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【テイラー】イリッタオ侯爵夫妻2
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「それで、どうやって証明する?実家にも勝手に伝えたのだから、証明してくれるのだろう?」
「ですから、動機がないと言って」
マーゼットはずっと、メロディを睨み付けていた。いつも言葉使いに気を付けろと言われており、義両親にも呆れられている。
「動機がありません」
ディオエルは黙ったまま、メロディを見据えた。
「どうして私が疑われるんですか、私が犯人だとでも言うのですか!いえ、言われるのですか…」
マーゼットがまだ睨み付けており、どんどん鋭い目つきになっているために、言葉使いをメロディなりに直した。
「だから、違うということを証明して欲しいと言っているんだ」
「あの、番の方が亡くなった日は、私は部屋におりました。だから、知りません」
妃全員がそう答えていたが、実際はローズミーとペジリーとラオイがアイルーンのところに行っていたことになり、そうなると皆の主張も信じられないものになる。
そういえば、どうやって忍び込んだことを聞き忘れていたと、今更ながらディオエルは思い出した。だが、時間もかなかった。
まあ、もう一度、自白剤を使って聞けばいいかと、思うことにした。
メロディも自白剤を使えば、白か黒かはっきりするだろう。
「皆がそう言っているが、嘘だったことが分かっている」
「私は本当です!」
「ならば、自白剤を使って証明してくれ」
「え?自白剤…?」
メロディはその言葉に、頭が真っ白になった。
「妃たち、元妃である者たちには全員、既に後見人に許可を取っている。そうだよな?侯爵?」
メロディは勝手に実家に知らせたと思われるために、夫であるマーゼットに許可を取っていた。
「はい」
「あなたっ!」
「何もないことを証明するためじゃないか!関与していないのだろう?」
「当たり前じゃない」
マーゼットは拒否してずっと疑われることの方が、避けたいことであった。口止めはされていたが、メロディに言っても面倒なことになるだろうと言わなかった。
「ならば、いいじゃないか」
「でも、自白剤なんて」
「一週間、寝込むだけで証明が出来るのだ」
自白剤のことも後遺症もなく、一週間、発熱と頭痛で寝込むことにはなるが、薬も効くことを聞いていた。当たり前だが、ローズミーとペジリーとラオイには薬は与えられることはない。
「それとも何かあるのか?」
「ないわ!でも、自白剤なんて、怖いわ…だって、私は関わっていないのに、そんなこと…ねえ、そうでしょう?」
「では、一生疑われたいか?」
「一生だなんて…」
メロディは大袈裟だと思っており、どうにか回避したいとしか考えられずにいた。だが、マーゼットは受けるべきだと思っていた。
「妃の方たちが受けられたのに、君だけ受けないとなれば疑われて当然だろう?」
「それは」
「君も妃だったのだから、番様が殺されたということは、どれだけ重大な事か分かっているだろう?」
「ええ、でも」
「事件に対することしか聞くことはないから、安心しなさい」
何でも隠せず自白してしまうことから、不味いことを隠しているのは問題だが、関係していないことは自白からは外すことになっている。
「そうなのですか?」
「ああ、そうだ」
「でも」
「関与していないのなら、レティのために無実を証明して、安心させてくれ」
「っ、は…い…」
メロディは娘の名前を出されて、渋々ながら、自白剤を打たれることになった。同じようにしばらく待ち、尋問が開始される。
ローズミーとは違い、ペジリーやラオイと同じように、目を血走らせ、鼻息も荒くなっていった。
「私の番であるアイルーン・デリアを殺したのは、メロディか?」
「いっ、いえ、ちが、います」
マーゼットは、その答えにホッとした。
「では、誰かに頼んで、殺させたのか?」
「たのん、で、はない」
「ん?頼んではないとは、どういう意味だ?」
「ですから、動機がないと言って」
マーゼットはずっと、メロディを睨み付けていた。いつも言葉使いに気を付けろと言われており、義両親にも呆れられている。
「動機がありません」
ディオエルは黙ったまま、メロディを見据えた。
「どうして私が疑われるんですか、私が犯人だとでも言うのですか!いえ、言われるのですか…」
マーゼットがまだ睨み付けており、どんどん鋭い目つきになっているために、言葉使いをメロディなりに直した。
「だから、違うということを証明して欲しいと言っているんだ」
「あの、番の方が亡くなった日は、私は部屋におりました。だから、知りません」
妃全員がそう答えていたが、実際はローズミーとペジリーとラオイがアイルーンのところに行っていたことになり、そうなると皆の主張も信じられないものになる。
そういえば、どうやって忍び込んだことを聞き忘れていたと、今更ながらディオエルは思い出した。だが、時間もかなかった。
まあ、もう一度、自白剤を使って聞けばいいかと、思うことにした。
メロディも自白剤を使えば、白か黒かはっきりするだろう。
「皆がそう言っているが、嘘だったことが分かっている」
「私は本当です!」
「ならば、自白剤を使って証明してくれ」
「え?自白剤…?」
メロディはその言葉に、頭が真っ白になった。
「妃たち、元妃である者たちには全員、既に後見人に許可を取っている。そうだよな?侯爵?」
メロディは勝手に実家に知らせたと思われるために、夫であるマーゼットに許可を取っていた。
「はい」
「あなたっ!」
「何もないことを証明するためじゃないか!関与していないのだろう?」
「当たり前じゃない」
マーゼットは拒否してずっと疑われることの方が、避けたいことであった。口止めはされていたが、メロディに言っても面倒なことになるだろうと言わなかった。
「ならば、いいじゃないか」
「でも、自白剤なんて」
「一週間、寝込むだけで証明が出来るのだ」
自白剤のことも後遺症もなく、一週間、発熱と頭痛で寝込むことにはなるが、薬も効くことを聞いていた。当たり前だが、ローズミーとペジリーとラオイには薬は与えられることはない。
「それとも何かあるのか?」
「ないわ!でも、自白剤なんて、怖いわ…だって、私は関わっていないのに、そんなこと…ねえ、そうでしょう?」
「では、一生疑われたいか?」
「一生だなんて…」
メロディは大袈裟だと思っており、どうにか回避したいとしか考えられずにいた。だが、マーゼットは受けるべきだと思っていた。
「妃の方たちが受けられたのに、君だけ受けないとなれば疑われて当然だろう?」
「それは」
「君も妃だったのだから、番様が殺されたということは、どれだけ重大な事か分かっているだろう?」
「ええ、でも」
「事件に対することしか聞くことはないから、安心しなさい」
何でも隠せず自白してしまうことから、不味いことを隠しているのは問題だが、関係していないことは自白からは外すことになっている。
「そうなのですか?」
「ああ、そうだ」
「でも」
「関与していないのなら、レティのために無実を証明して、安心させてくれ」
「っ、は…い…」
メロディは娘の名前を出されて、渋々ながら、自白剤を打たれることになった。同じようにしばらく待ち、尋問が開始される。
ローズミーとは違い、ペジリーやラオイと同じように、目を血走らせ、鼻息も荒くなっていった。
「私の番であるアイルーン・デリアを殺したのは、メロディか?」
「いっ、いえ、ちが、います」
マーゼットは、その答えにホッとした。
「では、誰かに頼んで、殺させたのか?」
「たのん、で、はない」
「ん?頼んではないとは、どういう意味だ?」
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