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後悔4
「でもお兄さんとは仲が良いんだろう」
「ええ、兄のためなら、今は兄の家族のためなら命も差し出します」
「そ、それは、ミーラが悲しむ」
「あの子は、私に何か期待してくれるのでしょうか。私と比べられて、過剰な期待をされるかもしれない。私は大事に思っていますが、恨むこともあるかもしれない、そんな存在になるのではないでしょうか」
サリーの息子というのは、サリーが築き上げた一方で、今では枷と誇りを背負うようなものになっているだろう。『サリーは出来たのに』『サリーの息子なのに』という言葉を言われ続けることになる。
「そんなことはない、あの子はサリーが大好きだ」
「私には分かりません。ですから、殿下は良き親になって、これからもしっかり支えてやってください」
「そんな、別れの挨拶のようなことを言わないでくれ。許して欲しいなどと言う資格もないのは分かっている。サリーが不満のない生活を送れるように努力する」
あれから殿下は私を優先して決めてくれるようになった。我儘など言ったこともなかったのに、『我儘を言うな』と言われていた頃が懐かしいくらいである。
「あなたは勝手に決められた婚約者に不満だったのでしょう。そして、変えることが出来ないことも分かっていた」
「違う!そのようなことはない」
「私も利用したような気持ちを持っておりました。だからあなたを尊重したところもあります。あなたの一ついいところは、私が記憶力がいいことに敵意を向けることはなかったこと」
自身も語学を覚えるのは大変だっただろう。でも私に一度もサリーは記憶力が良くて、いいなということは、言ったことがなかった。
「当たり前じゃないか!」
「ですが、持って生まれたようなものですから、皆、敵意を向けるのです。たまたま記憶力がいいだけ。百人以上の方に言われました。だから、それ以上の成果を出そうと、両親の言うことも聞いて、何よりも知識を詰め込んだのです」
「サリーは頑張っている」
「だけど、あの正義で私は絶望したのです」
「―――っ!」
「殿下の女性関係は、王妃様にも母にもティファナ先生にも、咎めてはいけないと言われました。おかしいと思いましたよ、さすがに。でも殿下は私への態度は変わらなかったから、婚約していたんです。でもエマ・ネイリーの時だけは違った、蔑ろにされ、嫌悪され、正義のためだと嘘を付いて、キスまでしたのに、また嘘を付く。あんなにおかしな人だとは思いませんでしたけど」
長身で男装が似合い、優秀で慎ましい性格だと聞いていたが、ドレスが似合わず、浅学で厚かましい性格だとは思わなかった。
「私は人間ですから、完璧ではありません。私たちは婚約を解消すべきでした」
初めてサリーの口から聞く、胸にしまっていた想い。だが、殿下には好転させる言葉が一つも見付からなかった。
「本当に悪かった、酷いことをした…」
「記憶力のいい私でも、今では思い出すこともなくなりましたが、あなたを慕っていたのです。でも、殿下は違った」
誰かの言った言葉、そこにあるものと違って、自身の気持ちはしっかりは記憶することは出来ない。あの時、あんなことを思っていた、そのような記憶はどんどん薄れて、今では思い出すこともなくなっていた。
「それは、違う!私だって、サリーを愛、」
「止めて!あなたがその言葉は使うのは、二度と聞きたくもない!」
鋭く強い、悲鳴のような拒絶のある言い方であった。
「すまない…」
「あなたは間違ったというけれど、きっとあなたには間違いではないのでしょう。でも、その言葉を私に向かって、便利に使うのは止めてください」
サリーのこの言葉は殿下を生涯に渡って、縛り付ける言葉となった。
嫌いだと言われるのと、どちらが辛かっただろうか。サリーが嫌いでも、私は愛していると言える、嫌いだと言われる方が良かったかもしれない。
殿下は愛しているの代わりにサリーにありがとうと、感謝を伝えるようになった。いつか私が先に逝く時に、『ありがとうは全て、愛しているだったんだ』そう告げたい、最期ならサリーも許してくれるのではないかと思っていた。
「ええ、兄のためなら、今は兄の家族のためなら命も差し出します」
「そ、それは、ミーラが悲しむ」
「あの子は、私に何か期待してくれるのでしょうか。私と比べられて、過剰な期待をされるかもしれない。私は大事に思っていますが、恨むこともあるかもしれない、そんな存在になるのではないでしょうか」
サリーの息子というのは、サリーが築き上げた一方で、今では枷と誇りを背負うようなものになっているだろう。『サリーは出来たのに』『サリーの息子なのに』という言葉を言われ続けることになる。
「そんなことはない、あの子はサリーが大好きだ」
「私には分かりません。ですから、殿下は良き親になって、これからもしっかり支えてやってください」
「そんな、別れの挨拶のようなことを言わないでくれ。許して欲しいなどと言う資格もないのは分かっている。サリーが不満のない生活を送れるように努力する」
あれから殿下は私を優先して決めてくれるようになった。我儘など言ったこともなかったのに、『我儘を言うな』と言われていた頃が懐かしいくらいである。
「あなたは勝手に決められた婚約者に不満だったのでしょう。そして、変えることが出来ないことも分かっていた」
「違う!そのようなことはない」
「私も利用したような気持ちを持っておりました。だからあなたを尊重したところもあります。あなたの一ついいところは、私が記憶力がいいことに敵意を向けることはなかったこと」
自身も語学を覚えるのは大変だっただろう。でも私に一度もサリーは記憶力が良くて、いいなということは、言ったことがなかった。
「当たり前じゃないか!」
「ですが、持って生まれたようなものですから、皆、敵意を向けるのです。たまたま記憶力がいいだけ。百人以上の方に言われました。だから、それ以上の成果を出そうと、両親の言うことも聞いて、何よりも知識を詰め込んだのです」
「サリーは頑張っている」
「だけど、あの正義で私は絶望したのです」
「―――っ!」
「殿下の女性関係は、王妃様にも母にもティファナ先生にも、咎めてはいけないと言われました。おかしいと思いましたよ、さすがに。でも殿下は私への態度は変わらなかったから、婚約していたんです。でもエマ・ネイリーの時だけは違った、蔑ろにされ、嫌悪され、正義のためだと嘘を付いて、キスまでしたのに、また嘘を付く。あんなにおかしな人だとは思いませんでしたけど」
長身で男装が似合い、優秀で慎ましい性格だと聞いていたが、ドレスが似合わず、浅学で厚かましい性格だとは思わなかった。
「私は人間ですから、完璧ではありません。私たちは婚約を解消すべきでした」
初めてサリーの口から聞く、胸にしまっていた想い。だが、殿下には好転させる言葉が一つも見付からなかった。
「本当に悪かった、酷いことをした…」
「記憶力のいい私でも、今では思い出すこともなくなりましたが、あなたを慕っていたのです。でも、殿下は違った」
誰かの言った言葉、そこにあるものと違って、自身の気持ちはしっかりは記憶することは出来ない。あの時、あんなことを思っていた、そのような記憶はどんどん薄れて、今では思い出すこともなくなっていた。
「それは、違う!私だって、サリーを愛、」
「止めて!あなたがその言葉は使うのは、二度と聞きたくもない!」
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「すまない…」
「あなたは間違ったというけれど、きっとあなたには間違いではないのでしょう。でも、その言葉を私に向かって、便利に使うのは止めてください」
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