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糾弾4
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「では、ララス!そなたはパシム侯爵家の使用人のブライダルチェックの診断書をじっくり見たいと奪ったことがあるな?」
「知りません、そんなことをした覚えはありません」
「確認も取れている」
「そんなのその方が嘘を言っているのでしょう!失礼なメイドだわ」
ララスは腕を組んで、ふんと鼻を鳴らした。
「メイドとは言っていない」
「メ、メイドかと思ったのですわ」
「その使用人の診断書とララスの診断書が一致し、写した筆圧も確認している」
その言葉に息をのんだのは、ジュージだけであった。
「そんなの知りませんわ」
「配ってくれ」
エミリーと医師の名前を隠した状態の複製した診断書を、再び四人に配った。
「比べて見てくれ、全く同じだろう?」
皆、見比べていたが、ジュージだけが真剣に診断書を見比べていた。
「ララスがわざわざ奪ったのだろう?全く同じ筆跡などあり得ないことだ。ゆえにこの診断書は不正されたものだと判断する。このことは今後のことも考え、二度とこのようなことがないように公表する」
「お待ちください!そんなこと認められません」
「もう一方が偽物かもしれないではありませんか」
「それはない、こちらの診断書は内容も医師も確認が取れている」
名前の違う同じ診断内容の診断書が二枚。
エミリーの方は原本も複写も残っており、診断した医師からも確認が取れている。だが、ララスの方は医師のサインも一致せず、医師も申告した日には病院におり、そうでなくともそのような診断書を書いた形跡もない。
「それは……」
「その使用人が嘘を付いているのです」
「医師もか?」
「そうです!」
「嘘を付いて何になる?奪われた日も言った方がいいか?」
ララスやオジェンたちとは違い、こちらは証言も証拠もあり、小説から奪った日も判明していた。
「彼女は診断書を見せたくなかったのに、ララスがしつこかったと言っている」
「そんなの嘘です!陛下は私よりも使用人を信じるのですか?」
「他の使用人からもそのようなことがあったと証言を得ている」
エミリーがブライダルチェックの話をしたメイドたちも既に辞めている者もいたが、その話はよくある話ではなかったために覚えており、ララスから見せて欲しいと言われていたことも聞いていた。
「それも嘘です……皆、私を羨ましがって、陥れようとしているのです」
「そんなことをして何になる?何の得にもならないだろう」
「陥れるために……」
「はあ……呆れるしかないな」
反省をするということができないのは晩餐会のことで分かったが、今回についてもどうにかなると思っているのか、今さら認められないと
「陛下!ですが、このようなことを今さら公表して、どうなるというのです!ララスは王太子妃なのですよ?子どもはできませんでしたが、側妃は使えないのでしょう?いなくなった困るのは王家ではありませんか」
「不正をした疑いのある者を王太子妃にした罪は我々にもある」
「っな、そうではなく……」
オジェンは王太子妃であるララスの必要性を訴えたつもりだったが、エディードは完全に無視した。
「不正の戒めにしなければならないからな。認めもせず、反省もせず、謝罪もない。それがそなたたちの答えだな?」
ララスも、オジェンも、クレアも何を言えばいいのか分からず、黙り込んだ。
「セラリア、何かあるか?」
「いいえ、何も言うことはありません」
セラリアもエディードと同じ気持ちで呆れるしかなく、認めて謝罪をすれば違っただろうとしか思えなかった。
「コレドール、何かあるか?」
ずっと黙って様子を見ていたコレドールは、ララスに視線を向けた。
「ララス、不正までして王太子妃になりたかったのか?」
「私は不正など……本当にしていないのです。コレドール様なら分かるでしょう?」
「知りません、そんなことをした覚えはありません」
「確認も取れている」
「そんなのその方が嘘を言っているのでしょう!失礼なメイドだわ」
ララスは腕を組んで、ふんと鼻を鳴らした。
「メイドとは言っていない」
「メ、メイドかと思ったのですわ」
「その使用人の診断書とララスの診断書が一致し、写した筆圧も確認している」
その言葉に息をのんだのは、ジュージだけであった。
「そんなの知りませんわ」
「配ってくれ」
エミリーと医師の名前を隠した状態の複製した診断書を、再び四人に配った。
「比べて見てくれ、全く同じだろう?」
皆、見比べていたが、ジュージだけが真剣に診断書を見比べていた。
「ララスがわざわざ奪ったのだろう?全く同じ筆跡などあり得ないことだ。ゆえにこの診断書は不正されたものだと判断する。このことは今後のことも考え、二度とこのようなことがないように公表する」
「お待ちください!そんなこと認められません」
「もう一方が偽物かもしれないではありませんか」
「それはない、こちらの診断書は内容も医師も確認が取れている」
名前の違う同じ診断内容の診断書が二枚。
エミリーの方は原本も複写も残っており、診断した医師からも確認が取れている。だが、ララスの方は医師のサインも一致せず、医師も申告した日には病院におり、そうでなくともそのような診断書を書いた形跡もない。
「それは……」
「その使用人が嘘を付いているのです」
「医師もか?」
「そうです!」
「嘘を付いて何になる?奪われた日も言った方がいいか?」
ララスやオジェンたちとは違い、こちらは証言も証拠もあり、小説から奪った日も判明していた。
「彼女は診断書を見せたくなかったのに、ララスがしつこかったと言っている」
「そんなの嘘です!陛下は私よりも使用人を信じるのですか?」
「他の使用人からもそのようなことがあったと証言を得ている」
エミリーがブライダルチェックの話をしたメイドたちも既に辞めている者もいたが、その話はよくある話ではなかったために覚えており、ララスから見せて欲しいと言われていたことも聞いていた。
「それも嘘です……皆、私を羨ましがって、陥れようとしているのです」
「そんなことをして何になる?何の得にもならないだろう」
「陥れるために……」
「はあ……呆れるしかないな」
反省をするということができないのは晩餐会のことで分かったが、今回についてもどうにかなると思っているのか、今さら認められないと
「陛下!ですが、このようなことを今さら公表して、どうなるというのです!ララスは王太子妃なのですよ?子どもはできませんでしたが、側妃は使えないのでしょう?いなくなった困るのは王家ではありませんか」
「不正をした疑いのある者を王太子妃にした罪は我々にもある」
「っな、そうではなく……」
オジェンは王太子妃であるララスの必要性を訴えたつもりだったが、エディードは完全に無視した。
「不正の戒めにしなければならないからな。認めもせず、反省もせず、謝罪もない。それがそなたたちの答えだな?」
ララスも、オジェンも、クレアも何を言えばいいのか分からず、黙り込んだ。
「セラリア、何かあるか?」
「いいえ、何も言うことはありません」
セラリアもエディードと同じ気持ちで呆れるしかなく、認めて謝罪をすれば違っただろうとしか思えなかった。
「コレドール、何かあるか?」
ずっと黙って様子を見ていたコレドールは、ララスに視線を向けた。
「ララス、不正までして王太子妃になりたかったのか?」
「私は不正など……本当にしていないのです。コレドール様なら分かるでしょう?」
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