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対策
「公務はどんな気持ちでやっていたのだ?」
「食事と同じです。渡された物を行うだけです」
「そうか」
失礼な話だが、公務を行えるなら考えることができると考えたこともあったが、自分の気持ちではないからかもしれない。
学んで来たことは無駄にはなっていないと言いたいが、きっとブルーベルに届くことはないだろう。
「もう戻らないのか……?」
「そうではないとしんじたいですが、現状は深く深く眠っています。リュメリー王国では少し回復していたのに、非常に残念です」
「そうなのか?」
「あの子は動物が好きなのです。小鳥を見せてもらって、嬉しくしていました」
モモリはブルーベルの頬が少し赤くなって、飛び跳ねたいくらいの気持ちだった。
「ありきたりですけど、小鳥になって飛んでいきたいとも思っていたのです」
「人でありたくないと……」
「はい……スルト殿下に『ブルーベルと共に生きていこうとは思わない』と言われたこともあります。辛い目に遭っている方は沢山いるでしょう。それでもずっとブルーベルを見てきましたから」
衣食住が用意されて、婚約も解消されても側妃として嫁ぎ、ここでもは困らない。こんなことでと言われれば、そうだろうがブルーベルには限界だった。
「理解はする。だが、これからのことも考えなくてはならない。どうするつもりだったんだ?」
「それを話していたところに殿下がいらしたのです」
「そうか、どうしたい?」
「理想としてはまともな王太子妃を娶っていただき、私はこれまで通りが理想ですけど、ララスを選んだ方たちでは心許ないですね」
「返す言葉がない……」
不正を犯していたララスを選んだのはコレドール自身で、両親も許可したような者しかいない。
「両親に話してもいいだろうか?」
彼女は目を反らし、リファスとレイピアも複雑そうな顔をした。モモリに至っては顔を伏せており、表情を読み取られたくないのだろうと感じた。
「何かあるなら言って欲しい」
「ブルーベルはお二人を信用していません。相談されるなら、フェイリア殿下ならと思います」
「両親も何か言っていたのか」
「はい……」
「そうか」
リファスとレイピアと前であるために詳しく聞くことはしないが、両親が何か良くないこと言っていたとしても驚くことではない。
「すぐにフェイリアに連絡をしてみる。あちらは心の病の医者も多いと聞いている。あちらでは診てもらったのか?」
「診ることはしませんでしたが、紹介してくださって、何かあったらとは言っていただきました」
コレドールは配慮されており、さすがだなと思った。
「シュエルダ国王陛下の御母上が心を壊されていたそうで、ブルーベルのことも気にしてくださっていたんだ。だからフェイリアもブルーベルを心配していた」
「そうでしたか。それで……大公閣下もご挨拶いただいたのです」
ブルーベルは反応することはなかったが、記憶の中にシュエルダの弟・エンジリークとあり、エルゲリータ王国を怒らせた大公閣下だと分かった。
「弟君か、もしかしたら大公閣下も気にされていたのかもしれないな。公務はどうだろうか?」
「私でも可能ではありますが、似てはおりますが筆跡は変わってしまうと思います」
「そうか……」
いくら同じ人間でも人格が変われば、文字も変わるのかと考えを巡らせた。
「似ているのなら、万年筆を変えたということにするか」
「父上!でしたら、私とレイピアでお母様の万年筆を選んで来ます」
リファスが声を上げ、レイピアも両手を組んで横で激しく頷いていた。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は1日2回、投稿させていただきます。
次はいつもの17時です。
よろしくお願いいたします。
「食事と同じです。渡された物を行うだけです」
「そうか」
失礼な話だが、公務を行えるなら考えることができると考えたこともあったが、自分の気持ちではないからかもしれない。
学んで来たことは無駄にはなっていないと言いたいが、きっとブルーベルに届くことはないだろう。
「もう戻らないのか……?」
「そうではないとしんじたいですが、現状は深く深く眠っています。リュメリー王国では少し回復していたのに、非常に残念です」
「そうなのか?」
「あの子は動物が好きなのです。小鳥を見せてもらって、嬉しくしていました」
モモリはブルーベルの頬が少し赤くなって、飛び跳ねたいくらいの気持ちだった。
「ありきたりですけど、小鳥になって飛んでいきたいとも思っていたのです」
「人でありたくないと……」
「はい……スルト殿下に『ブルーベルと共に生きていこうとは思わない』と言われたこともあります。辛い目に遭っている方は沢山いるでしょう。それでもずっとブルーベルを見てきましたから」
衣食住が用意されて、婚約も解消されても側妃として嫁ぎ、ここでもは困らない。こんなことでと言われれば、そうだろうがブルーベルには限界だった。
「理解はする。だが、これからのことも考えなくてはならない。どうするつもりだったんだ?」
「それを話していたところに殿下がいらしたのです」
「そうか、どうしたい?」
「理想としてはまともな王太子妃を娶っていただき、私はこれまで通りが理想ですけど、ララスを選んだ方たちでは心許ないですね」
「返す言葉がない……」
不正を犯していたララスを選んだのはコレドール自身で、両親も許可したような者しかいない。
「両親に話してもいいだろうか?」
彼女は目を反らし、リファスとレイピアも複雑そうな顔をした。モモリに至っては顔を伏せており、表情を読み取られたくないのだろうと感じた。
「何かあるなら言って欲しい」
「ブルーベルはお二人を信用していません。相談されるなら、フェイリア殿下ならと思います」
「両親も何か言っていたのか」
「はい……」
「そうか」
リファスとレイピアと前であるために詳しく聞くことはしないが、両親が何か良くないこと言っていたとしても驚くことではない。
「すぐにフェイリアに連絡をしてみる。あちらは心の病の医者も多いと聞いている。あちらでは診てもらったのか?」
「診ることはしませんでしたが、紹介してくださって、何かあったらとは言っていただきました」
コレドールは配慮されており、さすがだなと思った。
「シュエルダ国王陛下の御母上が心を壊されていたそうで、ブルーベルのことも気にしてくださっていたんだ。だからフェイリアもブルーベルを心配していた」
「そうでしたか。それで……大公閣下もご挨拶いただいたのです」
ブルーベルは反応することはなかったが、記憶の中にシュエルダの弟・エンジリークとあり、エルゲリータ王国を怒らせた大公閣下だと分かった。
「弟君か、もしかしたら大公閣下も気にされていたのかもしれないな。公務はどうだろうか?」
「私でも可能ではありますが、似てはおりますが筆跡は変わってしまうと思います」
「そうか……」
いくら同じ人間でも人格が変われば、文字も変わるのかと考えを巡らせた。
「似ているのなら、万年筆を変えたということにするか」
「父上!でしたら、私とレイピアでお母様の万年筆を選んで来ます」
リファスが声を上げ、レイピアも両手を組んで横で激しく頷いていた。
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本日は1日2回、投稿させていただきます。
次はいつもの17時です。
よろしくお願いいたします。
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