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決定
「友人はどうだ?」
「友人ですか?ブルーベルの?」
ミジュリーはブルーベルよりも年上で、知り合ったのはエーストの婚約者、スルトの婚約者になってからであり、私的な交流は詳しくない。というよりブルーベルが一緒にいた女性と言えば、マリージュしか記憶になかった。
「そうだ。友人を使って、脅すしかない。どこかの貴族に嫁いでいるのではないか?それならばどうにでもなるだろう」
「そうですわね、でもブルーベルの交友関係は私は存じ上げません。スルト殿下に聞くことも今は難しいでしょう」
「あいつは駄目だろう」
エーストはスルトに裏切られたわけではないが、似たような気持ちになっていた。
「マリージュもこの状態だと、難しいですわよね。侍女に調べさせましょうか?」
「頼む」
ミジュリーが実家から連れて来た使用人もいるために、動かすことはできる。実家に頼むほうがいいが、今回のことをどちらにつくか分からないために、下手に伝えるのは危険かもしれない。
侍女にはブルーベルに謝罪をしたいから、どなたか友人を見付けて欲しいと頼むことにした。これでもしバレたとしても、伝手を探していたと言い訳ができる。
一方、キールスとリュエンザ、コレゼリト公爵、大臣たちは再度、エーストとミジュリーについて、協議が行われることになった。
エーストとミジュリーが考えを変えて、受け入れていたら、すぐではなくともスルトと同じように王領を任せるという案もあったが、それは認められない。
エーストとミジュリー、そしてジーラスとアリーシャも同様とすることになった。
そして、処遇が決まった――
「実質、幽閉だな」
「公務はさせられませんから、まずは大事な書物は運び出して、それ以外の図書室の整理をさせましょう。それに応じて、待遇を変えます」
リュエンザは公務に触れさせることはできないが、ただ幽閉では自暴自棄になるだろう。ならば何かを与えて、待遇を変えれば取り組むかもしれない。
それでも駄目ならば、その程度の待遇にすればいい。
「リュメリー王国のこともありますから、王族から抜け、予算はなしとするほうがいいでしょう。リュメリー王国の支払いは王家からに切り替え、エースト殿下の取り分で払うように手続きしましょう」
「ああ、すまないがそのように……」
エーストを王族から外しても、エーストの取り分を充て、リュメリー王国への航路の支払いはしなくてはならない。息子がこのようなことになり、申し訳ない気持ちにもなっており、思わず弱音が零れた。
「いいえ、表向きはエースト殿下が他国に対して問題を起こし、責任を取って王太子を降り、王族からも外れ、ミレック殿下を王太子にするとしますか」
「そうだな、ハッキリさせた方がいいが、詳細は不安にさせるだろうからそのくらいの発表でいいだろう。その前にモルゾフ王国とオペリーク王国への謝罪、そしてリュメリー王国への説明が先だな。納得してもらえなくとも、伝えなくてはならない」
「はい。国王夫妻が不在では良くないですから、私が参りましょう」
コレゼリト公爵は国王夫妻が不在後に発表を行うと余計に不安を煽ることになり、安全面も考慮しなくてはならないために謝罪に向かおうと考えていた。
リュメリー王国については、このようなことがあったと説明のみという形にするほうがいいだろう。
「オペリーク王国へはミレックをやろう」
「ミレック殿下を?」
「卑怯だとは思うが、ブルーベルと話をしているから、少しでも理解を得れるのではないだろうか」
モルゾフ王国は難しいことは理解しているために、せめてオペリーク王国とまで交流を切られることは避けたい。それならば、話をして悪い印象を持っていないミレックが適任だろう。
「そうですね、ではそのように」
「友人ですか?ブルーベルの?」
ミジュリーはブルーベルよりも年上で、知り合ったのはエーストの婚約者、スルトの婚約者になってからであり、私的な交流は詳しくない。というよりブルーベルが一緒にいた女性と言えば、マリージュしか記憶になかった。
「そうだ。友人を使って、脅すしかない。どこかの貴族に嫁いでいるのではないか?それならばどうにでもなるだろう」
「そうですわね、でもブルーベルの交友関係は私は存じ上げません。スルト殿下に聞くことも今は難しいでしょう」
「あいつは駄目だろう」
エーストはスルトに裏切られたわけではないが、似たような気持ちになっていた。
「マリージュもこの状態だと、難しいですわよね。侍女に調べさせましょうか?」
「頼む」
ミジュリーが実家から連れて来た使用人もいるために、動かすことはできる。実家に頼むほうがいいが、今回のことをどちらにつくか分からないために、下手に伝えるのは危険かもしれない。
侍女にはブルーベルに謝罪をしたいから、どなたか友人を見付けて欲しいと頼むことにした。これでもしバレたとしても、伝手を探していたと言い訳ができる。
一方、キールスとリュエンザ、コレゼリト公爵、大臣たちは再度、エーストとミジュリーについて、協議が行われることになった。
エーストとミジュリーが考えを変えて、受け入れていたら、すぐではなくともスルトと同じように王領を任せるという案もあったが、それは認められない。
エーストとミジュリー、そしてジーラスとアリーシャも同様とすることになった。
そして、処遇が決まった――
「実質、幽閉だな」
「公務はさせられませんから、まずは大事な書物は運び出して、それ以外の図書室の整理をさせましょう。それに応じて、待遇を変えます」
リュエンザは公務に触れさせることはできないが、ただ幽閉では自暴自棄になるだろう。ならば何かを与えて、待遇を変えれば取り組むかもしれない。
それでも駄目ならば、その程度の待遇にすればいい。
「リュメリー王国のこともありますから、王族から抜け、予算はなしとするほうがいいでしょう。リュメリー王国の支払いは王家からに切り替え、エースト殿下の取り分で払うように手続きしましょう」
「ああ、すまないがそのように……」
エーストを王族から外しても、エーストの取り分を充て、リュメリー王国への航路の支払いはしなくてはならない。息子がこのようなことになり、申し訳ない気持ちにもなっており、思わず弱音が零れた。
「いいえ、表向きはエースト殿下が他国に対して問題を起こし、責任を取って王太子を降り、王族からも外れ、ミレック殿下を王太子にするとしますか」
「そうだな、ハッキリさせた方がいいが、詳細は不安にさせるだろうからそのくらいの発表でいいだろう。その前にモルゾフ王国とオペリーク王国への謝罪、そしてリュメリー王国への説明が先だな。納得してもらえなくとも、伝えなくてはならない」
「はい。国王夫妻が不在では良くないですから、私が参りましょう」
コレゼリト公爵は国王夫妻が不在後に発表を行うと余計に不安を煽ることになり、安全面も考慮しなくてはならないために謝罪に向かおうと考えていた。
リュメリー王国については、このようなことがあったと説明のみという形にするほうがいいだろう。
「オペリーク王国へはミレックをやろう」
「ミレック殿下を?」
「卑怯だとは思うが、ブルーベルと話をしているから、少しでも理解を得れるのではないだろうか」
モルゾフ王国は難しいことは理解しているために、せめてオペリーク王国とまで交流を切られることは避けたい。それならば、話をして悪い印象を持っていないミレックが適任だろう。
「そうですね、ではそのように」
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