98 / 131
いよいよ
しおりを挟む
「いや、そうではないのだ。私がもう一人の令嬢の結果から、期待は出来ないと話したのだ。そうしたら、試験の結果を見せて欲しい。なぜ、特別だと思われているか、分かるかもしれないと言っておってな」
「なるほど、ヨルレアン嬢なら、それこそ解読が出来るのではないかということでしょうか?」
「そうだ」
言葉のスペシャリストととも言えるヨルレアンだからこそ、他者では気付けない、何か見えるものがあるのかもしれない。
「解読はするのでしょうか?」
「ああ。グルダイヤ侯爵は、解読の勉強はとても順調だと言っているそうだ」
「そ、そうなのですか?」
学園長は信じられない思いで、声を上げた。
「そうらしい。これからは解読がすらすら出来るようになるかもしれないなどと、言っているそうだ」
「信じられないのですが、誰に教わっているのでしょう?」
「知らん。王家が依頼している学者の中には、誰も教えている者はいないようだ」
グルダイヤ侯爵は教師を雇っていると言っていたが、学者たちも思い当たるような人物はおらず、誰が教えているのかと思っていた。
「半年教えたくらいで、どうにかなるものではないのではございませんか?」
「ああ、だが元々、翻訳と解読が出来るということだったのだから、追加で勉強をしているということなのだろうと判断している」
学園長も試験ももしかしたら、他の勉強もあって、試験勉強が出来なかったのかもしれないと、僅かながら思った。
「そうでしたね、日にちは決まったのですよね?」
「ああ、ようやく5日後に決まった。学園長も来るといい」
5日後は学園の休みの日になる。
学園長も是非、立ち会わせて欲しいと伝えてあった。
ヨルレアンから1ヶ月前には、準備が整ったことを知らされていたが、日程調整などもあり、ヨルレアンも試験を受けるために試験後に行うことになっていた。
アリナとファミラは解読の3日後には、帰国することになっている。
既に通達しており、グルダイヤ侯爵はようやくかと鼻を膨らませていた。
見せ付けるためだろうが、ギャラリーもいた方がいいということで、無暗にとはいかないが、集まることにもなっている。
「試験の結果で、伸ばすようなことはないのですか?」
「それは大丈夫だ。急病になった場合は行わないまま帰って貰う。試験の結果が悪くても、日程を伸ばすことは出来ないと伝えてある」
「良かったです」
そして、解読の前に試験の結果が返されることになった。
ファミラは前回よりは上がったが、それでも平均点すら取れていないことに、絶望した。勿論、成績優秀者にも入れるはずがない。
アリナは初めての試験であったために、前回のファミラのように、低い点数に驚いていた。
ルスデン王国では大して勉強しなくても、平均点は取れていた。そして、パレート語は勉強途中であったが、ビリズ語に至っては自分でも驚くほどであった。
ビリズ語はルスデン王国で学んでおり、出来るからと勉強すらしていなかった。
確かに分からないところも多かったが、それでも低過ぎる。採点間違えを疑ったが、答え合わせを聞くと、アリナの答えは間違っていた。
試験の結果に驚いたのは、グルダイヤ侯爵もであった。
通常の科目は、前回のファミラのことから、もしかしたらという思いはあった。だが、ビリズ語とパレート語ですら、良いとは言えなかった。
だが、解読の授業で何度か試験をしてみると、アリナは満点に近い結果であった。それがグルダイヤ侯爵の自信に繋がっていた。
グルダイヤ侯爵は、解読のこともあるためにアリナを呼び出した。
「実力が出せなかったのかい?」
「試験勉強がほとんど出来なかったのです」
「え?」
アリナはファミラのように授業を聞いて復習などはせず、試験前に言われた範囲を見直したくらいであった。
「なるほど、ヨルレアン嬢なら、それこそ解読が出来るのではないかということでしょうか?」
「そうだ」
言葉のスペシャリストととも言えるヨルレアンだからこそ、他者では気付けない、何か見えるものがあるのかもしれない。
「解読はするのでしょうか?」
「ああ。グルダイヤ侯爵は、解読の勉強はとても順調だと言っているそうだ」
「そ、そうなのですか?」
学園長は信じられない思いで、声を上げた。
「そうらしい。これからは解読がすらすら出来るようになるかもしれないなどと、言っているそうだ」
「信じられないのですが、誰に教わっているのでしょう?」
