は不正だと認められたということだ。それで、提出したオジェン・パシムに聞きたい。どういうことだ?」
「そんなはずはありません。不正などございません」
「このサインにあるシズート医師がすべて検査を行ったのか?」
「そうです、間違ないです」
エディードとセラリアは既にシズート医師が亡くなっていることは知っており、調べられても不正だとは証明できないと思っているのだろうと感じた。
「どこで行った?」
「邸です」
「シズート医師、一人に出向いてもらって検査をしたということだな?」
「そうです」
「夫人もそれで合っているか?」
「はい、合っております」
「大事な検査なのだから日付は調べれば、分かるか?」
オジュンはクレアを一瞬見たが、どう答えればいいかと頭を回転させたが、エディードは考える時間を与えることはない。
「まさか分からないのか?」
「いえ、調べれば分かります」
「だったら、間違いのないように日付を確認してから報告してくれ」
「承知いたしました」
「それがパシム前侯爵と前夫人の主張だとして、こちらは不正だと認められたのだが、どう考える?」
「本当に不正だったのですか?」
問い掛けたのは一体どういうことなのかと思いながら、様子を伺っていたジュージであった。
「ああ、ゆえに二人が話すことに困惑している」
「不正などございません、何かの間違いです」
オジェンは不正などないと訴え続けており、その部分だけはララスと一致はしていたが、すり替えられたとは言わず、これが本物だと言っている。
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思ったよりもなかなか進まないので、
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次はいつもの17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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