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番外編1
カリー・カイサック8
洗濯、掃除の使用人として雇ってもらったが、一週間で辞めさせられてしまった。無理もない、教えては貰ったが、あわあわするだけで、何も出来なかった。言葉が分からないのも原因だったかもしれない。
住むところがなくなり、結局、カリーは娼館にいた。
あの女性は同じ系列の娼館からの助っ人だったらしく、彼女はいなかったが、トワイ語が分かる人を呼んで貰って、すぐに採用された。
さすがというべきか、客もノワンナ語が分からなくても指名があり、今まではお金や好みで相手を選んでいたが、今度は選ばれる側になっただけで、高級志向も嘘ではなく、おかしな客もいなかった。
「トワイ語なら分かるんだよね?母国語かな?」
「はい、分かるんですか」
一晩買ってくれたのは若い男性で、記者をしていると言い、久しぶりのトワイ語に懐かしい気持ちになった。
「ああ、とは言ってもノワンナ語とトワイ語だけだけどね」
「凄いと思います。全然、憶えられなくて」
「そこがいいのかもしれないよ?」
一回情事を済ませると、お酒を飲みながら、話でもしようということになった。久しぶりに話せるのは嬉しい。
「どうやったら言葉が早く憶えられますか」
「聞いたり、書いたりじゃないかな。一瞬で憶えられればいいけど、それこそサリー王太子妃殿下でもない限りはね」
「妃殿下…」
「君の方が詳しいだろう?」
「っえ」
「母国の王太子妃殿下じゃないか」
「っあ、そうですね」
トワイ語で気が緩んでいたが、記者だと言っていたから、まさか知っているのかと思った。そんなはずはない。カリーはここでは、カイと名乗っている。男性の様ではあるが、カイサックであったことを憶えていたかった。
「妃殿下はそんなに凄いのですか」
「凄いなんて話じゃないよ。十ヶ国語近く話せるんじゃないかな」
「十、ヶ国…」
私はノワンナ語ですら、簡単な言葉しか分からない。冗談にしても面白くはない。
「コルボリットが目安になるだろう?確か今八ヶ国だったかな?翻訳されているはずだよ」
「コルボリット?」
「ああ、君は本は読まないのか?」
「本は読まないですね…」
「僕が話すのも恐れ多いけど、ルアース・ベルア氏が書いた小説でね、何百万部も売り上げているのだけど、その翻訳の責任者がサリー王太子妃殿下。ご結婚前からだから、現在の王太子妃殿下ってところかな?それこそトワイ語だけは妃殿下が直接訳されていて、ベルア氏の国の次にファンに羨ましいと思われている国だよ」
「知りませんでした」
だからクラスメイトが騒いでいたのかもしれない。サインして貰えないかななどと言っていたこともあった。その小説のことだったのかもしれない。
「ご自身でも語学を活かして、子ども向けの絵本は出されているのだけど、それも妃殿下のようになって欲しいと貴族は子どもに読ませる、妃殿下はその売り上げで孤児院や託児所なんかに配られてらっしゃるそうだよ。だから子どもは挨拶、ありがとう、ごめんなさいを遊びで憶える。素晴らしい王太子妃殿下でもあり、語学の神とでもいうべきかな?ノワンナ語版だって、妃殿下が王太子妃になるために必要だから、恩恵を受けているわけだけどね」
「王太子妃に必要?」
「ああ、貴族でもない限り知らないか」
どこから噂になるか分からないので、元貴族だったことは誰にも話していない。
「フアラ王国もだけど、隣国の言葉、だいたい三ヶ国語は話せないと王太子妃にも側妃にもなれない決まりがある。該当者がいなかったらと思うかもしれないが、これがいるんだよな」
「側妃も、なのですか」
一度、妃殿下に『あなたは語学が出来るのか』と返されたことがあった、私は『語学?何の話をしているの?語学ではなく、男女の身体の相性の話をしているの』そう言った気がする。
住むところがなくなり、結局、カリーは娼館にいた。
あの女性は同じ系列の娼館からの助っ人だったらしく、彼女はいなかったが、トワイ語が分かる人を呼んで貰って、すぐに採用された。
さすがというべきか、客もノワンナ語が分からなくても指名があり、今まではお金や好みで相手を選んでいたが、今度は選ばれる側になっただけで、高級志向も嘘ではなく、おかしな客もいなかった。
「トワイ語なら分かるんだよね?母国語かな?」
「はい、分かるんですか」
一晩買ってくれたのは若い男性で、記者をしていると言い、久しぶりのトワイ語に懐かしい気持ちになった。
「ああ、とは言ってもノワンナ語とトワイ語だけだけどね」
「凄いと思います。全然、憶えられなくて」
「そこがいいのかもしれないよ?」
一回情事を済ませると、お酒を飲みながら、話でもしようということになった。久しぶりに話せるのは嬉しい。
「どうやったら言葉が早く憶えられますか」
「聞いたり、書いたりじゃないかな。一瞬で憶えられればいいけど、それこそサリー王太子妃殿下でもない限りはね」
「妃殿下…」
「君の方が詳しいだろう?」
「っえ」
「母国の王太子妃殿下じゃないか」
「っあ、そうですね」
トワイ語で気が緩んでいたが、記者だと言っていたから、まさか知っているのかと思った。そんなはずはない。カリーはここでは、カイと名乗っている。男性の様ではあるが、カイサックであったことを憶えていたかった。
「妃殿下はそんなに凄いのですか」
「凄いなんて話じゃないよ。十ヶ国語近く話せるんじゃないかな」
「十、ヶ国…」
私はノワンナ語ですら、簡単な言葉しか分からない。冗談にしても面白くはない。
「コルボリットが目安になるだろう?確か今八ヶ国だったかな?翻訳されているはずだよ」
「コルボリット?」
「ああ、君は本は読まないのか?」
「本は読まないですね…」
「僕が話すのも恐れ多いけど、ルアース・ベルア氏が書いた小説でね、何百万部も売り上げているのだけど、その翻訳の責任者がサリー王太子妃殿下。ご結婚前からだから、現在の王太子妃殿下ってところかな?それこそトワイ語だけは妃殿下が直接訳されていて、ベルア氏の国の次にファンに羨ましいと思われている国だよ」
「知りませんでした」
だからクラスメイトが騒いでいたのかもしれない。サインして貰えないかななどと言っていたこともあった。その小説のことだったのかもしれない。
「ご自身でも語学を活かして、子ども向けの絵本は出されているのだけど、それも妃殿下のようになって欲しいと貴族は子どもに読ませる、妃殿下はその売り上げで孤児院や託児所なんかに配られてらっしゃるそうだよ。だから子どもは挨拶、ありがとう、ごめんなさいを遊びで憶える。素晴らしい王太子妃殿下でもあり、語学の神とでもいうべきかな?ノワンナ語版だって、妃殿下が王太子妃になるために必要だから、恩恵を受けているわけだけどね」
「王太子妃に必要?」
「ああ、貴族でもない限り知らないか」
どこから噂になるか分からないので、元貴族だったことは誰にも話していない。
「フアラ王国もだけど、隣国の言葉、だいたい三ヶ国語は話せないと王太子妃にも側妃にもなれない決まりがある。該当者がいなかったらと思うかもしれないが、これがいるんだよな」
「側妃も、なのですか」
一度、妃殿下に『あなたは語学が出来るのか』と返されたことがあった、私は『語学?何の話をしているの?語学ではなく、男女の身体の相性の話をしているの』そう言った気がする。
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