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エルゲリータ王国・王家2
「アリーシャの婚約にはブルーベル、オペリーク王国の口添えが必要なんだ」
「口添えが……」
「ああ、競争率の高い相手なんだよ。だが、アリーシャには相応しい相手とも言える。レイピア王女もチャンスを伺っているのかもしれない」
「では難しいのではありませんか」
自身の娘をと考えているのなら、口添えはできないと言っているのはアーサーにも理解ができる。それはブルーベルではなく、コレドールの意向、オペリーク王国のことならば、いくら王家でも口は出せないのではないか。
「アリーシャは望んでいるのだ。叶えてやりたいではないか」
「それはそうですが……」
「ブルーベルもマリージュのことは気にしているようだった。アリーシャではなく、マリージュの話だと伝えて、どうにかしてくれ」
マリージュからもブルーベルと何を話したのか聞いたが、アリーシャの婚約は難しいということを説明されたと言い、「私は希望しません」とまで言い出し、ようやく里帰りしたのに話にならないと聞く気が失せた。
「マリージュの……ですが、既に断られているのなら、アリーシャ王女殿下には別の素晴らしい相手も沢山いるのではありませんか?」
「一番いい相手と思うだろう?それは王家のためにも、エズリラ侯爵家も無関係ではないだろう?」
「コレドール殿下を機嫌を損ねれば、オペリーク王国との関係も悪くなる場合もあります……それは避けたほうがいいのではないでしょうか」
ブルーベルと話ができても、コレドールが黙っているはずがない。
「そうなれば、気は進まないがオペリーク王国に嫁がせることも考える」
「リファス殿下にですか?」
「ああ、いとこ同士だからな……本来は避けたい。だからこそ、オペリーク王国の口添えが必要なんだよ」
ここまで言うのならどこかの王族で、どうしても縁談を纏めたい気持ちはわかるが、他国に迷惑を掛けてまで結べるような縁談なのだろうか。
相手が誰なのか気になるが、聞いたら状況がさらに悪くなるのではないかと思い、アーサーは聞けなかった。
「アリーシャの推薦状にブルーベルのサインをもらって来て欲しい。家族からなら可能だろう?アリーシャの伯母でもあるのだから」
「レイピア王女殿下もということであれば、難しいのではないでしょうか」
「こちらが先に考えていたのだ、関係ない!」
アーサーもエーストの横暴には慣れていたが、サインはコレドールもいるのにできるはずがない。
「アーサー、サインをさせればいいんだ!」
「父上……オペリーク王国の意向でしたらコレドール殿下もいらっしゃる場で、ブルーベルには無理ではありませんか」
アーサーは筆頭侯爵家になりたいと強く思っているわけではなく、セイジーの願いに沿っているだけで、できないものを了承するのは違うだろうと思っていた。
「席を外してもらえばいいだろう」
「ですが、エズリラ侯爵家でも断られております」
「推薦状だと言えばいいだろう!」
セイジーは評価を上げたいのだろうが、アーサーは既に断っているというのに、推薦状を関係ないというのはおかしいだろうとしか思えなかった。
「私はブルーベルのサインをもらってきたという言葉しか聞く気はない。あと私の名前は出すな、いいな?」
「承知いたしました」
アーサーよりもセイジーが返事をしてしまい、どうにかするしかないと思い、ホテルを教えられて三人でやって来た。
結果は部屋から追い出されることになり、ブルーベルはともかく、コレドールとも険悪になった。
「だから、無理だと言ったのですよ……オペリーク王国にも睨まれて何がしたいんですか……」
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は1日2回、投稿いたします。
次はいつもの17時です。
よろしくお願いいたします。
「口添えが……」
「ああ、競争率の高い相手なんだよ。だが、アリーシャには相応しい相手とも言える。レイピア王女もチャンスを伺っているのかもしれない」
「では難しいのではありませんか」
自身の娘をと考えているのなら、口添えはできないと言っているのはアーサーにも理解ができる。それはブルーベルではなく、コレドールの意向、オペリーク王国のことならば、いくら王家でも口は出せないのではないか。
「アリーシャは望んでいるのだ。叶えてやりたいではないか」
「それはそうですが……」
「ブルーベルもマリージュのことは気にしているようだった。アリーシャではなく、マリージュの話だと伝えて、どうにかしてくれ」
マリージュからもブルーベルと何を話したのか聞いたが、アリーシャの婚約は難しいということを説明されたと言い、「私は希望しません」とまで言い出し、ようやく里帰りしたのに話にならないと聞く気が失せた。
「マリージュの……ですが、既に断られているのなら、アリーシャ王女殿下には別の素晴らしい相手も沢山いるのではありませんか?」
「一番いい相手と思うだろう?それは王家のためにも、エズリラ侯爵家も無関係ではないだろう?」
「コレドール殿下を機嫌を損ねれば、オペリーク王国との関係も悪くなる場合もあります……それは避けたほうがいいのではないでしょうか」
ブルーベルと話ができても、コレドールが黙っているはずがない。
「そうなれば、気は進まないがオペリーク王国に嫁がせることも考える」
「リファス殿下にですか?」
「ああ、いとこ同士だからな……本来は避けたい。だからこそ、オペリーク王国の口添えが必要なんだよ」
ここまで言うのならどこかの王族で、どうしても縁談を纏めたい気持ちはわかるが、他国に迷惑を掛けてまで結べるような縁談なのだろうか。
相手が誰なのか気になるが、聞いたら状況がさらに悪くなるのではないかと思い、アーサーは聞けなかった。
「アリーシャの推薦状にブルーベルのサインをもらって来て欲しい。家族からなら可能だろう?アリーシャの伯母でもあるのだから」
「レイピア王女殿下もということであれば、難しいのではないでしょうか」
「こちらが先に考えていたのだ、関係ない!」
アーサーもエーストの横暴には慣れていたが、サインはコレドールもいるのにできるはずがない。
「アーサー、サインをさせればいいんだ!」
「父上……オペリーク王国の意向でしたらコレドール殿下もいらっしゃる場で、ブルーベルには無理ではありませんか」
アーサーは筆頭侯爵家になりたいと強く思っているわけではなく、セイジーの願いに沿っているだけで、できないものを了承するのは違うだろうと思っていた。
「席を外してもらえばいいだろう」
「ですが、エズリラ侯爵家でも断られております」
「推薦状だと言えばいいだろう!」
セイジーは評価を上げたいのだろうが、アーサーは既に断っているというのに、推薦状を関係ないというのはおかしいだろうとしか思えなかった。
「私はブルーベルのサインをもらってきたという言葉しか聞く気はない。あと私の名前は出すな、いいな?」
「承知いたしました」
アーサーよりもセイジーが返事をしてしまい、どうにかするしかないと思い、ホテルを教えられて三人でやって来た。
結果は部屋から追い出されることになり、ブルーベルはともかく、コレドールとも険悪になった。
「だから、無理だと言ったのですよ……オペリーク王国にも睨まれて何がしたいんですか……」
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次はいつもの17時です。
よろしくお願いいたします。
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