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ドゥエンス公爵家2
「国王陛下が認められたことでございます」
「だが」
「そのような者に婚約を申し込んだということが、ドゥエンス公爵家にとっても、公にならない方がよろしいのではありませんか」
ホーリーには酷い言い方ではあるが、今となっては汚点と言ってもいい。
婚約の申し込みについて、どの程度の者が知っているかは分からないが、こちらに騙されたと言い掛かりを付けたいのだろうが、ドゥエンス公爵家も見る目がないと言っているようなものである。
「それは……」
「今ならば、まだ発表前です。取り下げていただけるのであれば、元よりこちらもなかったことにいたします。話題に上がっても、そのような事実はないと否定できます。いかがでしょうか?」
「っ」
「ですが、そちらにも責任があるのではありませんか」
ホーリーは認められていないことから、認められることで、扱いやすいだろうと思ったが、聖女の血筋でないのなら意味がない。
だが、シュークもこのまま引き下がるわけにはいかないと、声を上げた。
「こちらもリリカとホーリーについては、調査中とお伝えしていたはずです。ですから、許可は下りておりません」
「それはそうですけど……」
ドゥエンス公爵もシュークも、断られることは想定内であった。
やはり聖女の血筋かもしれないからという理由だと思っており、まさかこんな話になるとは思っていなかった。
だからこそ、デタラメで誤魔化すつもりだと始めは思っていた。
だが、話を聞くにつれ、セイント王国としても、そのようなことを発表することに、利があるとも思えなかった。
こちらもそのような発表をされれば、騙されたと証明ができても、国王は認めていないのに、騙されたと認められるかは分からず、それよりも恥とされる可能性もであると感じ始めていた。
「現状としては、マリアール侯爵家の養子、聖女の血筋とは認められていないホーリーに婚約を申し込んだとなっております。いくら間違えたとしても、全く血の繋がりのない子と同じ扱いです。何をおっしゃられても、私たちもそのように、お伝えするしかありません。いかがですか?」
「シューク……」
ドゥエンス公爵はシュークの肩を持ち、首を横に振った。
「父上っ」
「どうして、血筋ではないと分かったのですか?」
「サインをしていただければ、その質問にはお答えいたします」
「サインしよう」
マリアール侯爵家のホーリー・マリアールへの婚約の申し込みの取り消し並びに、白紙に同意する書類にサインを行った。
「それで?」
「詳細については国家秘密になるために説明はできませんが、聖女の血筋によって明らかになったことはお伝えいたします」
「聖女の血筋……ということは、妹の方か?」
「その質問は、答えがありません。現在、血筋は三人いらっしゃいます」
「だが」
サント王国でも聖人がいることは分かっているが、これまでそのような話を聞かなかったことから、イリアなのだろうと考えていた。
「聖女の血筋、こちらに何かあれば、サント王国にも影響があるかもしれません。そのことは、理解されておりますよね?」
「ああ」
「内密にお願いいたします」
「分かった。これまでも、これからもマリアール侯爵家に関わった記録はない」
「はい」
リチア公爵はドゥエンス公爵から出て、しばらくしてからゆっくりと息を吐いた。この証明がある限り、ホーリーについてはこれで安心と言っていいだろう。
発表はそろそろされている頃だろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
本日より初めての日本を舞台にした
新作「クリスマス・ナンバー・ナイト」を投稿しております。
よろしければ、よろしくお願いいたします。
こちらの作品も終盤になっております。
あともう少しお付き合いいただけると嬉しいです。
「だが」
「そのような者に婚約を申し込んだということが、ドゥエンス公爵家にとっても、公にならない方がよろしいのではありませんか」
ホーリーには酷い言い方ではあるが、今となっては汚点と言ってもいい。
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「それは……」
「今ならば、まだ発表前です。取り下げていただけるのであれば、元よりこちらもなかったことにいたします。話題に上がっても、そのような事実はないと否定できます。いかがでしょうか?」
「っ」
「ですが、そちらにも責任があるのではありませんか」
ホーリーは認められていないことから、認められることで、扱いやすいだろうと思ったが、聖女の血筋でないのなら意味がない。
だが、シュークもこのまま引き下がるわけにはいかないと、声を上げた。
「こちらもリリカとホーリーについては、調査中とお伝えしていたはずです。ですから、許可は下りておりません」
「それはそうですけど……」
ドゥエンス公爵もシュークも、断られることは想定内であった。
やはり聖女の血筋かもしれないからという理由だと思っており、まさかこんな話になるとは思っていなかった。
だからこそ、デタラメで誤魔化すつもりだと始めは思っていた。
だが、話を聞くにつれ、セイント王国としても、そのようなことを発表することに、利があるとも思えなかった。
こちらもそのような発表をされれば、騙されたと証明ができても、国王は認めていないのに、騙されたと認められるかは分からず、それよりも恥とされる可能性もであると感じ始めていた。
「現状としては、マリアール侯爵家の養子、聖女の血筋とは認められていないホーリーに婚約を申し込んだとなっております。いくら間違えたとしても、全く血の繋がりのない子と同じ扱いです。何をおっしゃられても、私たちもそのように、お伝えするしかありません。いかがですか?」
「シューク……」
ドゥエンス公爵はシュークの肩を持ち、首を横に振った。
「父上っ」
「どうして、血筋ではないと分かったのですか?」
「サインをしていただければ、その質問にはお答えいたします」
「サインしよう」
マリアール侯爵家のホーリー・マリアールへの婚約の申し込みの取り消し並びに、白紙に同意する書類にサインを行った。
「それで?」
「詳細については国家秘密になるために説明はできませんが、聖女の血筋によって明らかになったことはお伝えいたします」
「聖女の血筋……ということは、妹の方か?」
「その質問は、答えがありません。現在、血筋は三人いらっしゃいます」
「だが」
サント王国でも聖人がいることは分かっているが、これまでそのような話を聞かなかったことから、イリアなのだろうと考えていた。
「聖女の血筋、こちらに何かあれば、サント王国にも影響があるかもしれません。そのことは、理解されておりますよね?」
「ああ」
「内密にお願いいたします」
「分かった。これまでも、これからもマリアール侯爵家に関わった記録はない」
「はい」
リチア公爵はドゥエンス公爵から出て、しばらくしてからゆっくりと息を吐いた。この証明がある限り、ホーリーについてはこれで安心と言っていいだろう。
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