103 / 203
番外編1
カリー・カイサック6
愛人にならないかと誘う貴族もいたが、いい暮らしは期待出来そうだが、自身が愛人になる姿が想像できないことから、会いに行く気になれなかった。
そして、あの通達もどこまでが知っているのか、男爵令嬢ではなくなった今、どんな状況になるのかが分からなかったからでもある。
だが、ここにいても仕方ないと、別の商人に会いに行くことにした。コーエンは同じ男爵家ではあったが、三男で継ぐ家もないため、商人になった男であった。金輪際、他の男と関係を持たず、家で大人しく出来るのなら、結婚を考えてもいいと言ってくれたほど、私を気に入ってくれていた。
ただ結婚をしている可能性はある、嫡男と違って、結婚までが早いのだ。
商家に着くとすぐに彼の顔があり、手を挙げようとすると、コーエンの方から気付いてこちらに向かって来た。
「どちらに行かれたいのですか?それはですね、こちらを」
「何?何を言っているの?」
「黙ってこのまま、ついて来い」
「え?」
裏手の人気のないところに連れて行かれて、どうしたのか、やっぱり結婚していて、不味かったかなと思った。
「ごめんなさい、結婚したの?」
「は?」
「急に訪ねたけど、結婚していたら悪いなって思っていたの」
「君は自身の立場が分かっていないのか?」
「離縁のこと?」
「今までカックス・チセのところにいたんじゃないのか?」
「え?どうして?」
誰にも言っていない、屋敷からもほとんど出ていないのに、二人は知り合いではあるが、親しくはないと言っていた、カックスが自慢気に話したのだろうか。
「今、カックスの家は危ない」
「え?そんな、何も言ってなかったわ、言ってくれたら」
「彼は言わなかったのか。てっきり話しているのかと思った。逆恨みして、あることないこと言われる方が困ると思ったのかもしれないな」
「何よそれ」
ちょっとここで待っていろと言われ、コーエンは走っていったが、休憩にして貰ったと戻って来た。休憩室のような小部屋に案内された。
「少し前に、ある伯爵家の親族の行っている商家が得意先から外された。急にだった、理由は信用ならないからというものだった」
「伯爵家?私は伯爵家なんて、関わりがないわ」
「相手は公爵家だ、王妃陛下の生家。こうなれば、他も追随していく。潰れはしないかもしれないが、今までのような商売も暮らしも出来なくなる」
「どうして私にそんな話をするの?」
なぜ、私にそんな知らない商家や伯爵家の話をするのかが分からない。
「カックスのところも同じだよ。また理由は信用ならないからと、現在進行形で別の貴族の得意先から外されそうになっているんだ。前と似ているとなるだろう」
「それが私のせいだというの?」
「君を囲っていたのを掴んでいるのだろう。信用ならない者を囲っているような商家と言われたそうだ。一体何をしたんだ?不味い相手と関係を持ったのか?」
コーエンは危険でしかないカリーを相手にする気はなかったが、何をしたのかは知っておきたかった。だからわざわざ話をしているのだ。
「そんなことしてないわ。カックスのところだって、二ヶ月居ただけよ、どうして」
「取引が減ったのは二ヶ月前くらいからだそうだ。二ヶ月もあれば、物事は動くさ。本当に心当たりがないのか?」
「恨むなら実家じゃないの?」
「実家とは縁を切られているんじゃないか?」
「…それは」
「前に慰謝料を払って貰ったと言っていたな、今回もじゃないのか?」
「それはそうだけど」
もはや男爵令嬢ですらない、コーエンは親もここまで面倒を看てくれたものだとすら思う。カリーはどうせ貴族の愛人になるのではないかと思っていたが、子爵令息と結婚すると聞いた時は驚いたものだった。
身体の相性だけは良かったので、妻にしてもいいかと思ったが、不貞をする恐れがあるので、商人としては、条件付きならと言ったことがあったが、カリーは受け入れなかった。だが、こうなった今、心底良かったと思っている。
そして、あの通達もどこまでが知っているのか、男爵令嬢ではなくなった今、どんな状況になるのかが分からなかったからでもある。
だが、ここにいても仕方ないと、別の商人に会いに行くことにした。コーエンは同じ男爵家ではあったが、三男で継ぐ家もないため、商人になった男であった。金輪際、他の男と関係を持たず、家で大人しく出来るのなら、結婚を考えてもいいと言ってくれたほど、私を気に入ってくれていた。
ただ結婚をしている可能性はある、嫡男と違って、結婚までが早いのだ。
商家に着くとすぐに彼の顔があり、手を挙げようとすると、コーエンの方から気付いてこちらに向かって来た。
「どちらに行かれたいのですか?それはですね、こちらを」
「何?何を言っているの?」
「黙ってこのまま、ついて来い」
「え?」
裏手の人気のないところに連れて行かれて、どうしたのか、やっぱり結婚していて、不味かったかなと思った。
「ごめんなさい、結婚したの?」
「は?」
「急に訪ねたけど、結婚していたら悪いなって思っていたの」
「君は自身の立場が分かっていないのか?」
「離縁のこと?」
「今までカックス・チセのところにいたんじゃないのか?」
「え?どうして?」
誰にも言っていない、屋敷からもほとんど出ていないのに、二人は知り合いではあるが、親しくはないと言っていた、カックスが自慢気に話したのだろうか。
「今、カックスの家は危ない」
「え?そんな、何も言ってなかったわ、言ってくれたら」
「彼は言わなかったのか。てっきり話しているのかと思った。逆恨みして、あることないこと言われる方が困ると思ったのかもしれないな」
「何よそれ」
ちょっとここで待っていろと言われ、コーエンは走っていったが、休憩にして貰ったと戻って来た。休憩室のような小部屋に案内された。
「少し前に、ある伯爵家の親族の行っている商家が得意先から外された。急にだった、理由は信用ならないからというものだった」
