35 / 85
体感
しおりを挟む
チェルシーの知らないところでは、キャローズは結局、希望のパーティーには誘われないまま、義両親とも距離を取られており、相手にしてくれるのはシルヴァルだけで、暇を持て余していた。
そして、生理が遅れていることに気付き、もしかしたら子どもが出来たのではないかと嬉しくなった。だが、同時に子どもを産んだら、モデルは出来るのだろうかと不安にもなった。
でも、モデルは若い女性もいるが、大人の女性もいる。
侯爵家でようやく役割が出来て、大人の女性としてモデルになればいいと考え、シルヴァルに相談することにした。
「シルヴァル様、私、妊娠したかもしれない」
「え?」
「赤ちゃんよ」
キャローズは嬉しそうに、お腹を撫でていたが、シルヴァルは眉間に皺を寄せた。
「私は避妊薬を服用している」
「え…でも、出来る可能性だってあるんじゃないの?」
「ない」
侯爵令息が、安価な避妊薬を使うはずがない。
「でも、あなたの子以外ありえないわ!」
「だったら、子どもは出来ていないだろう。そもそも、三年は待ってくれと言っただろう?」
シルヴァルは一瞬、浮気を疑いはしたが、そんなことが出来るような女性だとは思えなかった。契約結婚をした際に、三年は子どもは作れないと話をしていたはずなのに、それも覚えていないことに不信感を感じた。
「そうだけど…」
キャローズは、あれからパーティーも、モデルの誘いもないことが不満だった。それでも実家には手紙が届いていないか確認は欠かさない。
一週間、二週間、三週間経っても、キャローズに生理は来なかった。
シルヴァル意外と関係を持っていないために、妊娠しているならシルヴァルの子ども以外あり得ない。だが、まだ子どもを産むことは出来ないと言われているために、どうしたらいいのかと思っていた。
もし、妊娠していたら、今は諦めるように言われるのではないか。そんなことは出来ないと、すっかり母性を持ったキャローズは、生理が来たと嘘をついた。
だが、一ヶ月が過ぎても来なかった。
避妊薬は絶対ではなかったのだと、間違いなく妊娠していると確信したキャローズは、母親になれるのだ。この子は侯爵家の後継者になるのだと、嬉しく思った。
どのくらい経てば、産むしかないとなるのかは、分からなかったが、また生理が来ない、前も生理ではなかったかもしれないとシルヴァルに打ち明けることにした。
「また?」
「ええ…お医者様を呼んで貰うことは出来ない?」
「そうだな、何か病気かもしれないし、診て貰おう」
「ありがとう」
心配そうなシルヴァルに、キャローズは浮足立っていた。
侍医を呼んで、邸で世話をしている女性の生理が遅れている、病気かもしれないと伝えて、キャローズは診察を受けることになった。
念のために尿を取って、検査ステックで妊娠の可能性も調べることになった。
診察は恥ずかしかったが、病気かもしれないと思わせて、妊娠していたなど、なんてロマンティックなのだろうと、キャローズは笑みを抑えるのが大変であった。
妊娠の有無の結果が出るまで時間が掛かるために、キャローズはベットで待つことになった。
その間、侍医とシルヴァルは別室で話をしていた。
「子宮の動きが悪いかもしれませんね…」
「何か病気なのか」
「詳しい検査をしてみないと分かりませんね」
「そうなのか」
「ええ、若い女性なので、今後妊娠を考えているでしょうから、一度、病院で調べてみた方がいいかもしれませんね」
侍医は弁えているので、愛人なのかなどと問うことはない。そして、妊娠の方も結果が出た。
「やはり妊娠はしていませんね」
「そうか」
そのまま侍医には帰って貰い、シルヴァルが話をすることにした。
「結果は出たの?」
キャローズはわざと、しおらしく訊ねてみることにした。
そして、生理が遅れていることに気付き、もしかしたら子どもが出来たのではないかと嬉しくなった。だが、同時に子どもを産んだら、モデルは出来るのだろうかと不安にもなった。
でも、モデルは若い女性もいるが、大人の女性もいる。
侯爵家でようやく役割が出来て、大人の女性としてモデルになればいいと考え、シルヴァルに相談することにした。
「シルヴァル様、私、妊娠したかもしれない」
「え?」
「赤ちゃんよ」
キャローズは嬉しそうに、お腹を撫でていたが、シルヴァルは眉間に皺を寄せた。
「私は避妊薬を服用している」
「え…でも、出来る可能性だってあるんじゃないの?」
「ない」
侯爵令息が、安価な避妊薬を使うはずがない。
「でも、あなたの子以外ありえないわ!」
「だったら、子どもは出来ていないだろう。そもそも、三年は待ってくれと言っただろう?」
