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【テイラー】教会1
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「イオリク様はどうでしたか?」
執事も使用人が減ってから、忙しくなり、イオリクに関わることは減った。
ハイスから爵位をイオリクに譲ることは聞いており、なぜですかと問いたかったが、夫妻の表情は絶望が滲み出ており、事情があるのだろうと、聞けなかった。
「両親が手紙に書いていたことがよく分かったよ。何を言っても聞く気がない、反省もしていないから、両親の死も自分のせいではないと思っている様子だった、部屋にいろと言ってある。私で何かできることがあれば、言ってくれ」
当主がイオリクになっていることから、本来は動かなくてはならないが、部屋にいろと言ったために、自分が動くしかない。
「ありがとうございます。お墓は先祖の土地がありますので、そちらでよろしいでしょうか」
「ああ、物が買えないと聞いているが、大丈夫か?」
「はい、葬儀の花はご実家が最後に娘にできることだからと、ご用意してくださるそうです」
「そうか、それは良かった」
物が買えないから、顔の知られていないアリッサが、色んな商家を回って購入するようにしようかと言っていたほどであったために、ホッとした。
「後は墓石でしょうか」
「それは葬儀が決まったら、私が頼みに行って来よう」
「よろしくお願いいたします」
参列者もほとんどいないだろうことから、大層な準備は必要ないだろう。
だが、墓石は必要となる。
「ちょっと聞きたいんだが」
「はい」
「イオリクはディオエル前国王陛下の崩御に、塞ぎ込むようなことはなかったのか?私は思ったより元気で驚いたのだが?」
「悲しんではいたと思います。放心状態になったり、悔しそうにされていたそうですが、塞ぎ込むようなことはなかったと思います」
崩御された日は部屋に籠っていたようだが、食事が喉を通らないということもなく、融通してもらったパンなどを食べていた。
「不思議なのだが、どう思う?」
「崩御されたことよりも、自分のせいではないという気持ちの方が、強いのではないでしょうか」
「なるほどな……その程度だったということか」
「尊敬はされていたのでしょうけど、自分の思うディオエル前皇帝陛下があったのではないでしょうか。でなければ、側近のすることではありません」
「そうだな」
使用人の中でもイオリクのことは、話すこともあった。
番を否定しながらも、純血種であるディオエルには番が必要であった。ゆえに番は番、妻は妻だと、自分と同じように愛する相手がいればいいと考えたのではないか。
尊敬する皇帝陛下にも、自分は正しい考えを持っていると押し付けたのだろう。
オイワード公爵家のことをよく知る使用人だからこそ、出た考えであった。
日が暮れてから、ベイシクとアリッサは、執事と共に、両親が安置されている教会へ向かった。
教会に着くと、時間もあるのだろうが、周りは静かであったが、ちらほらと騎士たちの姿があり、調べることがあるだろうと思っていた。
「ハイス・オイワードとキューラ・オイワードの長男、ベイシク・カルロワールでございます」
「妻のアリッサでございます」
教会の扉に立っている騎士に一礼をして、挨拶を行った。
「兄君ですか?」
「そうでございます」
両親の息子ではなく、イオリクの兄という意味だと瞬時に理解した。騎士も咄嗟に出た言葉だったのだろうが、それほどまでに、イオリクの名前は悪い意味で、有名になっていることを実感した。
「この度は両親並びに弟が大変、ご迷惑をおかけしております」
少しお待ちくださいと、騎士は中に話をしに行き、別の騎士と共に戻って来た。
「ベイシク様ですね?お戻りになられていたのですね」
「はい」
騎士は知り合いではないが、ベイシクの学園での後輩にあたり、ベイシクの顔も覚えていた。
執事も使用人が減ってから、忙しくなり、イオリクに関わることは減った。
ハイスから爵位をイオリクに譲ることは聞いており、なぜですかと問いたかったが、夫妻の表情は絶望が滲み出ており、事情があるのだろうと、聞けなかった。
「両親が手紙に書いていたことがよく分かったよ。何を言っても聞く気がない、反省もしていないから、両親の死も自分のせいではないと思っている様子だった、部屋にいろと言ってある。私で何かできることがあれば、言ってくれ」
当主がイオリクになっていることから、本来は動かなくてはならないが、部屋にいろと言ったために、自分が動くしかない。
「ありがとうございます。お墓は先祖の土地がありますので、そちらでよろしいでしょうか」
「ああ、物が買えないと聞いているが、大丈夫か?」
「はい、葬儀の花はご実家が最後に娘にできることだからと、ご用意してくださるそうです」
「そうか、それは良かった」
物が買えないから、顔の知られていないアリッサが、色んな商家を回って購入するようにしようかと言っていたほどであったために、ホッとした。
「後は墓石でしょうか」
「それは葬儀が決まったら、私が頼みに行って来よう」
「よろしくお願いいたします」
参列者もほとんどいないだろうことから、大層な準備は必要ないだろう。
だが、墓石は必要となる。
「ちょっと聞きたいんだが」
「はい」
「イオリクはディオエル前国王陛下の崩御に、塞ぎ込むようなことはなかったのか?私は思ったより元気で驚いたのだが?」
「悲しんではいたと思います。放心状態になったり、悔しそうにされていたそうですが、塞ぎ込むようなことはなかったと思います」
崩御された日は部屋に籠っていたようだが、食事が喉を通らないということもなく、融通してもらったパンなどを食べていた。
「不思議なのだが、どう思う?」
「崩御されたことよりも、自分のせいではないという気持ちの方が、強いのではないでしょうか」
「なるほどな……その程度だったということか」
「尊敬はされていたのでしょうけど、自分の思うディオエル前皇帝陛下があったのではないでしょうか。でなければ、側近のすることではありません」
「そうだな」
使用人の中でもイオリクのことは、話すこともあった。
番を否定しながらも、純血種であるディオエルには番が必要であった。ゆえに番は番、妻は妻だと、自分と同じように愛する相手がいればいいと考えたのではないか。
尊敬する皇帝陛下にも、自分は正しい考えを持っていると押し付けたのだろう。
オイワード公爵家のことをよく知る使用人だからこそ、出た考えであった。
日が暮れてから、ベイシクとアリッサは、執事と共に、両親が安置されている教会へ向かった。
教会に着くと、時間もあるのだろうが、周りは静かであったが、ちらほらと騎士たちの姿があり、調べることがあるだろうと思っていた。
「ハイス・オイワードとキューラ・オイワードの長男、ベイシク・カルロワールでございます」
「妻のアリッサでございます」
教会の扉に立っている騎士に一礼をして、挨拶を行った。
「兄君ですか?」
「そうでございます」
両親の息子ではなく、イオリクの兄という意味だと瞬時に理解した。騎士も咄嗟に出た言葉だったのだろうが、それほどまでに、イオリクの名前は悪い意味で、有名になっていることを実感した。
「この度は両親並びに弟が大変、ご迷惑をおかけしております」
少しお待ちくださいと、騎士は中に話をしに行き、別の騎士と共に戻って来た。
「ベイシク様ですね?お戻りになられていたのですね」
「はい」
騎士は知り合いではないが、ベイシクの学園での後輩にあたり、ベイシクの顔も覚えていた。
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