【完結】愛しくない、あなた

野村にれ

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【テイラー】通告

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「国王の気持ちはよく分かったよ」
「っな、どうしてここへ……」

 隣と繋がるドアから現れたために、隣の部屋にいたとしか思えない登場に、ギリシスは口をパクパクとさせていた。

 そして、続いてシュアリア、エレサーレも呆れた顔をして姿を現した。

「お、お前たち」
「そなたが、自分の犯した責任をどういう対応をするかで、今後を考えさせてもらおうと、こちらが無理を言った」

 ギリシスは何と言えば正解なのかと考えながら、目を完全に泳がせており、マフスも不在であるために本当にひとりであった。

「いえ、ですが、両親ですから、いずれ話をしておかないとなりませんから。怪我のことは言っておりません」
「親だというのなら、怪我のことを知らせてやった方が良かったのではないか?娘が苦しんでいるのだぞ?」

 ディオエルはソラードを、テイラーの言うように距離を感じるような物言いではあったが、それでもテイラーをすぐさま差し出すような父親ではないと判断した。

 国王陛下を相手にも気弱ではあるが、きちんと難しいことを伝えていた。

 しかも、おそらくどうして命令をしないのかと、疑問に思っている様子であった。

 テイラーは見舞いは拒否していることは分かった上で、親だというのなら、知らせてやる方が余程いいとすら思っていた。

「それは……あの、勝手に伝えてはと思ってのことで」

 皇帝陛下の許可がいるだろうと思い、言わなかったことであったが、それよりも怪我よりも妃になるように説得することを通そうとしていたために、図星であった。

「そなたにはテイラー嬢のことが最優先ではあるが、追々責任を取って貰うことにする。国王だというのなら、手本にならなくてはならない。ライシード」
「は!」
「こちらが竜帝国からの要望書でございます」

 隣の部屋で要望書を作っており、ライシードが差し出した要望書を、ギリシスは手が震えて、受け取れなかった。

 そこへマフスも戻って来て、マフスが代わりに受け取ることになった。

「私がお預かりします」
「宰相!」
「当然ではありませんか、一つ一つ責任を持って話すように言ったはずです。間違いだったと帰らせることもできたはずです。ですが、陛下はされませんでした」
「それは……」
「その通りです!責任をお取りください。もちろん、私も取ります」

 すべてを聞いていたシュアリアも、ギリシスに最終判断を突きつけた。

「っな、だが話し合おうと」
「テイラー嬢は危険な状態だと言うのに?どうやって話し合うのです!今、行うことではないはずです!しかも、皇帝陛下もテイラー嬢も結婚を望んでいないのに、ないものの何を話し合うというのです」

 現在の全ての集約したようなシュアリアの言葉に、ギリシスはまた口をパクパクを言葉にならなかった。言い返せないのならば、大人しくしておけばいいものをとしか思えなかった。

 シュアリアはギリシスが同席して欲しいと言うこと、皇帝陛下に相談をするなどしてくれることも、僅かながら期待をしていた。

 だが、結局は言わずにこっそり会う道を選んだのは本人である。

「皇帝陛下、監視という形でいいですか?それとも、どこかに隔離しておきますか?」

 事件が起きたのはミリオン王国で、被害者はミリオン王国の国民ではあるが、犯人はイオリクであるために、シュアリアはまずは竜帝国に任せることを決めた。

 その後、ミリオン王国も双方の罰を受けてもらおうという話を、ディオエルと話がまとまっていた。

「国王陛下なのだから、逃げたり、隠そうとすることはないだろう?」
「さようでございますね」

 シュアリアはギリシスを睨み付け、ディオエルへ頭を下げた。

「承知いたしました」

 ディオエルたちは部屋に戻って行き、シュアリアはマフスに一回だけ頷き、そのままギリシスと話をすることもなく出て行った。
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