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不快2
カリー・カイサックは、見た目通りというべきか、閨の教育担当のグリズナー夫人と色狂いのミアローズを足して割ったような発言だ。しかも何度も情事を行ったような言い方で、回数の問題ではないのは理解しているが、嘘ばかりである。
『殿下はとても情熱的なのよ。私もこんなに求められるのは初めてよ』
『何度もおねだりされてしまうの。私の美しさの虜なのよ』
『カリーとサリー、ベットで間違えて呼んだらごめんなさいね』
『王太子妃の項目に、身体の相性という項目も入れた方がよろしいのではないかしら。そうしたら、間違いなく私が選ばれてしまうわね、どうしましょう』
『私のような美しくて華やかな者の方が、上に立つにはいいのではないかしら』
「男爵令嬢がなぜここまで言えるのだ?カリー・カイサック、いや、カリー・ロイルは、王族への不敬な発言にて、王家の招待から外すように準備してくれ」
「承知しました」
カリーはサリーが王太子妃になっても発言を続けており、王族への不敬という対象となる。敬意を払う気がない者を呼ぶ必要はない。
ミサモエス・ラーダは、ラーダ侯爵家の嫡男に嫁いだが、一年で事故で夫が亡くなった、未亡人だった。結婚するまでお寂しいのではないか、私も寂しいのと言われて、私も乗ってしまったのだ。
五つも年上だったのに、結局どれだけ相性が良く、自分が本来なら相応しいと同じような発言をしている。
『殿下は私が責任を持ってお慰めしておりますから、ご心配なさらないで。もし何かお困りでしたら、いつでも相談してくださいね。殿下のお好きなところとか、私にしか叶えられないものもあるけれど』
『私が結婚せずに、運命の相手を待ち続けていれば良かったのよね。私が横に立つ未来はすぐ側にあったのに』
『私が正妃になれるようにしなさい!居座り続けるなんて、なんて図々しいの!』
『私こそが殿下の運命の相手なのよ!私の席を奪った泥棒め!』
「頭がおかしいのか?確か、ジースト伯爵の後妻に入ったんだったな」
「はい、息子も産んでおります」
「ミサモエス・ジーストも王族への不敬な発言にて招待から外す準備を」
「承知しました」
ミサモエスもサリーが王太子妃になっても、発言を続けている。
エマ・ネイリーだけは既に聞かされていた発言のみで、勘違いは酷かったが、サリーを蔑むような発言はしていない。
そして、結婚後に何度か呼んだ高級娼婦は名前も知らなかった。リンダ・コンドラー、ナリア・フミル。この二人は没落した貴族令嬢だったようで、相応しいという発言は流石にしていないが、殿下が離してくれないから、いずれ愛妾になると挨拶に来たと、わざわざサリーに嫌味を言っている。
「娼婦も言っていたとは…仕事だろう。名も知らぬ者に、愛妾などと一度も言ったことはない。商売だろう?」
「情報漏洩と虚偽の発言にて、苦情を入れます」
妻に夫の情事を伝えに行くような娼婦は要らない。二人は解雇となるだろう、高級娼婦は毎日客を取らなくとも、十分な稼ぎがある。だが、解雇されれば、高級娼婦としては二度と扱っては貰えない。
婚約者がいたのはルアンナ・アズラーのみだった、だから殿下も拒否したが、真面目なルアンナが何度も願って来る様に、最後までしなければいいというあまりに不誠実な行動を取ってしまった。
アズラー家の話し合いの結果によって、ルイソード・クリジアンにも謝罪、慰謝料を支払わなければならない。
「本来なら私に罰する資格はないのだ。ミアローズ、エマ・ネイリー以外は私が関係を持ったせいで、サリーを傷付けた」
「殿下…」
「私がサリーだったらとずっと考えていた。婚約を解消したいと訴えるさ、だが誰もが認めなかった。離縁だって、きっと最期の賭けのようなものだった。本来なら離縁すべきなのだろうな、それが責任だ。でも出来ない、国として出来ないとサリーは思っているのだろうけどな」
「私は妃殿下に密偵がいたことに驚きました」
