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妥協
離縁の理由は公爵家側は性格の不一致としているが、ミアローズは最後まで認めなかったが、不貞を夫であるリカスに問われたからである。
「君が不貞を認めないのは勝手だが、侍女も付けず、何時間も二人きりであったこと、私は不貞をしていたと思っているが、不貞をしていたと見なされる行動をしたとして、離縁してもらう」
不貞を疑った相手は、まさにノワンナ語の講師。偽物というわけではなかったのだが、ミアローズと不貞を犯すのだから、まともとは言えない。しかも、その講師でも教えられるのだから、自身も出来ると思い込み、通訳もノワンナ語は大丈夫だと言い、公爵もそれを信じて雇わなかった。
だが実際は勉強もせず、認めなかった不貞を楽しんでいた。いくつかは情事をしながら、教えられたが、卑猥な言葉ばかり。だが、ミアローズは憶えられない。ある意味、忘れていて良かったのかもしれない。
そして、なぜか憶えて忘れても、一度憶えたから身に付いていると思い込むことは出来る。実に都合のいい記憶をしている。
ミアローズは離縁には抵抗したが、ならば常時監視させてもらうと言われて、ミアローズは父親である公爵に泣き付いた。
公爵が間に入るも、リカスは一切考えを変えることはなく、離縁は了承するが、不貞の疑いは他言無用にして欲しいと、マーラ侯爵も証拠はなかったため、ミアローズのことは話したくもないので、丁度良かった。
「あんな美人と、どうして離縁したんだ?」
「理由は話せないことになっているんだ」
そう伝えれば、誰もが探りたい気持ちを抑えながら、引いてくれる。
リカスはミアローズに言い寄っていたような男性ではなく、見初めたわけでもなかった。熱烈に求婚したというのもミアローズの嘘である。
リカスは騎士団に所属し、マーラ侯爵家は弟が継ぐはずだったが、弟の妻の兄である嫡男が急死して、弟が婿入りすることになり、急遽に継ぐことになったのだ。
恋人もおらず、あまり年若い子はと勧められたのがミアローズだった。高位貴族なのに、二十二歳で初婚。何か問題があるのではないかと思ったが、調査をしても特に問題は出ず、気位は高そうではあったが、気が利く性格ではないので、べったりされるよりかはいいかと思うことにした。
ミアローズもリカスの見た目を気に入り、二十二歳という年齢から、さすがに結婚しなくてはいけないと焦っていたので、お互いに不都合なく映った。
結婚してからもミアローズは、特に強請ることもなく過ごしていたが、色事は夫だけは我慢できなかった。しかし、侍女にお風呂に入れて貰うとミアローズには見えぬところに、情事の跡が残っており、公爵邸では見て見ぬふりされていたが、侯爵邸では報告されることになる。
リカスも不貞は許容できることではなく、調査を行うと、跡があるのは語学の勉強の日だと分かるが、行われていた場所が、公爵家所有の邸で、聞き取りを行っても証言は得られなかった。
ミアローズは叶わない秘密の恋人がいたことがあると、結婚前に打ち明けていた。リカスも恋人がいたこともあり、あまり気にしていなかったが、それもおそらく嘘だったのだろう。
ミアローズは表向きは美しいが、傲慢さが目立つようになった、実は嫌がらせを受けたという者も、離縁後にちらほらと聞くようになった。そして、話したこともない同級生から、夫と共に声を掛けられた。
「何気ない顔で聞いてください」
「えっ」
「是非、妻の話を聞いてあげてください」
「はい」
「公爵家所有の邸で、ミアローズ様が不貞をしていたのは間違いないです。妹が勤めていたのですが、あの邸で行われたことは、漏らさない契約をしているので、証言も出来ないそうなんです。前に漏らした者がいて、酷い目に遭ったそうで」
「やはりそうでしたか、事実が聞けて良かったです」
「そう思われるのではないかと、声を掛けさせていただきました」
「ありがとうございます、痞えが取れたように思います」
「はい、私もです」
