【完結】愛しくない、あなた

野村にれ

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【テイラー】発表2

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 亡くなった経緯はイオリク・オイワードが足を引っ掛けて、被害者は壁に頭や体を打ち付け、頭部から大量の出血をし、死因は脳内で出血を起こしたとされている。

 そして、イオリクの勝手な行動には、ギリシス国王陛下が番の職場を教え、意のままに操ろうと脅しにも関与して、手を貸していたことも判明している。

 番であるテイラーは、元貴族令嬢の現在は平民である。

 被害者は既に葬儀を行い、埋葬されているために、静かに冥福を祈って欲しい。

 罰については被害者は事件後、満身創痍の状態で、一度だけ目を覚まし、平民として裁いて欲しいと希望して、亡くなっている。

 彼女の最期の望みを真摯に受け止め、平民を悪意を持って、死に至らしめた罪として、イオリク・オイワードには罰金と慈善活動の罰とする。

 皇帝陛下の側近ではあったが、既に外されている。これは事件前の素行から決められていたことで、今回の事件だけが原因ではない。

 そう発表された。

 ディオエルが番でありながら、テイラーを妃にする気はなかったということは、要求した事実もなく、否定してあったことであるために、公にしなかった。

 これはテイラーが拒否したことを伏せる目的と、非があるという意見を防ぐためでもあった。

 ミリオン王国にも連絡を行っており、ギリシスについては発表を受け止めさせてから、現実を見てもらい、こちらで責任を追及するとシュアリアから承諾を得ていた。

 発表があったことで、竜帝国中でイオリク・オイワードのことが爆発的に広まることになった。同時にギリシス国王陛下のことも、非難の対象となった。

 そして、罰が軽すぎることはやはり指摘されたが、被害者の希望であり、皇帝陛下も番の希望を叶えたいのだろうと、納得はできないが、理解を示した。

 当然だが、イオリクとギリシス国王陛下に非難が集中した。

 イオリクは自白剤の影響が続いており、まだ寝込んでいる状況の中、後は罰を受けるだけになっていた。

 発表の翌日、オイワード公爵がディオエルへ訪ねて来た。

「先触れもありませんでしたが、会われますか?」
「ああ、流石に来るだろうと思っていた」

 ディオエルとライシードが応接室に入ると、オイワード公爵夫妻は真っ黒の服装で、膝をついて頭を下げていた。この姿で待ち続けていたのかと思った。

「オイワード公爵、夫人、座ってくれ」
「申し訳ございませんでした」
「申し訳ございません」
「座れ!」

 怒鳴り付けると、ようやくハイス・オイワードと、キューラ・オイワードは、ふらつきながら立ち上がった。

 キューラは元より控えめな女性だったが、ハイスは高圧的とはいかないが、公爵という立場に胡坐をかいている質であった。

 それが今、目の前で縮こまって小さくなっていた。

「座りなさい、顔を突き合わせて話すべきことだろう」
「はい」
「っはい」

 向き合って座ったが、キューラは体が小刻みに震えており、おそらく距離も近いために、殺気ではなく、怒りですら体が反応してしまうのだろうと思った。

 だが、それもいい罰だと、震えるくらい可愛いものだろう。

「それで何の用だ?」
「謝罪をさせていただきたく、参りました」
「そうか、てっきり息子はいつ帰って来るのか聞きたくて来たのかと思ったが?」

 ディオエルは問い合わせがあったと聞いていたことから、わざと伝えた。

「いえ、そのようなことは考えておりません」

 キューラも力弱く頷いており、周りからもかなり責められているのかもしれない。だが、これからは責められるよりも、遠巻きにされることになるだろう。

「そうか、まだ当分は帰れぬ」
「はい……早く返して欲しいなどと思っておりません」

 イオリクが帰ってきたところで、何か変わるわけではない。むしろ、悪くなり、どうなるかも分からない。
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