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絶望
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「ビアンカ伯母様には、全て話してありますわ」
チェルシーはトートレイ伯爵家で一人で苦労していることを、ビアンカも知っており、何かあったら言って来なさいと言われている。
今回の件もルイだけでも十分だったが、念のために全て話してあり、チェルシーの意志は尊重してくれたが、馬鹿な家族だと評価を下されている。
「え…」
「伯母様には気に掛けて貰っておりますから。フォスト侯爵家のことも、縁が切れて良かったと申しております」
「そんな…」
「嘘…」
間接的ではあるが、ビアンカに言われたことで、二人は酷くショックを受けた。
「頼んでもいなければ、再婚の話もないのに、私を理不尽な再婚から守るためなどと勝手に言い、恋人と一緒にいたいために契約結婚を持ち掛けるなど、再婚を強要されるなら、あらゆる力を駆使して、断れますのに」
ビアンカのことでチェルシーが似ていることで、嫁に出来たらと考えていたのに、ビアンカに頼めば、他国とはいえ、公爵家の力を使うことは可能だろうことに、ようやく気付いた。
「だけど、了承してもいいと思ったのでしょう?」
「ですから、数年の話だと思っていたのですよ」
「数年…」
「キャローズさんが子どもを産めば、終わりにしようと思っておりましたの」
「でも、産んでいないわ」
シルヴァルはキャローズとの子どもを望んでいたが、産ませるつもりもなければ、いずれ目が覚めるだろうと考えていた。
チェルシーやルイはキャローズに、避妊薬を服用させていたのではないかと疑っていたが、当然のように服用させており、シルヴァルも自ら服用していたので、妊娠することはまずない状況だった。
「その前にキャローズさんと別れたことで、契約は終了しましたから」
「シルヴァルのことは、何とも思っていないの?」
「横恋慕する趣味はございませんわ、そうでしょう?」
いい年をした夫婦が、恋人もいる男性との契約結婚から愛が芽生えるなどと、考えていたのだとしたら、頭の中が幼過ぎると判断するところである。
「でも…」
「私の夫はロインだけでございます」
「子どもを産みたくないの?」
「ええ、フェルニナ伯爵家には義弟夫妻がおり、私が産む必要もありませんし、ロインではないのなら要りませんわ」
「でも、女の幸せは」
「私は好きな方と結婚することが出来て、十分幸せです。人に決めて貰うことではありませんわ」
お前に決めて貰うことはないと、チェルシーと言っているのである。
「っ」
「もうよろしいですか?」
「本当に無理なんだな?」
キラードは諦めきれず、最後にもう一度、問うことにした。
「最初から終わりが見えていたことです」
「そうか…帰ろう」
「あなた…」
ようやく帰って行く姿を見て、チェルシーが危機回避をしていたこともあるが、下品な人たちではなかったが、トートレイ伯爵家とは違う親としては問題があるのだと思っていた。
「もう来ないで欲しいですわね」
「大丈夫でしょう、伯母様のファンだったのかしら?」
「そのような感じでしたね」
「まだしつこくされるようなら、伯母様に頼もうかしら?でも、わざわざ来て貰うのもねって、ルイ様に頼んで置いて、それは失礼しかしら」
ビアンカは元気ではあるが、隣国であるために、余程のことではない限りは頼むことはしなかった。ルイ様に頼んだのも、結婚のことがあったからである。
「ルイ様は頼って欲しいと言われているのですから、問題ございません」
「そうかしら。はあ…念願の恋人と別れたのだから、ちゃんとした妻を探すことに尽力すればよろしいのに」
「おそらく、そうするのではありませんか」
「そうね」
チェルシーに言われたことと、ビアンカにも知られたことから、キラードとリーリアンがチェルシーを訪ねて来ることはなかった。
チェルシーはトートレイ伯爵家で一人で苦労していることを、ビアンカも知っており、何かあったら言って来なさいと言われている。
今回の件もルイだけでも十分だったが、念のために全て話してあり、チェルシーの意志は尊重してくれたが、馬鹿な家族だと評価を下されている。
「え…」
「伯母様には気に掛けて貰っておりますから。フォスト侯爵家のことも、縁が切れて良かったと申しております」
「そんな…」
「嘘…」
間接的ではあるが、ビアンカに言われたことで、二人は酷くショックを受けた。
「頼んでもいなければ、再婚の話もないのに、私を理不尽な再婚から守るためなどと勝手に言い、恋人と一緒にいたいために契約結婚を持ち掛けるなど、再婚を強要されるなら、あらゆる力を駆使して、断れますのに」
ビアンカのことでチェルシーが似ていることで、嫁に出来たらと考えていたのに、ビアンカに頼めば、他国とはいえ、公爵家の力を使うことは可能だろうことに、ようやく気付いた。
「だけど、了承してもいいと思ったのでしょう?」
「ですから、数年の話だと思っていたのですよ」
「数年…」
「キャローズさんが子どもを産めば、終わりにしようと思っておりましたの」
「でも、産んでいないわ」
シルヴァルはキャローズとの子どもを望んでいたが、産ませるつもりもなければ、いずれ目が覚めるだろうと考えていた。
チェルシーやルイはキャローズに、避妊薬を服用させていたのではないかと疑っていたが、当然のように服用させており、シルヴァルも自ら服用していたので、妊娠することはまずない状況だった。
「その前にキャローズさんと別れたことで、契約は終了しましたから」
「シルヴァルのことは、何とも思っていないの?」
「横恋慕する趣味はございませんわ、そうでしょう?」
いい年をした夫婦が、恋人もいる男性との契約結婚から愛が芽生えるなどと、考えていたのだとしたら、頭の中が幼過ぎると判断するところである。
「でも…」
「私の夫はロインだけでございます」
「子どもを産みたくないの?」
「ええ、フェルニナ伯爵家には義弟夫妻がおり、私が産む必要もありませんし、ロインではないのなら要りませんわ」
「でも、女の幸せは」
「私は好きな方と結婚することが出来て、十分幸せです。人に決めて貰うことではありませんわ」
お前に決めて貰うことはないと、チェルシーと言っているのである。
「っ」
「もうよろしいですか?」
「本当に無理なんだな?」
キラードは諦めきれず、最後にもう一度、問うことにした。
「最初から終わりが見えていたことです」
「そうか…帰ろう」
「あなた…」
ようやく帰って行く姿を見て、チェルシーが危機回避をしていたこともあるが、下品な人たちではなかったが、トートレイ伯爵家とは違う親としては問題があるのだと思っていた。
「もう来ないで欲しいですわね」
「大丈夫でしょう、伯母様のファンだったのかしら?」
「そのような感じでしたね」
「まだしつこくされるようなら、伯母様に頼もうかしら?でも、わざわざ来て貰うのもねって、ルイ様に頼んで置いて、それは失礼しかしら」
ビアンカは元気ではあるが、隣国であるために、余程のことではない限りは頼むことはしなかった。ルイ様に頼んだのも、結婚のことがあったからである。
「ルイ様は頼って欲しいと言われているのですから、問題ございません」
「そうかしら。はあ…念願の恋人と別れたのだから、ちゃんとした妻を探すことに尽力すればよろしいのに」
「おそらく、そうするのではありませんか」
「そうね」
チェルシーに言われたことと、ビアンカにも知られたことから、キラードとリーリアンがチェルシーを訪ねて来ることはなかった。
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