「伯爵家?私は伯爵家なんて、関わりがないわ」
「相手は公爵家だ、王妃陛下の生家。こうなれば、他も追随していく。潰れはしないかもしれないが、今までのような商売も暮らしも出来なくなる」
「どうして私にそんな話をするの?」
なぜ、私にそんな知らない商家や伯爵家の話をするのかが分からない。
「カックスのところも同じだよ。また理由は信用ならないからと、現在進行形で別の貴族の得意先から外されそうになっているんだ。前と似ているとなるだろう」
「それが私のせいだというの?」
「君を囲っていたのを掴んでいるのだろう。信用ならない者を囲っているような商家と言われたそうだ。一体何をしたんだ?不味い相手と関係を持ったのか?」
コーエンは危険でしかないカリーを相手にする気はなかったが、何をしたのかは知っておきたかった。だからわざわざ話をしているのだ。
「そんなことしてないわ。カックスのところだって、二ヶ月居ただけよ、どうして」
「取引が減ったのは二ヶ月前くらいからだそうだ。二ヶ月もあれば、物事は動くさ。本当に心当たりがないのか?」
「恨むなら実家じゃないの?」
「実家とは縁を切られているんじゃないか?」
「…それは」
「前に慰謝料を払って貰ったと言っていたな、今回もじゃないのか?」
「それはそうだけど」
もはや男爵令嬢ですらない、コーエンは親もここまで面倒を看てくれたものだとすら思う。カリーはどうせ貴族の愛人になるのではないかと思っていたが、子爵令息と結婚すると聞いた時は驚いたものだった。
身体の相性だけは良かったので、妻にしてもいいかと思ったが、不貞をする恐れがあるので、商人としては、条件付きならと言ったことがあったが、カリーは受け入れなかった。だが、こうなった今、心底良かったと思っている。
あなたにおすすめの小説
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
妹に奪われた婚約者は、私を壊す災厄でした
あう
恋愛
伯爵家の長女セレナは、侯爵令息の婚約者として家を支え、妹のわがままにも耐え続けてきた。
しかし妹ミレイユは、“可哀想な妹”を演じて姉の婚約者を奪い、ついに婚約破棄へ持ち込んでしまう。
すべてを奪われた――そう思われたセレナだったが、伯爵家を離れたことで見えてきたのは、自分を縛っていた歪な家族と婚約の真実だった。
そして、奪ったはずの妹のほうもまた、望んだ未来とは違う現実へ追い詰められていく。
奪い返さない。縋らない。
静かに手放した令嬢が、自分の人生を取り戻していくざまぁ恋愛譚。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi(がっち)
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
愛を求めることはやめましたので、ご安心いただけますと幸いです!
風見ゆうみ
恋愛
わたしの婚約者はレンジロード・ブロフコス侯爵令息。彼に愛されたくて、自分なりに努力してきたつもりだった。でも、彼には昔から好きな人がいた。
結婚式当日、レンジロード様から「君も知っていると思うが、私には愛する女性がいる。君と結婚しても、彼女のことを忘れたくないから忘れない。そして、私と君の結婚式を彼女に見られたくない」と言われ、結婚式を中止にするためにと階段から突き落とされてしまう。
レンジロード様に突き落とされたと訴えても、信じてくれる人は少数だけ。レンジロード様はわたしが階段を踏み外したと言う上に、わたしには話を合わせろと言う。
こんな人のどこが良かったのかしら???
家族に相談し、離婚に向けて動き出すわたしだったが、わたしの変化に気がついたレンジロード様が、なぜかわたしにかまうようになり――
旦那様から出て行ってほしいと言われたのでその通りにしたら、今になって後悔の手紙が届きました
伊久留りさ
恋愛
北辺の国境を守る小さな領地、ヴァルドリア。その城館の一室で、若き領主の妻アリシアは、夫レオンハルトの言葉に静かに耳を傾けていた。
「アリシア、君にはもう少し、この城から離れてもらいたい」
レオンハルトの声は、いつものように低く、落ち着いていた。しかし、その言葉の意味は、アリシアにとってあまりにも唐突で、あまりにも冷たいものだった。
「……離れる、とはどういう意味でございますか」
「つまり、この城にいないでほしい、ということだ。しばらくの間、君には別の場所で暮らしてもらいたい」
アリシアは、ゆっくりと目を閉じた。指先がわずかに震えるのを、彼女は必死に抑えていた。この男の前で、自分が動揺している姿を見せたくなかったからだ。
私のことはお気になさらず
みおな
恋愛
侯爵令嬢のティアは、婚約者である公爵家の嫡男ケレスが幼馴染である伯爵令嬢と今日も仲睦まじくしているのを見て決意した。
そんなに彼女が好きなのなら、お二人が婚約すればよろしいのよ。
私のことはお気になさらず。
嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜
みおな
恋愛
伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。
そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。
その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。
そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。
ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。
堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・