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慄く
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「久し振りね、元気にしていた?」
「ああ、姉上も…会ってくれてありがとう」
先触れを出すと、両親に見付かってしまうかもしれないために、直接訪ねたことで、会って貰ない可能性も考えていた。
「何だか、人になった感じがするわ」
「え?」
「あなたはきっと私と同じように、両親に期待することを諦めたのではない?感情があまり持たないようにしているのではないかと、感じていたの」
「え?」
ジラードと同じようなことを言われて、シルヴァルは驚いた。
「私は蔑ろに、あなたは構われ過ぎていた。でも、あなたを助けることは出来なかったわ。ごめんなさいね」
「いえ、私の方こそ、姉上に何か出来たはずです」
話をしてみれば、二人は境遇は違ったが、両親に振り回された子どもであった。
「お互いにそう思っていたのね」
「でも、姉上の方が辛かったはずです」
「いいえ、当時は羨ましい気持ちがなかったとは言えない。でも今となっては、私があなたの立場でも、辛かったと思うわ」
ミシュリナは両親に不満を持ち、シルヴァルを恨んだこともあったが、まだ怒っている内は良かった。時間が経つにつれ、色んなことを諦めるようになった。
シルヴァルにも関わらないようにしていたが、シルヴァルも自分のせいで、ミシュリナが怒られることは困っている様子が見て取れ、感情を持たなくなっていくように感じていた。
「そうでしょうか…」
「無意識だったのかもしれないわね」
「同級生もそう言われました」
「私も、もっと早くにあなたとは話をするべきだったわね」
その後、シルヴァルはチェルシーのこと以外を、恥ずかしながら全てを話した。
ミシュリナは笑ったり、馬鹿にすることなく真剣に話を聞き、本当に困ったらまた相談に来てと言われて、シルヴァルはとても楽になった。
結婚した妻は婚約者がいたが、婚約が解消になって、留学をしており、シルヴァルと同じ初婚であった。
キャローズのことを伝えて、納得して貰った上で結婚をした。しっかりとした女性で、ジラードにも良かったと言われ、姉もおめでとうと喜んでくれた。
チェルシーに子どもがいる、その後にはメイジーの子どもを育てていることは、シルヴァルの耳にも入った。自身の子ではないが、チェルシーはやはり世話をすることが似合っている。
だが、家族でもないシルヴァルが頼むことではなかった。
両親は妻のことが気に入らないわけではなかったが、チェルシー自身が子どもを産むべきなのにと、こぼしていたが、それこそ余計なお世話である。
偶然、王宮でシルヴァルは、遠くにチェルシーを見付けた。
その隣には国王陛下がおり、とても楽しそうに談笑しており、近しい間柄であったことに慄くことになった。
ギフトのことがあるから、おかしくはないが、ルイとも親しいのではないか。そんな疑問もあったが、もう関係ないのだからと、頭から振り払った。
幸せそうな姿に安堵だけすることにした。
きっと今も、ロインを愛しながら生きている。邪魔をして申し訳なかったと、遠くから頭を下げて、シルヴァルは去ることにした。
シルヴァルのギフトは目が良いことで、聞くことのないままのキャローズはと言うと、髪の毛が伸びるのが早いであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただきありがとうございます。
契約結婚に巻き込んだ側と巻き込まれた側、
ギフトを敢えて前面に出さないようにした作品でした。
話のタイトルをビジネス用語にしてみましたが、
読み返すと意味が分からない物ばかりです…馴染みませんね。
そして、書きながらギフト満載で書くのも楽しいだろうなと思い、
いずれ書いてみたいなと思っております。
お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
他の作品も、よろしくお願いいたします。
「ああ、姉上も…会ってくれてありがとう」
先触れを出すと、両親に見付かってしまうかもしれないために、直接訪ねたことで、会って貰ない可能性も考えていた。
「何だか、人になった感じがするわ」
「え?」
「あなたはきっと私と同じように、両親に期待することを諦めたのではない?感情があまり持たないようにしているのではないかと、感じていたの」
「え?」
ジラードと同じようなことを言われて、シルヴァルは驚いた。
「私は蔑ろに、あなたは構われ過ぎていた。でも、あなたを助けることは出来なかったわ。ごめんなさいね」
「いえ、私の方こそ、姉上に何か出来たはずです」
話をしてみれば、二人は境遇は違ったが、両親に振り回された子どもであった。
「お互いにそう思っていたのね」
「でも、姉上の方が辛かったはずです」
「いいえ、当時は羨ましい気持ちがなかったとは言えない。でも今となっては、私があなたの立場でも、辛かったと思うわ」
ミシュリナは両親に不満を持ち、シルヴァルを恨んだこともあったが、まだ怒っている内は良かった。時間が経つにつれ、色んなことを諦めるようになった。
シルヴァルにも関わらないようにしていたが、シルヴァルも自分のせいで、ミシュリナが怒られることは困っている様子が見て取れ、感情を持たなくなっていくように感じていた。
「そうでしょうか…」
「無意識だったのかもしれないわね」
「同級生もそう言われました」
「私も、もっと早くにあなたとは話をするべきだったわね」
その後、シルヴァルはチェルシーのこと以外を、恥ずかしながら全てを話した。
ミシュリナは笑ったり、馬鹿にすることなく真剣に話を聞き、本当に困ったらまた相談に来てと言われて、シルヴァルはとても楽になった。
結婚した妻は婚約者がいたが、婚約が解消になって、留学をしており、シルヴァルと同じ初婚であった。
キャローズのことを伝えて、納得して貰った上で結婚をした。しっかりとした女性で、ジラードにも良かったと言われ、姉もおめでとうと喜んでくれた。
チェルシーに子どもがいる、その後にはメイジーの子どもを育てていることは、シルヴァルの耳にも入った。自身の子ではないが、チェルシーはやはり世話をすることが似合っている。
だが、家族でもないシルヴァルが頼むことではなかった。
両親は妻のことが気に入らないわけではなかったが、チェルシー自身が子どもを産むべきなのにと、こぼしていたが、それこそ余計なお世話である。
偶然、王宮でシルヴァルは、遠くにチェルシーを見付けた。
その隣には国王陛下がおり、とても楽しそうに談笑しており、近しい間柄であったことに慄くことになった。
ギフトのことがあるから、おかしくはないが、ルイとも親しいのではないか。そんな疑問もあったが、もう関係ないのだからと、頭から振り払った。
幸せそうな姿に安堵だけすることにした。
きっと今も、ロインを愛しながら生きている。邪魔をして申し訳なかったと、遠くから頭を下げて、シルヴァルは去ることにした。
シルヴァルのギフトは目が良いことで、聞くことのないままのキャローズはと言うと、髪の毛が伸びるのが早いであった。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
契約結婚に巻き込んだ側と巻き込まれた側、
ギフトを敢えて前面に出さないようにした作品でした。
話のタイトルをビジネス用語にしてみましたが、
読み返すと意味が分からない物ばかりです…馴染みませんね。
そして、書きながらギフト満載で書くのも楽しいだろうなと思い、
いずれ書いてみたいなと思っております。
お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
他の作品も、よろしくお願いいたします。
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