【完結】言いたくてしかたない

野村にれ

文字の大きさ
8 / 11

いいわけ

「ココのところは…大丈夫よね?」
「どうでしょう?スッキリしないとは言いましたわ」
「え?それは、そうですわよね…無理もないとは思いますけど」
「ち…ブルゾン嬢のことが分からないと、はいそうですかとは言えませんわ」

 〇えみと呼びそうになるのも、もはや侯爵令嬢としては、末期症状が近いのではないかと思っておりますの。

「気になることは、しっかり話し合ってね」
「ええ、そうですわね」

 それよりも理解して貰えない大問題を抱えているなどと言えるはずもなく、曖昧にほほ笑むしかなかった。

 レオナルドはキシリを手伝いで、忙しくしているようで、両親も私が何も言わないことで、婚約解消とは思っていないと思う。

 正直、小山持ちに嫁ぎたいからと、婚約解消が出来るとも思えない。

 ココは久し振りにレオナルドから手紙を貰って、邸に行くと応接室にはレオナルドと一緒にキシリがいた。

「あら?キシリ様。私、お邪魔ではないかしら?」
「いいや、邪魔なのは私の方だろうが、説明をしたいと思って来たんだ」
「説明ですか?」
「レオを巻き込んだのは私だからな、それでココ嬢が悩んでいると聞いて同席させて貰ったんだ」

 悩みはそこではないのだがと思いながら、話を聞くことにした。

「ブルゾン嬢のことは、私が無理に言って頼んだんだ」
「そう伺っています。ですが、すぐに拘束すれば良かったのではありませんか?」
「証拠がなかったんだ」
「既に被害者がいたのでしょう?」
「だが、魅了眼などとは思わないだろう?」
「そういうことですか、キシリ様ならすぐに分かったのかと思っておりましたわ」

 優秀な魔術師であるキシリなら、すぐに〇えみが魅了眼だと、気付いたのだと思っていた。それなのにハーレムを築く理由が必要だったのかとは思っていた。

「いや、おかしいことに気付いてはいたが、分からなかった」
「私がすぐに分かったような言い方をしてしまったから。伝え方が良くなかったな…すまない」
「鑑定の魔術に優れたものが見ても、信じられないという状況だったんだ」
「ほう」

 魅了眼という眉唾ものに、皆が混乱していたのかもしれない。

「それで、授けられたというのはどうなったのですか?」
「あれはそう言っている。誰かに施されたのだろうが、相手は分からない。神様と言っていて、誰が行ったのかは分からない」

 おや?何だか乙女ゲームのような展開っぽいのではないか?

「神様?」
「ああ、だが自身が使ったことは紛れもない事実だから、禁術使用で裁かれることになる。レオは不誠実な真似は一切していない」

 うんうんと言わんばかりにレオナルドは横で頷いているが、親友なのだから説得力に欠ける。ギター〇の『〇念っ!』を思い出していた。『お前ら親友ですから!〇念っ!心の友〇り!』だろうか、いやもっといいチャッチーな〇りがありそう。

 ギターは売っているかもしれないが、楽譜もないのに、かき鳴らせるだろうか。

「ココ、信じて貰えないだろうか…?」

 〇田〇区のことを考えて、何も答えないココに、不安になったのはレオナルドは、恐る恐る聞いた。

「私が実際に見ていたのはハーレム?未来の一妻多夫だけですからね、はいそうですかと、信じるとは言えませんわね」
「キシリの証言でも駄目か?」
「あなたの親友ではありませんか、ココが誤解しているんだよ~説得してくれよ~頼むよ~なんて言われたら、絶対証言するでしょう?」
「それはそうだが…」
「わざわざお二人が時間を割いて、説明しようと思ったのは、クリネック嬢が婚約解消に動いているからですか?」

