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【テイラー】追想2
「番が弱みだと言われることもあるが、それは正しくもあり、間違ってもいる。番を大事に出来ないような者には、番を持つ資格はなかったのだろうな」
そう言いながら、悲しそうに目じりを下げて笑うディオエルに、ライシードは掛ける言葉がなかった。
「それでも、二人に合わせてくれたのだから、私は運がいい」
40歳まで番を探していたのに出会えなかったことを恨んでいたが、二人にも会わせくれたのだと、今のディオエルには感謝しかなかった。
「だが、私の番であったことで、アイルーン嬢もテイラー嬢も不幸にしてしまった。申し訳なくてたまらない」
「私の責任でもあります。もっと警備を行っていれば」
「それを指示するべきだったのは私だ」
「いいえ、私が強化するべきだと進言するべきでした」
アイルーンの警備をしていなかったわけではないが、妃たちはアイルーンと関わることもなかったことから、番だからと他の妃に反感を買わないように、優遇することはしなかった。
妊娠に関しても医師に任せた方がいいと思い、口を出すことはしなかった。本来は頼れる女性を置くべきだった。
それなのに、近くにいたのは利用をしようとしていたペジリーと、番に批判的なイオリクで、二人とも害する者だった。
「誰か、私の母、姉でも頼んで、置けば良かった。二人にも何をしていたのかと怒られました……」
ライシードには兄と姉がおり、アイルーンが亡くなった時に、病死だとしても、どういうことなのかと、詳しいことは話せなかったが、相談できるような女性を付けていなかったことに激怒された。
口を出せば良かったと、母も姉も後悔していた。
そして、殺されたと分かった際も、どうして守れなかったのかと、泣かれた。
もしも、テイラーが妃になってくれる未来があったのならば、母と姉を付けるつもりでいた。だが、そんな未来が来ることは永遠になくなった。
「そうか。私の母も、アイルーン嬢の母もいなかったからな。母がいれば、違ったのだろうな」
ディオエルは父もいなかったが、二人には母親と呼べる存在は既にいなかった。
母は体はあまり丈夫ではなかったが、厳しい父とは違って、穏やかな人だった。
両親がいれば、ディオエルが皇帝になることはなかったのだが、それでも母とアイルーンが同じ場にいたら、抑止力にもなっただろう。
本来はたらればを話しても仕方ないが、未来のないディオエルにはそんな話をしたい気分になったのは、相手がライシードだったからだろう。
「私が、気が利かないせいでございます……」
「そんなことはない」
ライシードは一度は結婚をしたのだが、上手くいかず、それからは独り身であった。だからこそ、側近は丁度いいと言っては失礼だが、都合が良かった。
ディオエルは実際に尊敬できる方で、イオリクとも立ち位置が違う形でお支えできていると、信じていた。だが、アイルーンが亡くなってから、信じないことにした。
思い出しても、後悔ばかりであり、アイルーンのどこか不安そうなレッドブラウンの瞳、テイラーの射貫くような鋭いレッドブラウンの瞳が蘇ってばかりである。
「妃たちは番が見付かったら、理解をしてもらって、出すということも考えても良かったのです。それか、妃たちとは分けるなどしても良かった。反感など考えず、そうすれば……」
エオナ妃以外は反抗したかもしれないが、それでもやるべきだった。ライシードの立場ならできたはずだ。
「そうだな。番のいない者は皇帝にしないというのも、いいかもしれないな」
これまでもディオエルのように、番ではない妃を持っていた世もあったが、子どもは生まれずに純血種の公爵家が者が継いで来たのである。
ならば、始めから番を持つ純血種が継ぐ方がいいのかもしれない。
そう言いながら、悲しそうに目じりを下げて笑うディオエルに、ライシードは掛ける言葉がなかった。
「それでも、二人に合わせてくれたのだから、私は運がいい」
40歳まで番を探していたのに出会えなかったことを恨んでいたが、二人にも会わせくれたのだと、今のディオエルには感謝しかなかった。
「だが、私の番であったことで、アイルーン嬢もテイラー嬢も不幸にしてしまった。申し訳なくてたまらない」
「私の責任でもあります。もっと警備を行っていれば」
「それを指示するべきだったのは私だ」
「いいえ、私が強化するべきだと進言するべきでした」
アイルーンの警備をしていなかったわけではないが、妃たちはアイルーンと関わることもなかったことから、番だからと他の妃に反感を買わないように、優遇することはしなかった。
妊娠に関しても医師に任せた方がいいと思い、口を出すことはしなかった。本来は頼れる女性を置くべきだった。
それなのに、近くにいたのは利用をしようとしていたペジリーと、番に批判的なイオリクで、二人とも害する者だった。
「誰か、私の母、姉でも頼んで、置けば良かった。二人にも何をしていたのかと怒られました……」
ライシードには兄と姉がおり、アイルーンが亡くなった時に、病死だとしても、どういうことなのかと、詳しいことは話せなかったが、相談できるような女性を付けていなかったことに激怒された。
口を出せば良かったと、母も姉も後悔していた。
そして、殺されたと分かった際も、どうして守れなかったのかと、泣かれた。
もしも、テイラーが妃になってくれる未来があったのならば、母と姉を付けるつもりでいた。だが、そんな未来が来ることは永遠になくなった。
「そうか。私の母も、アイルーン嬢の母もいなかったからな。母がいれば、違ったのだろうな」
ディオエルは父もいなかったが、二人には母親と呼べる存在は既にいなかった。
母は体はあまり丈夫ではなかったが、厳しい父とは違って、穏やかな人だった。
両親がいれば、ディオエルが皇帝になることはなかったのだが、それでも母とアイルーンが同じ場にいたら、抑止力にもなっただろう。
本来はたらればを話しても仕方ないが、未来のないディオエルにはそんな話をしたい気分になったのは、相手がライシードだったからだろう。
「私が、気が利かないせいでございます……」
「そんなことはない」
ライシードは一度は結婚をしたのだが、上手くいかず、それからは独り身であった。だからこそ、側近は丁度いいと言っては失礼だが、都合が良かった。
ディオエルは実際に尊敬できる方で、イオリクとも立ち位置が違う形でお支えできていると、信じていた。だが、アイルーンが亡くなってから、信じないことにした。
思い出しても、後悔ばかりであり、アイルーンのどこか不安そうなレッドブラウンの瞳、テイラーの射貫くような鋭いレッドブラウンの瞳が蘇ってばかりである。
「妃たちは番が見付かったら、理解をしてもらって、出すということも考えても良かったのです。それか、妃たちとは分けるなどしても良かった。反感など考えず、そうすれば……」
エオナ妃以外は反抗したかもしれないが、それでもやるべきだった。ライシードの立場ならできたはずだ。
「そうだな。番のいない者は皇帝にしないというのも、いいかもしれないな」
これまでもディオエルのように、番ではない妃を持っていた世もあったが、子どもは生まれずに純血種の公爵家が者が継いで来たのである。
ならば、始めから番を持つ純血種が継ぐ方がいいのかもしれない。
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