【完結】私は運命なのですか

野村にれ

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結婚2

 父親に興味を示されなかった女五人。

 姉妹が話していると父親が怒鳴り機嫌が悪くなるために、べったり仲が良いというわけではなかったが、抱える思いは同じだっただろう。

 長女・セオは第一子であるために女かとは言われたが、まだ一人目だったために良い方で、二女・クリスもまた女かと明らかに嫌な顔をするようになり、三女であるロミ辺りからは言葉ではなく溜息のような存在になっていた。

 四女・エイク、五女・ライアも同様で、第六子にようやくマシューが生まれたのである。父親はマシューのことには一喜一憂し、彼のことだけを考えている。

 自分たちが生まれないことになっても、離縁すれば良かったのではないかと思わずにはいられなかった。

 名前が令嬢らしくないのは、男の子の名前しか父親が考えていないからである。

 その日もエレット公爵家に妹たちがやって来ており、将来に悲観していた。現在、エイクが16歳とライア15歳で、当然のように婚約者はいない。

 だが、結婚したいかと言われると母親を見ていると、そうとも言えない。セオは幸せそうにしているが、クリスも楽しそうである。とにかく家を出るのがいいとだけは分かっている。

「お母様は元気?」
「ええ、元気だとは思うわ」

 家の中の中心は父親とマシューであるために、母もエイクもライアは空気である。

 それでも母は女ばかりと言われながら、六人の子どもを産み、夫に従って来たような人であり、蔑ろにされている姉妹にごめんねと謝ってくることはあっても、現状を変えようとする人ではない。

 心配するのは健康面くらいで、健康であればいい。

「それなら良かったわ」

 アフタヌーンティーが用意されて、三人でお茶をしていた。

 エレット公爵家もベルブルー伯爵家のことを口出しはしないが、姉妹たちはいつでも来てくれていいと言われている。

 エイクはロミが残っていたチーズケーキを取って食べている姿に、首を傾けた。

「ロミ姉様、チーズケーキあまり好きではなかったのではない?」
「そんなことないわ」
「そう?」

 エイクはロミがチーズは好きだが、甘いチーズケーキは好きではないと言っていたはずだった。今日のチーズケーキも甘さ控えめということもなかった。

 好き嫌いなどなさそうなロミだが、味覚は過敏なのか好きではない物も多かった。

「公爵家のチーズケーキは違うんじゃない?」
「ああ、そうかもしれないわね」

 ロミは不思議な顔をしていたが、すっかり公爵家で夫人となった姉も変わったのだろうと思う些細な違和感であった。

 だが、息抜きにやって来る妹たちはそのようなことが度々あった。

 それでも、ベルブルー伯爵家では出てこないような物が、エレット公爵家では出ることから、嫌いではなくなったのだろうと深くは考えなかった。

 結婚して、初めて社交界では姿を現したエドワースとロミは揃い装いで、エドワースの言葉にロミが微笑んで頷く様子が見受けられた。

 ふたりの姿に国王陛下も挨拶の際に、満足そうに祝いを述べた。

「運命とは素晴らしい。お似合いの二人だな。エドワース良かったな、おめでとう」
「ありがとうございます」
「夫人も幸せそうで何よりだ、ふたりでしっかり公爵家を盛り立ててくれ」
「はい、ありがとうございます。誠心誠意、務めさせていただきます」

 ベルブルー伯爵家の忘れられた令嬢だったはずが、エドワースに見初められたことで、ロミは美しくなったと評判で、その後はどこでもふたりは仲睦まじく、その姿は憧れの存在になっていった。

 その後もパーティーでエドワースとロミは注目を集めることになった。

 だが、ドレスを決める際にもロミは勧められるがままであることに気付いた。義母が付いている時は決めてくれるためにいいのだが、ロミだけだと考える様子もなく、それでと決めてしまう。

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