 まだブルゾン嬢のことで、忙しいはずの二人がわざわざそろって説明しているのは、解消になるかもしれない婚約があるからだろう。

 相手の方はしたくないと言っているようだが、クリネック嬢は潔癖であるため、婚約解消したいと訴えている。潔癖というところも、らしいとココは思っていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本日もお読みいただきありがとうございます。

11話で終わりとなりますので、
あと3話となります。

最後までどうぞよろしくお願いいたします。

あなたにおすすめの小説

冷たかった夫が別人のように豹変した

京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。 ざまぁ。ゆるゆる設定

公爵令嬢は結婚前日に親友を捨てた男を許せない

有川カナデ
恋愛
シェーラ国公爵令嬢であるエルヴィーラは、隣国の親友であるフェリシアナの結婚式にやってきた。だけれどエルヴィーラが見たのは、恋人に捨てられ酷く傷ついた友の姿で。彼女を捨てたという恋人の話を聞き、エルヴィーラの脳裏にある出来事の思い出が浮かぶ。 魅了魔法は、かけた側だけでなくかけられた側にも責任があった。 「お兄様がお義姉様との婚約を破棄しようとしたのでぶっ飛ばそうとしたらそもそもお兄様はお義姉様にべた惚れでした。」に出てくるエルヴィーラのお話。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

二度目の婚約者には、もう何も期待しません!……そう思っていたのに、待っていたのは年下領主からの溺愛でした。

当麻月菜
恋愛
フェルベラ・ウィステリアは12歳の時に親が決めた婚約者ロジャードに相応しい女性になるため、これまで必死に努力を重ねてきた。 しかし婚約者であるロジャードはあっさり妹に心変わりした。 最後に人間性を疑うような捨て台詞を吐かれたフェルベラは、プツンと何かが切れてロジャードを回し蹴りしをかまして、6年という長い婚約期間に終止符を打った。 それから三ヶ月後。島流し扱いでフェルベラは岩山ばかりの僻地ルグ領の領主の元に嫁ぐ。愛人として。 婚約者に心変わりをされ、若い身空で愛人になるなんて不幸だと泣き崩れるかと思いきや、フェルベラの心は穏やかだった。 だって二度目の婚約者には、もう何も期待していないから。全然平気。 これからの人生は好きにさせてもらおう。そう決めてルグ領の領主に出会った瞬間、期待は良い意味で裏切られた。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

妹に全てを奪われた私、実は周りから溺愛されていました

日々埋没。
恋愛
「すまないが僕は真実の愛に目覚めたんだ。ああげに愛しきは君の妹ただ一人だけなのさ」  公爵令嬢の主人公とその婚約者であるこの国の第一王子は、なんでも欲しがる妹によって関係を引き裂かれてしまう。  それだけでは飽き足らず、妹は王家主催の晩餐会で婚約破棄された姉を大勢の前で笑いものにさせようと計画するが、彼女は自分がそれまで周囲の人間から甘やかされていた本当の意味を知らなかった。  そして実はそれまで虐げられていた主人公こそがみんなから溺愛されており、晩餐会の現場で真実を知らされて立場が逆転した主人公は性格も見た目も醜い妹に決別を告げる――。  ※本作は過去に公開したことのある短編に修正を加えたものです。

完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。

音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。 王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。 貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。 だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……

殿下の婚約者は、記憶喪失です。

有沢真尋
恋愛
 王太子の婚約者である公爵令嬢アメリアは、いつも微笑みの影に疲労を蓄えているように見えた。  王太子リチャードは、アメリアがその献身を止めたら烈火の如く怒り狂うのは想像に難くない。自分の行動にアメリアが口を出すのも絶対に許さない。たとえば結婚前に派手な女遊びはやめて欲しい、という願いでさえも。  たとえ王太子妃になれるとしても、幸せとは無縁そうに見えたアメリア。  彼女は高熱にうなされた後、すべてを忘れてしまっていた。 ※ざまあ要素はありません。 ※表紙はかんたん表紙メーカーさま