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【テイラー】イオリク・オイワード4
オイワード公爵家はベイシクが戻ってい来ないこともあったが、竜帝国は寿命の者も多いために、よくあることではあるが、ベイシクでもイオリクでも既に継いでもおかしくはない年齢ではあった。
イオリクにとっては、ディオエルの側近が一番重要であったために、これまで爵位について考えたこともなく、ベイシクに連絡してみようと思ったこともなかった。
だが、今ならば爵位を継げば、置かれた状況から何か好転するのではないかと考えるようになり、慈善活動も目標ができたために、前向きに行うようになった。
ある日、イオリクが慈善活動を終えて、とぼとぼ歩いて邸に帰っていると、後ろから聞きたかった声が聞こえた。
「あなた!」
「エッセ?どうしたんだ、会いたかったよ」
イオリクは久し振りに見た妻・エッセの肩を掴んで、しっかりと顔を見つめた。
「私も会いたかったわ、だから待っていたの」
「そうだったのか、待たせてしまって、すまなかったな」
「いいの!お父様が今、あなたに会うことは危険だから、会ってはならないと言い出して、分かってくれなくて、手紙もくれていたのに、返事は禁止されていたの」
イオリクの手紙は届いていたが、返事を送らせてはもらえなかった。
「ディオエル様がお亡くなりになって、アンデュース皇帝陛下の発表も聞いて、ずっと大丈夫なのかと心配していたのよ?」
ディオエルが亡くなってから、イオリクとエッセはやり取りをしておらず、イオリクからディオエルへの思いや辛くてたまらないことなど、一方的な手紙をもらっていただけであったために、エッセはずっと心配をしていた。
「ああ……」
「即位式でも、あなたのせいのように言われて、誤解があったのでしょう?」
「そうなんだ、エッセに話を聞いて欲しいと思っていたんだ」
エッセは痩せたイオリクを心配そうに見つめて、頷いた。
「セリーも元気なのか?」
「ええ、元気は元気なのだけど」
「何かあったのか?」
「それがお父様は、セリーを他国に行かせた方がいいだろうと言い出して。私も一緒に行ったらどうかなんて言うのよ?あり得ないわ」
デイース伯爵はイオリクが罪を犯し、公表される前に離縁したことは良かったと思っていたが、それでも風当たりは強かった。
ゆえに、既に関係ないと見せることが伯爵家も、エッセとセリーを守ることになると思ってのことだったが、エッセはそう思っていなかった。
エッセは離縁すれば他人になれるが、娘・セリーはイオリクの子どもであることには変わりない。
それこそ、セリーがベイシクの恐れていたイオリク、オイワード公爵家の血を継いでいる子どもとなる。
デイース伯爵は女の子であるために、このままオイワード公爵家とは縁を切って、竜帝国では無理だろうが、理解をしてくれる相手なら、結婚もできるのではないかという考えであった。
だが、エッセはイオリクと離れたくないことから、反対をしていた。
「何だって?セリーはどう言っているんだ?」
「それが、居心地が悪いこともあるみたいで……酷くなるようなら、他国に行ってもいいと言い出して」
セリーは両親と同じように、運命の相手を見付けようと思っていたために、婚約者も、恋人もいなかった。
イオリクのことが発表されても、友人からは同情される部分もあったが、イオリクとエッセと同じ番には否定的な考えを持っていたために、これまでどうだろうと思っていた友人には距離を置かれるようになっていた。
「そうか、邸に入るといい。話をしよう」
「もう戻らないといけないの」
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。
どうぞよろしくお願いいたします。
イオリクにとっては、ディオエルの側近が一番重要であったために、これまで爵位について考えたこともなく、ベイシクに連絡してみようと思ったこともなかった。
だが、今ならば爵位を継げば、置かれた状況から何か好転するのではないかと考えるようになり、慈善活動も目標ができたために、前向きに行うようになった。
ある日、イオリクが慈善活動を終えて、とぼとぼ歩いて邸に帰っていると、後ろから聞きたかった声が聞こえた。
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「ああ……」
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「そうなんだ、エッセに話を聞いて欲しいと思っていたんだ」
エッセは痩せたイオリクを心配そうに見つめて、頷いた。
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「ええ、元気は元気なのだけど」
「何かあったのか?」
「それがお父様は、セリーを他国に行かせた方がいいだろうと言い出して。私も一緒に行ったらどうかなんて言うのよ?あり得ないわ」
デイース伯爵はイオリクが罪を犯し、公表される前に離縁したことは良かったと思っていたが、それでも風当たりは強かった。
ゆえに、既に関係ないと見せることが伯爵家も、エッセとセリーを守ることになると思ってのことだったが、エッセはそう思っていなかった。
エッセは離縁すれば他人になれるが、娘・セリーはイオリクの子どもであることには変わりない。
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だが、エッセはイオリクと離れたくないことから、反対をしていた。
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「そうか、邸に入るといい。話をしよう」
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どうぞよろしくお願いいたします。
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