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【テイラー】教会2
「中へどうぞ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
三人が歩いて行くと、ハイスとキューラの棺は並べて置かれており、覗き込むと中にハイスとキューラが眠っていた。
籍を抜く時に会っているので、急に老けたとは思わないが、あの時よりやつれているようには感じた。目の当たりにすると、悲しさはもちろんあったが、楽になったのではないかと思ってしまった。
逃げたと思われることは承知だが、これからも生きることはできなかった。罰を受けて、責任を取りたかったのだろう。
泣いていたわけではないが、アリッサはベイシクの手の甲をゆっくりと擦った。
その時、扉から誰かが入って来て、騒がしくなったが、ベイシクたちの位置からは誰なのか分からず、そちらの方向を見ていたが、扉が閉まると同時に誰かが分かり、慌てて頭を下げた。
「皇帝陛下にご挨拶申し上げます」
アリッサも執事も慌てて、頭を下げた。やって来たのは、アンデュースで、後ろにはライシードもいる。
「よい、お忍びでやって来て、ご両親のご遺体の前でそんなことはしなくていい」
「ですが」
「そなたはもうテンス王国の者だろう?」
「で、ですが、皇帝陛下であることは変わりません」
「それはそうだな。竜帝国の出身、二人の息子ではあるが、ディオエルが除籍を認め、私がいいと言っているのだから、背筋を伸ばせ」
そう言われると、頭を下げ続けるわけにはいかず、頭を上げるしかなかった。
二人は同じ公爵家ではあったが、ベイシクはオイワード公爵家の立ち位置は分かっていたために、親しいわけではなかった。
「承知いたしました。横は、妻のアリッサです」
「アリッサ・カルロワールでございます」
アリッサも背筋を一度伸ばし、再び頭を下げた。
「伯爵家の方だったな」
「はい」
「ベイシクをよろしく頼む」
「承知いたしました」
アンデュースは穏やかな表情で、アリッサに告げた。
「葬儀には参列できないからな、二人の顔を見ておこうと思って来たんだ。丁度、良かったな」
「ありがとうございます、両親も感謝すると思います」
「うーん、いや、私はこうなるのではないかと思っていたんだ」
ベイシクはその言葉に、思わず黙ってしまった。
その間に、アンデュースは棺の方へ歩いて行った。そして、ハイスとキューラの顔を覗き、数秒、目を瞑った。
「恐れながら、私も妻も執事も思っておりました。思っていないのは、弟だけだと思います」
この場でイオリクという名前を呼ぶことは、しない方がいいと判断した。
「あれは駄目だろう?駄目だから、こんなことになったんだがな。話をしたか?」
「はい、話をしましたが、両親の言う通りでした。何を言っても聞く気がない、何を聞いても理解ができませんでした。謝っても、許されることではありませんが、申し訳ございませんでした」
「謝りたい気持ちもわかるが、もう謝る相手はいないんだよ」
「はい……その通りにございます」
そう言われて、両親の亡骸を見ても、出なかった涙が零れそうになったが、ぐっと堪えた。
「私がな、イオリクを当主にしろと言ったんだよ」
「っ」
「ですが、オイワード公爵家はこのまま継続することは難しいと思います」
「ああ、私はご両親は爵位を返上したいと言って来たんだが、突っぱねた」
「そうでしたか」
ハイスとキューラは爵位を返上しようとしたこと、アンデュースに断られて、イオリクを当主にするように言われたことは、誰にも口にはしなかった。
「このまま、返上すれば、ハイスがオイワード公爵家の最後の当主になるだろう?そうではなく、当人が潰した方がいいと思ったんだ」
「はい」
「それとな、ご両親は罰を望んでいた。だから、爵位を返上して、責任を取って自害するつもりだったと思っていたんだよ」
「っ、それ、は……」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
三人が歩いて行くと、ハイスとキューラの棺は並べて置かれており、覗き込むと中にハイスとキューラが眠っていた。
籍を抜く時に会っているので、急に老けたとは思わないが、あの時よりやつれているようには感じた。目の当たりにすると、悲しさはもちろんあったが、楽になったのではないかと思ってしまった。
逃げたと思われることは承知だが、これからも生きることはできなかった。罰を受けて、責任を取りたかったのだろう。
泣いていたわけではないが、アリッサはベイシクの手の甲をゆっくりと擦った。
その時、扉から誰かが入って来て、騒がしくなったが、ベイシクたちの位置からは誰なのか分からず、そちらの方向を見ていたが、扉が閉まると同時に誰かが分かり、慌てて頭を下げた。
「皇帝陛下にご挨拶申し上げます」
アリッサも執事も慌てて、頭を下げた。やって来たのは、アンデュースで、後ろにはライシードもいる。
「よい、お忍びでやって来て、ご両親のご遺体の前でそんなことはしなくていい」
「ですが」
「そなたはもうテンス王国の者だろう?」
「で、ですが、皇帝陛下であることは変わりません」
「それはそうだな。竜帝国の出身、二人の息子ではあるが、ディオエルが除籍を認め、私がいいと言っているのだから、背筋を伸ばせ」
そう言われると、頭を下げ続けるわけにはいかず、頭を上げるしかなかった。
二人は同じ公爵家ではあったが、ベイシクはオイワード公爵家の立ち位置は分かっていたために、親しいわけではなかった。
「承知いたしました。横は、妻のアリッサです」
「アリッサ・カルロワールでございます」
アリッサも背筋を一度伸ばし、再び頭を下げた。
「伯爵家の方だったな」
「はい」
「ベイシクをよろしく頼む」
「承知いたしました」
アンデュースは穏やかな表情で、アリッサに告げた。
「葬儀には参列できないからな、二人の顔を見ておこうと思って来たんだ。丁度、良かったな」
「ありがとうございます、両親も感謝すると思います」
「うーん、いや、私はこうなるのではないかと思っていたんだ」
ベイシクはその言葉に、思わず黙ってしまった。
その間に、アンデュースは棺の方へ歩いて行った。そして、ハイスとキューラの顔を覗き、数秒、目を瞑った。
「恐れながら、私も妻も執事も思っておりました。思っていないのは、弟だけだと思います」
この場でイオリクという名前を呼ぶことは、しない方がいいと判断した。
「あれは駄目だろう?駄目だから、こんなことになったんだがな。話をしたか?」
「はい、話をしましたが、両親の言う通りでした。何を言っても聞く気がない、何を聞いても理解ができませんでした。謝っても、許されることではありませんが、申し訳ございませんでした」
「謝りたい気持ちもわかるが、もう謝る相手はいないんだよ」
「はい……その通りにございます」
そう言われて、両親の亡骸を見ても、出なかった涙が零れそうになったが、ぐっと堪えた。
「私がな、イオリクを当主にしろと言ったんだよ」
「っ」
「ですが、オイワード公爵家はこのまま継続することは難しいと思います」
「ああ、私はご両親は爵位を返上したいと言って来たんだが、突っぱねた」
「そうでしたか」
ハイスとキューラは爵位を返上しようとしたこと、アンデュースに断られて、イオリクを当主にするように言われたことは、誰にも口にはしなかった。
「このまま、返上すれば、ハイスがオイワード公爵家の最後の当主になるだろう?そうではなく、当人が潰した方がいいと思ったんだ」
「はい」
「それとな、ご両親は罰を望んでいた。だから、爵位を返上して、責任を取って自害するつもりだったと思っていたんだよ」
「っ、それ、は……」
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