「知らん。王家が依頼している学者の中には、誰も教えている者はいないようだ」
グルダイヤ侯爵は教師を雇っていると言っていたが、学者たちも思い当たるような人物はおらず、誰が教えているのかと思っていた。
「半年教えたくらいで、どうにかなるものではないのではございませんか?」
「ああ、だが元々、翻訳と解読が出来るということだったのだから、追加で勉強をしているということなのだろうと判断している」
学園長も試験ももしかしたら、他の勉強もあって、試験勉強が出来なかったのかもしれないと、僅かながら思った。
「そうでしたね、日にちは決まったのですよね?」
「ああ、ようやく5日後に決まった。学園長も来るといい」
5日後は学園の休みの日になる。
学園長も是非、立ち会わせて欲しいと伝えてあった。
ヨルレアンから1ヶ月前には、準備が整ったことを知らされていたが、日程調整などもあり、ヨルレアンも試験を受けるために試験後に行うことになっていた。
アリナとファミラは解読の3日後には、帰国することになっている。
既に通達しており、グルダイヤ侯爵はようやくかと鼻を膨らませていた。
見せ付けるためだろうが、ギャラリーもいた方がいいということで、無暗にとはいかないが、集まることにもなっている。
「試験の結果で、伸ばすようなことはないのですか?」
「それは大丈夫だ。急病になった場合は行わないまま帰って貰う。試験の結果が悪くても、日程を伸ばすことは出来ないと伝えてある」
「良かったです」
そして、解読の前に試験の結果が返されることになった。
ファミラは前回よりは上がったが、それでも平均点すら取れていないことに、絶望した。勿論、成績優秀者にも入れるはずがない。
アリナは初めての試験であったために、前回のファミラのように、低い点数に驚いていた。
ルスデン王国では大して勉強しなくても、平均点は取れていた。そして、パレート語は勉強途中であったが、ビリズ語に至っては自分でも驚くほどであった。
ビリズ語はルスデン王国で学んでおり、出来るからと勉強すらしていなかった。
確かに分からないところも多かったが、それでも低過ぎる。採点間違えを疑ったが、答え合わせを聞くと、アリナの答えは間違っていた。
試験の結果に驚いたのは、グルダイヤ侯爵もであった。
通常の科目は、前回のファミラのことから、もしかしたらという思いはあった。だが、ビリズ語とパレート語ですら、良いとは言えなかった。
だが、解読の授業で何度か試験をしてみると、アリナは満点に近い結果であった。それがグルダイヤ侯爵の自信に繋がっていた。
グルダイヤ侯爵は、解読のこともあるためにアリナを呼び出した。
「実力が出せなかったのかい?」
「試験勉強がほとんど出来なかったのです」
「え?」
アリナはファミラのように授業を聞いて復習などはせず、試験前に言われた範囲を見直したくらいであった。
3,446
あなたにおすすめの小説
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
手放してみたら、けっこう平気でした。
朝山みどり
恋愛
エリザ・シスレーは伯爵家の後継として、勉強、父の手伝いと努力していた。父の親戚の婚約者との仲も良好で、結婚する日を楽しみしていた。
そんなある日、父が急死してしまう。エリザは学院をやめて、領主の仕事に専念した。
だが、領主として努力するエリザを家族は理解してくれない。彼女は家族のなかで孤立していく。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
妹から私の旦那様と結ばれたと手紙が来ましたが、人違いだったようです
今川幸乃
恋愛
ハワード公爵家の長女クララは半年ほど前にガイラー公爵家の長男アドルフと結婚した。
が、優しく穏やかな性格で領主としての才能もあるアドルフは女性から大人気でクララの妹レイチェルも彼と結ばれたクララをしきりにうらやんでいた。
アドルフが領地に次期当主としての勉強をしに帰ったとき、突然クララにレイチェルから「アドルフと結ばれた」と手紙が来る。
だが、レイチェルは知らなかった。
ガイラー公爵家には冷酷非道で女癖が悪く勘当された、アドルフと瓜二つの長男がいたことを。
※短め。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる