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エルゲリータ王国・王家1
エーストはブルーベルは頷くことしかできないとアーサー聞いていたために、今回の作戦が上手くいくと思っていたために怒りに満ちていた。
「ブルーベルは話ができた、しっかり話をしていた、どういうことだ」
エーストは怒鳴り付けはしなかったが、厳しい口調で二人に向かって告げた。
「……話をされたんですか?」
「そうだ」
「そんなはずは……」
アーサーとセイジーはどういうことかと二人は顔を向き合わせ、あのような様子のブルーベルとどうやって話をするのかと不思議でしかなかった。
だが、エーストが怒っていることから、事実を伝えなくてはならない。
「エズリラ侯爵家では、頷くことしかありませんでした。本当でございます」
「話などできませんでした」
エーストはアーサーに騙されたのではないかと思ったが、二人がそのような腹芸ができるとも思えず、する理由も分からなかった。
「おかしくなっていたのは演技をしていたのではないかと思ったくらいだ。あのようなブルーベルは初めて見た」
「ブルーベルがそのような器用なことができるはずがありません!」
セイジーはいくらブルーベルが変わってしまっても、演技ができるような人間ではないことだけは自信があった。
「こんな長い間……いや、我々だけを騙していたのか?いや、そんなはずはないか。コレドール殿下が言うには不安定になっているようで、話ができることもあるということだったが、私は会っていないからな」
「不安定……」
アーサーとセイジーは不安定という部分は、納得することであった。
「ミジュリーが会った時は視線も合わず、いくら問い掛けても答えはなかったと、ただ僅かに反応しただけだったそうだ……」
演技ではないと思ったのはマリージュも同じことを言っていたこともあるが、信頼するミジュリーから聞いていたからであった。
ミジュリーにも思うところはあるが、自分の妻のせいだと指摘されたことは二人には言いたくないために伝える気はない。
「ではエズリラ侯爵家では話せるような状態ではなかったということでしょうか」
「そういうことにはなるが、理解しているとは思っていなかった……アーサーが頷くだけだと言っていたのを信じたのだぞ?」
「申し訳ございません……」
何か不味いことがあったのかもしれないと謝罪をしたが、エズリラ侯爵家での事実を伝えただけで、話ができるが不安定だなんて聞いていない。
コレドールはエズリラ侯爵家で好意的には見えなかったが、意図的に隠していたとしても、今さらどうしようもない。
「アリーシャの縁談を頼むつもりだったが、難しくなった!そもそも、コレドール殿下が一緒に来るとは思わなかった……」
「それは私たちも聞いておりませんでしたから、驚きました」
アーサーはエーストにコレドールも同行していること、ブルーベルに様子を伝えただけであった。その他の計画についてはエズリラ侯爵家は何も知らない。
ゆえにアリーシャのことをコレドールからも尋ねられたが、何も聞かされておらず、同じ話ではないだろうと素直に思っていた。
だが、実際はやはりアリーシャのことだったのならばアーサーも伝えておかなくてはならないと考えた。
「コレドール殿下はアリーシャ王女殿下の縁談の口添えは断っているとおっしゃっておりました」
「それはミジュリーが頼んだ場合だ、私であれば変わるだろうと思っていたのだ」
エーストはアーサーにも話しているとは思わずに、顔が歪むのをグッと堪えた。
「さ、さようでございますか」
エーストも侍女や護衛は一緒に来るとは思っていたが、コレドールは忙しいはずだから来るはずがないと思っていた。
しかも縁談のことはエズリラ侯爵家は使えない判断して伝える気はなかったが、今はそんなことは言ってはいられない。
「ブルーベルは話ができた、しっかり話をしていた、どういうことだ」
エーストは怒鳴り付けはしなかったが、厳しい口調で二人に向かって告げた。
「……話をされたんですか?」
「そうだ」
「そんなはずは……」
アーサーとセイジーはどういうことかと二人は顔を向き合わせ、あのような様子のブルーベルとどうやって話をするのかと不思議でしかなかった。
だが、エーストが怒っていることから、事実を伝えなくてはならない。
「エズリラ侯爵家では、頷くことしかありませんでした。本当でございます」
「話などできませんでした」
エーストはアーサーに騙されたのではないかと思ったが、二人がそのような腹芸ができるとも思えず、する理由も分からなかった。
「おかしくなっていたのは演技をしていたのではないかと思ったくらいだ。あのようなブルーベルは初めて見た」
「ブルーベルがそのような器用なことができるはずがありません!」
セイジーはいくらブルーベルが変わってしまっても、演技ができるような人間ではないことだけは自信があった。
「こんな長い間……いや、我々だけを騙していたのか?いや、そんなはずはないか。コレドール殿下が言うには不安定になっているようで、話ができることもあるということだったが、私は会っていないからな」
「不安定……」
アーサーとセイジーは不安定という部分は、納得することであった。
「ミジュリーが会った時は視線も合わず、いくら問い掛けても答えはなかったと、ただ僅かに反応しただけだったそうだ……」
演技ではないと思ったのはマリージュも同じことを言っていたこともあるが、信頼するミジュリーから聞いていたからであった。
ミジュリーにも思うところはあるが、自分の妻のせいだと指摘されたことは二人には言いたくないために伝える気はない。
「ではエズリラ侯爵家では話せるような状態ではなかったということでしょうか」
「そういうことにはなるが、理解しているとは思っていなかった……アーサーが頷くだけだと言っていたのを信じたのだぞ?」
「申し訳ございません……」
何か不味いことがあったのかもしれないと謝罪をしたが、エズリラ侯爵家での事実を伝えただけで、話ができるが不安定だなんて聞いていない。
コレドールはエズリラ侯爵家で好意的には見えなかったが、意図的に隠していたとしても、今さらどうしようもない。
「アリーシャの縁談を頼むつもりだったが、難しくなった!そもそも、コレドール殿下が一緒に来るとは思わなかった……」
「それは私たちも聞いておりませんでしたから、驚きました」
アーサーはエーストにコレドールも同行していること、ブルーベルに様子を伝えただけであった。その他の計画についてはエズリラ侯爵家は何も知らない。
ゆえにアリーシャのことをコレドールからも尋ねられたが、何も聞かされておらず、同じ話ではないだろうと素直に思っていた。
だが、実際はやはりアリーシャのことだったのならばアーサーも伝えておかなくてはならないと考えた。
「コレドール殿下はアリーシャ王女殿下の縁談の口添えは断っているとおっしゃっておりました」
「それはミジュリーが頼んだ場合だ、私であれば変わるだろうと思っていたのだ」
エーストはアーサーにも話しているとは思わずに、顔が歪むのをグッと堪えた。
「さ、さようでございますか」
エーストも侍女や護衛は一緒に来るとは思っていたが、コレドールは忙しいはずだから来るはずがないと思っていた。
しかも縁談のことはエズリラ侯爵家は使えない判断して伝える気はなかったが、今はそんなことは言ってはいられない。
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