そして誕生祭のミアローズの様子を見て、リカスは心から離縁して良かったと思うことが出来た。
「君が不貞を認めないのは勝手だが、侍女も付けず、何時間も二人きりであったこと、私は不貞をしていたと思っているが、不貞をしていたと見なされる行動をしたとして、離縁してもらう」
不貞を疑った相手は、まさにノワンナ語の講師。偽物というわけではなかったのだが、ミアローズと不貞を犯すのだから、まともとは言えない。しかも、その講師でも教えられるのだから、自身も出来ると思い込み、通訳もノワンナ語は大丈夫だと言い、公爵もそれを信じて雇わなかった。
だが実際は勉強もせず、認めなかった不貞を楽しんでいた。いくつかは情事をしながら、教えられたが、卑猥な言葉ばかり。だが、ミアローズは憶えられない。ある意味、忘れていて良かったのかもしれない。
そして、なぜか憶えて忘れても、一度憶えたから身に付いていると思い込むことは出来る。実に都合のいい記憶をしている。
ミアローズは離縁には抵抗したが、ならば常時監視させてもらうと言われて、ミアローズは父親である公爵に泣き付いた。
公爵が間に入るも、リカスは一切考えを変えることはなく、離縁は了承するが、不貞の疑いは他言無用にして欲しいと、マーラ侯爵も証拠はなかったため、ミアローズのことは話したくもないので、丁度良かった。
「あんな美人と、どうして離縁したんだ?」
「理由は話せないことになっているんだ」
そう伝えれば、誰もが探りたい気持ちを抑えながら、引いてくれる。
リカスはミアローズに言い寄っていたような男性ではなく、見初めたわけでもなかった。熱烈に求婚したというのもミアローズの嘘である。
リカスは騎士団に所属し、マーラ侯爵家は弟が継ぐはずだったが、弟の妻の兄である嫡男が急死して、弟が婿入りすることになり、急遽に継ぐことになったのだ。
恋人もおらず、あまり年若い子はと勧められたのがミアローズだった。高位貴族なのに、二十二歳で初婚。何か問題があるのではないかと思ったが、調査をしても特に問題は出ず、気位は高そうではあったが、気が利く性格ではないので、べったりされるよりかはいいかと思うことにした。
ミアローズもリカスの見た目を気に入り、二十二歳という年齢から、さすがに結婚しなくてはいけないと焦っていたので、お互いに不都合なく映った。
結婚してからもミアローズは、特に強請ることもなく過ごしていたが、色事は夫だけは我慢できなかった。しかし、侍女にお風呂に入れて貰うとミアローズには見えぬところに、情事の跡が残っており、公爵邸では見て見ぬふりされていたが、侯爵邸では報告されることになる。
リカスも不貞は許容できることではなく、調査を行うと、跡があるのは語学の勉強の日だと分かるが、行われていた場所が、公爵家所有の邸で、聞き取りを行っても証言は得られなかった。
ミアローズは叶わない秘密の恋人がいたことがあると、結婚前に打ち明けていた。リカスも恋人がいたこともあり、あまり気にしていなかったが、それもおそらく嘘だったのだろう。
ミアローズは表向きは美しいが、傲慢さが目立つようになった、実は嫌がらせを受けたという者も、離縁後にちらほらと聞くようになった。そして、話したこともない同級生から、夫と共に声を掛けられた。
「何気ない顔で聞いてください」
「えっ」
「是非、妻の話を聞いてあげてください」
「はい」
「公爵家所有の邸で、ミアローズ様が不貞をしていたのは間違いないです。妹が勤めていたのですが、あの邸で行われたことは、漏らさない契約をしているので、証言も出来ないそうなんです。前に漏らした者がいて、酷い目に遭ったそうで」
「やはりそうでしたか、事実が聞けて良かったです」
「そう思われるのではないかと、声を掛けさせていただきました」
「ありがとうございます、痞えが取れたように思います」
「はい、私もです」
そして誕生祭のミアローズの様子を見て、リカスは心から離縁して良かったと思うことが出来た。
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