シルヴァルは一瞬、浮気を疑いはしたが、そんなことが出来るような女性だとは思えなかった。契約結婚をした際に、三年は子どもは作れないと話をしていたはずなのに、それも覚えていないことに不信感を感じた。
「そうだけど…」
キャローズは、あれからパーティーも、モデルの誘いもないことが不満だった。それでも実家には手紙が届いていないか確認は欠かさない。
一週間、二週間、三週間経っても、キャローズに生理は来なかった。
シルヴァル意外と関係を持っていないために、妊娠しているならシルヴァルの子ども以外あり得ない。だが、まだ子どもを産むことは出来ないと言われているために、どうしたらいいのかと思っていた。
もし、妊娠していたら、今は諦めるように言われるのではないか。そんなことは出来ないと、すっかり母性を持ったキャローズは、生理が来たと嘘をついた。
だが、一ヶ月が過ぎても来なかった。
避妊薬は絶対ではなかったのだと、間違いなく妊娠していると確信したキャローズは、母親になれるのだ。この子は侯爵家の後継者になるのだと、嬉しく思った。
どのくらい経てば、産むしかないとなるのかは、分からなかったが、また生理が来ない、前も生理ではなかったかもしれないとシルヴァルに打ち明けることにした。
「また?」
「ええ…お医者様を呼んで貰うことは出来ない?」
「そうだな、何か病気かもしれないし、診て貰おう」
「ありがとう」
心配そうなシルヴァルに、キャローズは浮足立っていた。
侍医を呼んで、邸で世話をしている女性の生理が遅れている、病気かもしれないと伝えて、キャローズは診察を受けることになった。
念のために尿を取って、検査ステックで妊娠の可能性も調べることになった。
診察は恥ずかしかったが、病気かもしれないと思わせて、妊娠していたなど、なんてロマンティックなのだろうと、キャローズは笑みを抑えるのが大変であった。
妊娠の有無の結果が出るまで時間が掛かるために、キャローズはベットで待つことになった。
その間、侍医とシルヴァルは別室で話をしていた。
「子宮の動きが悪いかもしれませんね…」
「何か病気なのか」
「詳しい検査をしてみないと分かりませんね」
「そうなのか」
「ええ、若い女性なので、今後妊娠を考えているでしょうから、一度、病院で調べてみた方がいいかもしれませんね」
侍医は弁えているので、愛人なのかなどと問うことはない。そして、妊娠の方も結果が出た。
「やはり妊娠はしていませんね」
「そうか」
そのまま侍医には帰って貰い、シルヴァルが話をすることにした。
「結果は出たの?」
キャローズはわざと、しおらしく訊ねてみることにした。
2,057
あなたにおすすめの小説
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。
しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。
友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。
『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。
取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。
彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。
王子様への置き手紙
あおた卵
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
殿下、もう何もかも手遅れです
魚谷
恋愛
偉大なる国王が崩御した。
葬儀の場で、王太子アドルフォスは、父王が病床にいるのを良いことに国を思うがままにしようとする、婚約者である公爵令嬢ロザリンデと、その父である宰相を断罪しようと決意する。
全ては自分が次の王に相応しいことを、その場にいる全ての貴族たちに示すため。
アドルフォスは自分の勝利を信じて疑わなかった。
自分には、麗しい子爵令嬢で、数百年に一度生まれる聖女の力に覚醒したエレインという心強い味方がいるのだから。
勝利は揺るぎないはずだった……そう、アドルフォスの頭の中では。
これはひとつの国の終わりの物語。
★他のサイトにも掲載しております
★13000字程度でサクッとお読み頂けます
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる