さよならの代わりは

野村にれ

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終焉3

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 診断書についてパシム侯爵家には発表すると伝えてはいたが、離縁となったために、診断書とは言わず書類を偽造したという内容に留めた。

 それでも王太子妃の不正は、国民にも貴族にも動揺が広がり、一体何なのかということにもなったが、個人のことであることだと伝え、金銭の着服や情報を洩らしたわけではないと説明をした。これが最後に認めた温情であった。

 アイラー・オイキス伯爵令嬢、サエリ・パジルア伯爵令嬢の事故については、さすがに証拠が見付からなかった。ただララスが二人の入院を利用したのは間違いないだろうが、罪とは言えない。

 ミリーシュ・フイジはどこにいるのかも家族も分からないようで、結局は関係は見付からなかった。

 そして、正妃については側妃が繰り上がることが多いが、熟考するとした。

 フェイリアにも事前に伝わり、驚くことはなかったが、うやむやにはしなかったことには両親も兄も見直すことになった。

「離縁か……」

 オフィルクにも伝えると、何やら考えている様子であった。

「ブルーベル様のこと?」
「ああ、どうなるのかと思ってね。フェイリアは嬉しいか?」
「嬉しいわけではないわ、でも最初から不正をしていたなんてね。そこまでは私も考えていなかったわ」

 少なからず母国が荒れることは、フェイリアにも本意ではない。

 ただララスとは気が合わないとは思っており、婚約者に決まってからは上から物を言うようになって、嫌いだと認めることになった。

「候補者同士だから見えるものもあるんだろうな」
「それは絶対にあるわね、些細なことでも人物像と齟齬があったのだと思うわ」

 フェイリアには言えない、しないこともウィンラーにはしていたのか、見ていた。そして、齟齬が気持ち悪いと感じていたのだろう。

「確かに王太子妃に固執はしていたのでしょうけど、子どもを産みたくなかったわけではないでしょうからね。子どもができなかったことを責めることはできないわ」
「これで子どもは生まれていたら、どうなっただろうな」
「複雑だけど、生まれていたら問題にはならなかったのも事実なのよね」

 診断書に不正があったとしても、何の問題もなく子どもが生まれていたら、ウィンラーの疑惑も違ったのかと思っていただろう。

 図らずしも自分の隠したかったことで、首を絞める結果となった。

「素直にありのままを提出すればよかったのよ、そうしたら子どもができなくても違ったわ」
「どこかで自信がなかったのかな?」
「そうなのかしらね。私は穿った見方をしてしまうから、自分に問題があることが許せなかったのかと思ってしまうわ」

 フェイリアはララスの良いところが見付けられないままであったために、自分を完璧だと思い、生理不順・無月経であることを提出したくなかった。

「でも男性ホルモンが多いのではないかというのは、納得してしまったわ」
「そのようなことがあるのだな」
「ええ、私も調べてみたら、当てはまるのよ」

 男性ホルモンが多いという診断が出ていると手紙には書かれており、フェイリアも調べてみると、ララスに通ずる項目が多かった。

「ララスって眉が太くて、肌荒れもよくしていたの。声も低めで、体はしっかりしていたわ。でも見た目はいいのよ、それよりも性格がお兄様にはそうは見えていなかったようだけど積極的で、負けず嫌いなんて明らかじゃない?」
「人として特に気になることではないが、そう言われるとそうなのかと思うな」
「きちんと調べて治療をすれば、違ったかもしれないのに」

 自分で自分の欠点に蓋をしたことで、治療を妨げてしまったのではないかと感じていた。ララスも優秀ならば、そのことに気付き、絶望していることだろう。

「リファスとレイピアにも話をしないといけないわね」
「そうだな」

 手紙にはリファスとレイピアにも詳しいことは戻ってから伝えるが、話しておいて欲しいとも書かれていた。

 丁度、両陛下と話をしていた二人に話をすることにした。


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本日もお読みいただきありがとうございます。

本日12時に、
新作「私は運命なのですか」を投稿しております。

よろしければ、よろしくお願いいたします。
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