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【テイラー】余波(デリア侯爵家4)
ベルサートはディオエルが番を失ったことで亡くなり、ということは感情は関係なく、マークも同じことになるのではないかと考えた。
「アイルーンが亡くなったこと、テイラーが亡くなったこと、儀式を行っていたこと、皇帝という立場が外側には苦しみが分からなかったということだろう」
ルーベンスはディオエル前国王陛下の死に、悲しみもあったが、複雑な思いもたくさんあった。だが、皇帝陛下という立場は並大抵ではないことも理解はしていた。
だからこそ、葬儀には静かに哀悼の意を表した。
「アイルーンの魂は繋がっていたということですか?」
「ああ、純血種でらっしゃるのだから、我々とは感覚が違う。詳しくは知らないが、特別なのではないだろうか」
「そうでした……」
ベルサートは馴染みがないために色んな事があり過ぎて忘れていたが、純血種ということは番への繋がりが強いに決まっている。
見たり聞いたりするものが、すべてではないことを知っている。
皇帝陛下の番に選ばれたからと、アイルーンの気持ちを考えずに良きことだと押し付けて、何も言えなくしてしまったことを、テイラーに言われてから、ちゃんと考えるようにしていた。
「だから、テイラーに記憶があったのかもしれませんね」
「そうかもしれないが、テイラーはディオエル前国王陛下のせいだったら、不満に思うだろうな」
「そうですね、ディオエル前国王陛下のためだったら、嫌がったかもしれませんね」
ナナリーもルーベンスとベルサートの言葉に同意しながら頷いたが、テイラーを何も知らないマークはアイルーンと同じ性格なのだと思っており、アイルーンは我慢することも多く、不満や嫌がるという言葉に違和感を持った。
「よく思っていらっしゃらなかったのですか?」
「当然だろう。殺した相手ではないが、アイルーンを死に追いやった場所に置いた者だろう?恨むなという方が難しいのではないだろうか」
「そうですね……」
「だがな、テイラーが望んだのはアイルーンの事件を明かすこと。後は、彼女は主張をしただけだ。アイルーンのできなかったこと、言えなかったことを今度はちゃんと伝えたんだ」
アイルーンは受け入れ続けた人生だった。だからこそ、テイラーは自分の意志を曲げることはしなかった。二度目の人生ではなくとも、もう一度、伝えることができるなら、きっと変わろうと思うだろう。
「私も押し付けた罪は同じだがな……」
「私もです」
ここにいる人間で、ナナリーだけがアイルーンが竜帝国に行くことを、本当に大丈夫なのかと言っていた。
「アイルーン様は苦しんだのでしょうか」
「ああ、竜帝国での暮らしは辛いものだったと思う。私たちも知らされず、アイルーンも手紙のやり取りを制限されていたらしい」
「そんな……」
竜手国からの発表に、ナビナからの話から分かってはいたが、アイルーンの家族から聞く言葉は何よりも重いものであった。
「私たちは妊娠も知らされず、辛い思いをして、殺されたのに、何も知らずにミリオン王国で暮らしていたんだ。しかも、病死だと信じて……親として情けない。妻に申し訳が立たない」
「それは私もです」
「私もです。こちらから会いに行けば、何か変わったかもしれないのですから」
デリア侯爵家も、一生後悔して生きていく。
それでも、テイラーが生きていれば、何かを返せたかもしれないが、それも叶わなくなった。
マークは何も言えず、皆から目を伏せた。
「マークはアイルーンの幸せを願っていたんだろう?」
「はい」
マークはルーベンスに向かって、しっかりと返事をした。
「アイルーンはマークとの婚約解消を悲しんでいたが、テイラーは最終的にはマークだけでも幸せで良かったと……二人は同じように思っていたんだな」
「アイルーンが亡くなったこと、テイラーが亡くなったこと、儀式を行っていたこと、皇帝という立場が外側には苦しみが分からなかったということだろう」
ルーベンスはディオエル前国王陛下の死に、悲しみもあったが、複雑な思いもたくさんあった。だが、皇帝陛下という立場は並大抵ではないことも理解はしていた。
だからこそ、葬儀には静かに哀悼の意を表した。
「アイルーンの魂は繋がっていたということですか?」
「ああ、純血種でらっしゃるのだから、我々とは感覚が違う。詳しくは知らないが、特別なのではないだろうか」
「そうでした……」
ベルサートは馴染みがないために色んな事があり過ぎて忘れていたが、純血種ということは番への繋がりが強いに決まっている。
見たり聞いたりするものが、すべてではないことを知っている。
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「だから、テイラーに記憶があったのかもしれませんね」
「そうかもしれないが、テイラーはディオエル前国王陛下のせいだったら、不満に思うだろうな」
「そうですね、ディオエル前国王陛下のためだったら、嫌がったかもしれませんね」
ナナリーもルーベンスとベルサートの言葉に同意しながら頷いたが、テイラーを何も知らないマークはアイルーンと同じ性格なのだと思っており、アイルーンは我慢することも多く、不満や嫌がるという言葉に違和感を持った。
「よく思っていらっしゃらなかったのですか?」
「当然だろう。殺した相手ではないが、アイルーンを死に追いやった場所に置いた者だろう?恨むなという方が難しいのではないだろうか」
「そうですね……」
「だがな、テイラーが望んだのはアイルーンの事件を明かすこと。後は、彼女は主張をしただけだ。アイルーンのできなかったこと、言えなかったことを今度はちゃんと伝えたんだ」
アイルーンは受け入れ続けた人生だった。だからこそ、テイラーは自分の意志を曲げることはしなかった。二度目の人生ではなくとも、もう一度、伝えることができるなら、きっと変わろうと思うだろう。
「私も押し付けた罪は同じだがな……」
「私もです」
ここにいる人間で、ナナリーだけがアイルーンが竜帝国に行くことを、本当に大丈夫なのかと言っていた。
「アイルーン様は苦しんだのでしょうか」
「ああ、竜帝国での暮らしは辛いものだったと思う。私たちも知らされず、アイルーンも手紙のやり取りを制限されていたらしい」
「そんな……」
竜手国からの発表に、ナビナからの話から分かってはいたが、アイルーンの家族から聞く言葉は何よりも重いものであった。
「私たちは妊娠も知らされず、辛い思いをして、殺されたのに、何も知らずにミリオン王国で暮らしていたんだ。しかも、病死だと信じて……親として情けない。妻に申し訳が立たない」
「それは私もです」
「私もです。こちらから会いに行けば、何か変わったかもしれないのですから」
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それでも、テイラーが生きていれば、何かを返せたかもしれないが、それも叶わなくなった。
マークは何も言えず、皆から目を伏せた。
「マークはアイルーンの幸せを願っていたんだろう?」
「はい」
マークはルーベンスに向かって、しっかりと返事をした。
「アイルーンはマークとの婚約解消を悲しんでいたが、テイラーは最終的にはマークだけでも幸せで良かったと……二人は同じように思っていたんだな」
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