「そこに追及する気はない。むしろ見張っていてくれた方がいい。悪いのはすべて私なのだから。明後日、両陛下に時間を取って貰うことが出来た、話を付けて来る」
「はい、仰せのままに」
『殿下はとても情熱的なのよ。私もこんなに求められるのは初めてよ』
『何度もおねだりされてしまうの。私の美しさの虜なのよ』
『カリーとサリー、ベットで間違えて呼んだらごめんなさいね』
『王太子妃の項目に、身体の相性という項目も入れた方がよろしいのではないかしら。そうしたら、間違いなく私が選ばれてしまうわね、どうしましょう』
『私のような美しくて華やかな者の方が、上に立つにはいいのではないかしら』
「男爵令嬢がなぜここまで言えるのだ?カリー・カイサック、いや、カリー・ロイルは、王族への不敬な発言にて、王家の招待から外すように準備してくれ」
「承知しました」
カリーはサリーが王太子妃になっても発言を続けており、王族への不敬という対象となる。敬意を払う気がない者を呼ぶ必要はない。
ミサモエス・ラーダは、ラーダ侯爵家の嫡男に嫁いだが、一年で事故で夫が亡くなった、未亡人だった。結婚するまでお寂しいのではないか、私も寂しいのと言われて、私も乗ってしまったのだ。
五つも年上だったのに、結局どれだけ相性が良く、自分が本来なら相応しいと同じような発言をしている。
『殿下は私が責任を持ってお慰めしておりますから、ご心配なさらないで。もし何かお困りでしたら、いつでも相談してくださいね。殿下のお好きなところとか、私にしか叶えられないものもあるけれど』
『私が結婚せずに、運命の相手を待ち続けていれば良かったのよね。私が横に立つ未来はすぐ側にあったのに』
『私が正妃になれるようにしなさい!居座り続けるなんて、なんて図々しいの!』
『私こそが殿下の運命の相手なのよ!私の席を奪った泥棒め!』
「頭がおかしいのか?確か、ジースト伯爵の後妻に入ったんだったな」
「はい、息子も産んでおります」
「ミサモエス・ジーストも王族への不敬な発言にて招待から外す準備を」
「承知しました」
ミサモエスもサリーが王太子妃になっても、発言を続けている。
エマ・ネイリーだけは既に聞かされていた発言のみで、勘違いは酷かったが、サリーを蔑むような発言はしていない。
そして、結婚後に何度か呼んだ高級娼婦は名前も知らなかった。リンダ・コンドラー、ナリア・フミル。この二人は没落した貴族令嬢だったようで、相応しいという発言は流石にしていないが、殿下が離してくれないから、いずれ愛妾になると挨拶に来たと、わざわざサリーに嫌味を言っている。
「娼婦も言っていたとは…仕事だろう。名も知らぬ者に、愛妾などと一度も言ったことはない。商売だろう?」
「情報漏洩と虚偽の発言にて、苦情を入れます」
妻に夫の情事を伝えに行くような娼婦は要らない。二人は解雇となるだろう、高級娼婦は毎日客を取らなくとも、十分な稼ぎがある。だが、解雇されれば、高級娼婦としては二度と扱っては貰えない。
婚約者がいたのはルアンナ・アズラーのみだった、だから殿下も拒否したが、真面目なルアンナが何度も願って来る様に、最後までしなければいいというあまりに不誠実な行動を取ってしまった。
アズラー家の話し合いの結果によって、ルイソード・クリジアンにも謝罪、慰謝料を支払わなければならない。
「本来なら私に罰する資格はないのだ。ミアローズ、エマ・ネイリー以外は私が関係を持ったせいで、サリーを傷付けた」
「殿下…」
「私がサリーだったらとずっと考えていた。婚約を解消したいと訴えるさ、だが誰もが認めなかった。離縁だって、きっと最期の賭けのようなものだった。本来なら離縁すべきなのだろうな、それが責任だ。でも出来ない、国として出来ないとサリーは思っているのだろうけどな」
「私は妃殿下に密偵がいたことに驚きました」
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「はい、仰せのままに」
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