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お花畑だった家族の真実2
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「私は他国の人間だからね、申し訳ないけど、伝手がないよ」
「そうよね…」
「力のある人に相談するか、渡した方がいいんじゃないかい?」
「力のある人?」
力のある人は既に敵に回しているのだが、勉強も社交もしておらず、友人もいないキャリーヌには誰が力があるのか、分からない。
「ああ、そんな重要な手紙なら、きちんと判断をしてくれる人に託さないと、握りつぶされてしまうだろう?」
「誰がいいのかしら?」
「自分の国なのだから、君の方が詳しいだろう?」
「ええ、そうよね」
キャリーヌは、自身で考えた力のある人に、手紙を持って行くことにした。
そして、選んだのは恐れ多くも、国王陛下であった。
王城に呼び出された時点で、陛下も把握していると考えは及んでおらず、力がある、偉い、国王陛下と考えただけである。
だが、簡単に会える相手ではないことを分かっていない。通常なら申請をして、返事を待って、会うことになる。正直、直接会えない場合の方が多い。
だからこそ、ソアリ伯爵家のことも、宰相が告げたのである。
常識知らずのキャリーヌは、マックスに時間を使いたいので、早く持って行こうと考え、何の迷いもなく、王城へ向かい、まず門番に訴えた。キャリーヌは、痩せ細っているわけではないので、庇護欲をそそる質ではない。
「国王陛下に、大事な手紙を渡したいのです」
勿論、門番に約束のない方は御通し出来ませんと言われるに決まっている。
「とても大事な手紙なんです」
「何の手紙ですか」
「お姉様の手紙です。お姉様の手紙が見付かったのです」
「お姉様?」
「あっ、はい、私、ご存知かもしれませんが、キャリーヌ・ソアリと言います。姉はベルアンジュ・ソアリです」
門番はなんだこいつは、誰なんだと思っていたが、キャリーヌのことは知らないが、家名、ベルアンジュの名前を聞いて、噂の的の家であることに気付いた。お姉様ということは、妹だというのか。
「お姉様の大事な手紙なのです。ですから、国王陛下に会いたいのです」
「そうは言われても、簡単にお会いできる方ではないんですよ。まずはお願いをして、約束をして、会って貰うのです」
あの家はおかしいと言われているので、分かり易く答えた。
「でも大事な手紙なのですから、早くお渡ししなくてはならないと思って」
そんなやり取りをしている間に、話の聞こえた別の門番が伝えに行っており、宰相補佐官が対応することになった。
「私が対応しよう」
「補佐官様…お願いいたします」
補佐官は数名いるのだが、やって来たのはラオルス公爵の息子、ランバート・ラオルス。ベルアンジュの葬儀にも参列した嫡男で、ベルーナの偽婚約者である。
「手紙は持って来ているのか?」
参列していないキャリーヌは、誰かも分かっていないが、ランバートの精悍な姿に惚けてしまった。他国の姫に目に目を付けられるくらいであるため、ランバートはその視線には慣れている。
「持って来ているのか?」
「っあ、はい、持って来ています」
「では預かるために、サインをして貰おう」
「っはい、お願いします」
意気揚々とランバートに付いて行き、門番の様子、お付きを連れていることから、きっと偉い人だろう。そして、自分の味方になってくれると、口角を上げた。
応接室に通されて、事情を聞くことになった。
「ベルアンジュ・マリクワンの大事な手紙だと聞いたが?」
「マリクワン?ああ、そっか」
キャリーヌはベルアンジュが邸にいなかったのにも関わらず、嫁いだという感覚が未だになかった。
「ええ、そうです。姉からの手紙が出て来たのです。内容を読んだら、大事な内容だと思ったので、お持ちしましたの」
「そうか、出してもらえるか?」
「っは、はい」
こちらですと出した手紙は、あの自作自演の手紙である。
「そうよね…」
「力のある人に相談するか、渡した方がいいんじゃないかい?」
「力のある人?」
力のある人は既に敵に回しているのだが、勉強も社交もしておらず、友人もいないキャリーヌには誰が力があるのか、分からない。
「ああ、そんな重要な手紙なら、きちんと判断をしてくれる人に託さないと、握りつぶされてしまうだろう?」
「誰がいいのかしら?」
「自分の国なのだから、君の方が詳しいだろう?」
「ええ、そうよね」
キャリーヌは、自身で考えた力のある人に、手紙を持って行くことにした。
そして、選んだのは恐れ多くも、国王陛下であった。
王城に呼び出された時点で、陛下も把握していると考えは及んでおらず、力がある、偉い、国王陛下と考えただけである。
だが、簡単に会える相手ではないことを分かっていない。通常なら申請をして、返事を待って、会うことになる。正直、直接会えない場合の方が多い。
だからこそ、ソアリ伯爵家のことも、宰相が告げたのである。
常識知らずのキャリーヌは、マックスに時間を使いたいので、早く持って行こうと考え、何の迷いもなく、王城へ向かい、まず門番に訴えた。キャリーヌは、痩せ細っているわけではないので、庇護欲をそそる質ではない。
「国王陛下に、大事な手紙を渡したいのです」
勿論、門番に約束のない方は御通し出来ませんと言われるに決まっている。
「とても大事な手紙なんです」
「何の手紙ですか」
「お姉様の手紙です。お姉様の手紙が見付かったのです」
「お姉様?」
「あっ、はい、私、ご存知かもしれませんが、キャリーヌ・ソアリと言います。姉はベルアンジュ・ソアリです」
門番はなんだこいつは、誰なんだと思っていたが、キャリーヌのことは知らないが、家名、ベルアンジュの名前を聞いて、噂の的の家であることに気付いた。お姉様ということは、妹だというのか。
「お姉様の大事な手紙なのです。ですから、国王陛下に会いたいのです」
「そうは言われても、簡単にお会いできる方ではないんですよ。まずはお願いをして、約束をして、会って貰うのです」
あの家はおかしいと言われているので、分かり易く答えた。
「でも大事な手紙なのですから、早くお渡ししなくてはならないと思って」
そんなやり取りをしている間に、話の聞こえた別の門番が伝えに行っており、宰相補佐官が対応することになった。
「私が対応しよう」
「補佐官様…お願いいたします」
補佐官は数名いるのだが、やって来たのはラオルス公爵の息子、ランバート・ラオルス。ベルアンジュの葬儀にも参列した嫡男で、ベルーナの偽婚約者である。
「手紙は持って来ているのか?」
参列していないキャリーヌは、誰かも分かっていないが、ランバートの精悍な姿に惚けてしまった。他国の姫に目に目を付けられるくらいであるため、ランバートはその視線には慣れている。
「持って来ているのか?」
「っあ、はい、持って来ています」
「では預かるために、サインをして貰おう」
「っはい、お願いします」
意気揚々とランバートに付いて行き、門番の様子、お付きを連れていることから、きっと偉い人だろう。そして、自分の味方になってくれると、口角を上げた。
応接室に通されて、事情を聞くことになった。
「ベルアンジュ・マリクワンの大事な手紙だと聞いたが?」
「マリクワン?ああ、そっか」
キャリーヌはベルアンジュが邸にいなかったのにも関わらず、嫁いだという感覚が未だになかった。
「ええ、そうです。姉からの手紙が出て来たのです。内容を読んだら、大事な内容だと思ったので、お持ちしましたの」
「そうか、出してもらえるか?」
「っは、はい」
こちらですと出した手紙は、あの自作自演の手紙である。
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